第33話
メイベルが意識を失った後
ヴィクトリアがメイベルを抱き上げ
部屋へと連れて行ってブレイクと一緒に看病し
翌朝まで寄り添いメイベルが目を覚ました
「おはようございます母上
ブレイクもおはよう」
とメイベルはヴィクトリアとブレイクに挨拶し
2人は意識を取り戻したメイベルに抱きつき
メイベルが2人を宥めるかたちとなり
(母上、ブレイクにべったりだったけど
ちゃんと私も大切にされてるんだなぁ)
(そりゃそうだろ、お嬢
子供を想う親は
分け隔てなく子供を愛するからな)
そうかぁ、とメイベルはヴィクトリアを見ていると
「なんだ?何かついてるか?」
いえ、そう言うわけでは...と
メイベルがモジモジしていると
「姉さん言いたい事は
言っておいた方がいいですよ」
ブレイクの後押しもあり
メイベルはヴィクトリアに
必要とされてないのではと考えていることを
ヴィクトリアに伝えると
「何を言っている!?
確かに息子に甘い自覚はあるが
私は娘にも甘いぞ!?」
とヴィクトリアが言うが
ブレイクとメイベルの2人には
あまり伝わらなかったが
ヴィクトリアが拗ねるので
2人は目配せをし合って
「母さん」
「母上」
なんだ?とヴィクトリアが拗ねる前に
「「大好きです」」
ご機嫌をとった2人だった
「なんか誤魔化された気がするが
まあ、いいか娘今日はゆっくりするといい
息子は私と買い出しだな」
買い出し?とブレイクが疑問に思っていると
「1週間後、息子の12歳の誕生日だろう?
それに合わせて服を新調しに行くぞ
娘は明日行くから今日はしっかり休め」
はい!とメイベルが返事をし
そうか...誕生日かとブレイクが考えていると
「ほら、行くぞ息子!」
ヴィクトリアに手を引かれ街へと繰り出す
ヴィクトリアは仕立て屋を予め決めており
その仕立て屋にブレイクと共に入り
採寸が始まった
ブレイクもここ数年で身長も伸びて
3年前の120センチから
150センチにまで背が伸びていた
髪も肩まで伸び
そろそろ切らないといけなかったので
美容院にも行く事になった
仕立て屋の採寸が終わり、美容院に向かう
美容院では髪を切り毛先を整え
髪質も傷まないよう潤いを与えていく
トリートメントを施して髪を乾かしていき
耳にかからないほどには短くなった髪を見て
ブレイクは
(切り過ぎたかな?まぁ、すぐ伸びるか)
ヴィクトリアは更に宝石店にもより
ブレイクの赤いの瞳に合う宝石を選んでいた
「うーんエメラルドもいいが
サファイア...いや敢えてルビーか?」
そんな事を1人でブツブツと呟いていた
「そんな事より母さん
母さんも色々やる事があるでしょう?」
とブレイクがヴィクトリアを連れて
仕立て屋に戻った
ヴィクトリアの採寸も始まり
透き通るような柔肌に翡翠色の瞳が
仕立て屋のお姉さんをも高揚させ
胸と尻が本人が邪魔だというが
そこら辺の人よりは大きかった
ヴィクトリアは身長165センチ程で
5センチのヒールを履いている
銀の髪は腰まで伸びて少し毛先が傷んでいた為
この後、美容院にも行く事が
ブレイクの中で決定した
採寸も終わり美容院に移動して
傷んだ髪をトリートメントし
髪を肩より下の長さに切り
髪型はハーフアップにしたようで
「母さん綺麗ですよ」
ブレイクに褒められたのが嬉しかったのか
そうかぁ、とニンマリ顔のヴィクトリアだった
宝石店にも戻り、今度はブレイクが
「母さんの翡翠色の瞳には何が合うかなぁ
エメラルドでも良いしサファイアは割と上品か?
ルビーは...いやルビーだな」
ヴィクトリアはなんでルビーにしたのか
ブレイクに尋ねると
「僕と同じ色だからじゃダメですか?」
その言葉に反射的にヴィクトリアは
ブレイクを抱き締めていた
「母さん...苦しいです」
あ、すまんとヴィクトリアがブレイクを離す
色々買い物をし日も暮れ夜に家路に着いた
ヴィクトリア達だったすると
メイベルが出迎えてくれ
「母上、ブレイク
2人とも素敵ですね
良いものは何か買えましたか?」
素敵と言われヴィクトリアは嬉しそうに
メイベルにお土産を渡し
翌日はメイベルの服を新調しに出かけた
メイベルはヒールは履いていないが
170センチ近く身長がある為、特注のドレスになる
母親譲りの銀の髪に父親譲りの青い瞳
発育も最近良くなりヴィクトリアに引けを取らない
美貌に成りつつあった
昨日の仕立て屋のお姉さんも
更に高揚していた
髪はそこまで傷んでいなかったが
念の為トリートメントをしに美容院に向かう
腰まで伸びた髪を高めのポニーテールにし
前髪をパッツンにして整えた
「おぉ、さすが私の娘
可愛いぞ!綺麗だし!」
ヴィクトリアは人の機嫌を伺うタイプではなく
率直に言うタイプなので素直に
褒められるのはメイベルも嬉しかった
家路に着くと今度はブレイクが出迎えてくれて
「一層綺麗になりましたね、姉さん」
そうかなぁ...とメイベルの頬も赤くなった
綺麗ですね、とノワも
メイベルを褒めていた
この後1週間は冒険者活動は禁止され
スゥがブータレていたが
ヴィクトリア邸でブレイク達は静かに過ごした
(私の名前はアリス!
期待の新人新聞記者です!)
新人記者のアリスは今回の
ヴィクトリア公爵のご子息
ブレイク・シルヴァ・ハートの
誕生日会場に紛れ込んでいた
「アンタいったい何してんの?」
早速現れたのが水と時の大精霊スイレンだった
彼女は水の精霊だったがブレイクと契約した事で
大精霊になった存在で大精霊は
アリスからしてもかなり珍しい存在で
「あの...写真撮っても良いですか?」
「嫌よ、見せ物じゃないもの」
ガーンと仕方なくスイレンを事細かく
メモする事にした
身長は浮いている為わからないが
髪は水色で肩の上くらいの長さで
瞳は青色、以前見た宝石ラピスラズリと同じ色だ
肌は人と変わらない色で
実体が無いらしいが足もちゃんと...
浮いていた、そうだった精霊自体浮くのが基本で
隣にちょうどもう1人の大精霊カルラが現れた
「ん?なんだいこの娘?
スイレンちゃんの知り合い?」
「いえお母様、誰かの
お客さんなんじゃないかしら?」
カルラにもカメラの許可をとりに行ったが
「こんなオバさん撮ってもしかたないでしょ?」
と断られてしまった
炎と癒の大精霊カルラ
ブレイクの実母と言う噂があるが
実際の所はわからない
カルラの事もメモし始める
身長は分からないがスイレンより大きく
緋色の髪に赤い瞳
スイレンと同じく人と肌は一緒で
スイレンと違うのは身長と胸の大きさぐら...
「アンタなんか失礼な事書いてない?」
と、これ以上書くと水で
全てインクが流れてしまうので書けないが
全体的にカルラは暖色
スイレンは寒色の色合いをしていた
更にそこに現れたのは
「あら?坊やの知り合い?」
氷龍王グレイシアだった
龍王国の前女王
今は息子のロストとフィートが国を治めて
彼女はブレイクの側で隠居しているらしい
彼女も写真はNGで理由はカルラと一緒だった
水色の髪が腰まで伸びて氷龍王の名の通り
龍である為額から3つの氷の角が生えていて
服も特有の鱗での擬態らしい
身長は175センチと高く
龍の姿だと15メートルを超えるらしい
そんなメモを書いていると
そこに現れたのは
メイベル・シルヴァ・ハートと
炎の精霊グレンだった
「なんだ?この嬢ちゃんは?」
グレンはメイベルの中から生まれた特異な精霊で
最初はメイベルの中で反発を起こして
メイベルが危なかったらしいが
今では契約して反発もなくなり
貴族に似合わない冒険者をやっている
メイベルもグレンも撮影NGで仕方なく
メモを取る
その契約精霊グレンは赤色の髪に
金色のメッシュが入った髪が
肩まで伸びており
下駄と言う珍しい履き物を履いており
カランコロンと音を鳴らしながら
歩いている姿を目撃する
体型はややふくよかで
のんびりしてそうな顔をしていた
メイベルはハイヒールを履いていないが
170センチ程の身長に胸が...
メモはここで焼かれていた
(にしても、こんなになんで
今回の重要人物が集まってくるんだろう?)
アリスは謎だったがそれよりネタを探して
他に誰かいないがと探し始めるすると...
「やぁ、皆集まっているね」
と、ここに来て
また貴族様の登場だ
今回はレムロン家が現れた
当主のユージーン・レムロンに
奥様のマリア・レムロン
ご子息のアーク・レムロン
それに精霊が2体
ユージーンと契約しているライコと
アークと契約しているシャルネ
ユージーンが写真完全NGだった
ユージーンが写真を嫌う理由は
自身のファンクラブが原因だが
また仕方なくアリスはメモで書き記すしか無かった
(はぁ、また書いてる
いつになったら写真撮れるんだろう?)
ユージーンは肩まである髪を
オールバックにしており
金獅子の立髪を彷彿とさせる姿で
瞳は金色に光っており
背は高く180センチぐらいあるだろうか?
いつもはローブ姿なのだが
今回は正装で来ており
それを見慣れないのか
マリアとアークは笑いを堪えているのが目につく
そのマリアだが茶色の髪を後ろで束ね
普通の貴婦人に見えるが
アークが生まれた時は育児ノイローゼで
荒れた生活を送っていたという
当時は色々あったのか
その当時の話はあまり噂に聞かない
そしてアークだが父親譲りの金の髪に
母親譲りの茶色の瞳をしており
背は170センチ程だがメイベルよりは高かった
(なんでこんなに集まってくる?おかしくない?
なんか皆、私じゃなくて私の後ろ見てるし)
誰かいるのかと振り向くが誰もいない
「お前、誰だ?」
声をかけてきたのは戦闘民族メソポリアのスゥ
彼女はブレイクと契約した下僕?らしい
唯一写真がOKだったので
カメラを向けるとその時
ガシャーン!
何かにぶつかってカメラを落としてしまい
レンズが割れてしまった
「あぁぁぁぁぁあ!!!!」
その声に周りも驚いたが
ぶつかった相手にはもっと驚いた
龍神バハムートだった
(あっ...終わった、ありがとうお母さん)
「あ?悪かったな
ブレイクの奴がいれば戻せるんだが」
バハムートの反応に思わず腰が抜けたが
とにかく命は助かったようだ
「大丈夫ですか?」
と、手を差し伸べたのは闇の巫女ノワだった
ノワの手を借り立ち上がると
(もうこうなればヤケだ全部メモってやる!)
アリスはメモを取り出して
バハムートの外見
漆黒の髪に鱗筋骨隆々の身体、全てが黒!
そんな彼の契約者がノワだった
彼女はダークエルフで
黒色の肌に黒い髪をしていた
ダークエルフで黒髪は不吉とされ
忌み嫌われるが彼女は皆と仲良くできているようで
先程助けられ少し心配だったが安心した
ノワの見た目も詳細に書き記しておく
身長は155センチぐらいで
腰まで伸びた髪を今回は三つ編みにしていた
白を基調とした服を着ており
恥ずかしそうなノワの姿に
アリスも可愛いと思った
「おぉ、皆集まってるな
息子を知らないか?見当たらないんだ」
ヴィクトリア・シルヴァ・ハート公爵が出てきた
そしてご子息のブレイクがいないと言うが
そこにきてノワが
「ブレイクならそこにいるじゃないですか」
アリスが、え!?と反応する
「あーあ、バレちゃった」
アリスの背後にブレイクがいた
「いやぁ、索敵魔法に名簿にない人がいたから
一旦危険がないか確かめてたんですけど
皆集まって来ちゃうから
バレちゃったじゃないですか」
彼はブレイク・シルヴァ・ハート
今回のパーティの主役だ
「あとコレ」
と目の前で信じられない光景が起きた
段々とカメラが元に戻ったのだ
「え?ど...どう言う事?」
「コレは記事にしないでくださいね」
念を押されてアリスは黙ってしまった
「じゃあ、あとは...」
とブレイクが夜明けの旅人を集めた
「ほらアリスさん!
シャッターチャンスですよ!」
パシャ!
夜明けの旅人の記事を書いてアリスは
新人では無くなりちゃんとした記者になれた
「じゃあ、あの娘無断で入って来たの?
バカねぇ普通は追い出されるわよ
御主人様が面白がってたからいいけど」
スイレンがヴィクトリアと話していたら
バサバザと羽ばたく音と共に
フィートとロストがやってきた
「すみません、遅れてしまい」
とフィートがブレイクの誕生日を祝う為に
ロストと共にやってきたのだった
「まだ始まってなさそうだから
たぶん大丈夫だろ
な?ブレイク」
ロストは呑気にそんな事を言いながら
ブレイクに近付き肩を組む
「遅いですよ2人とも
坊やの誕生日なんだから
坊やは貴方達の弟みたいなものでしょう?」
グレイシアがそんな事を話していると
「ブレイクー!!!」
ティラ王女の登場だ
「はい、ストップ」
と空気の壁を作りティラ王女の接近を未然に防ぐ
「今日は大人しくしてくださいねティラ王女」
「いいじゃない
暴れれば貴方は私に付きっきりになるでしょ?」
なんと迷惑な事か
ローラ王妃が後ろから頭を引っ叩く
「ごめんなさいねブレイク
ティラは私が見張っておくから安心して」
ブレイクはよろしくお願いしますと
ローラ王妃に会釈をし
一緒に来ている国王ミランドを中に案内する
「悪いなブレイク、ティラは相変わらず
お前の事となると止まらなくてな」
ハハ、と笑いながらミランドは
ブレイクに付いて行き一階の広間に通された
ヴィクトリアがミランドを見つけ
「お!来たかミランド!」
ヴィクトリアは公式の場ではない事から
国王ミランドを呼び捨てにする
周りの貴族達はギョッとするが
「あぁ、甥っ子の誕生日だ行くに
決まってるだろう」
その言葉にヴィクトリアは
ミランドの肩をバシバシ叩く
威力が強かったのかミランドは咳き込み
周りの貴族が心配するが
ヴィクトリアもミランドも
あまり気にする様子は無かった
そして、ブレイクの誕生パーティが始まった
開始の挨拶をヴィクトリアがする
「よし皆グラスは持ったな我が息子
ブレイクの12歳の誕生日を祝って
乾杯!!!」
まさに貴族らしくない
乾杯の音頭に周りの貴族は失笑する者もいた
そのあとブレイクは他の貴族に挨拶回りをし
その日は夜まで誕生パーティは続いた
ルア王国にそろそろ冬の
冷たい時期が訪れようとしていた
ブレイクの誕生日は秋に行われ
あっという間に冬になった
「寒っ、ブレイク今日の依頼はなんだっけ?」
アークがブレイクに話をもう一度説明してもらう
「えっと、冬にかけて大寒波が来るから
その時に合わせてくる氷魔と言われる
モンスターの討伐だね」
今回はノワとバハムート、スゥは
別行動をとっているため
ブレイク達だけとなっていた
ブレイクの説明を聞きながら
アークはメイベルの方を見る
「お前らはいいよな炎の精霊と大精霊がいるから
暖かいだろうしブレイクに関しては夏もスイレンとグレイシアさんがいるから涼しいだろうし
俺はシャルネとくっ付いて
暖をとるくらいしかできねぇし」
やっぱり炎属性は冬場はやはり暖かく
水属性と氷属性は夏場の暑い時期に便利なモノだ
「でも私は夏辛いわよグレンの隣、暑いし」
でも冬場はいいだろ?とグレンが
メイベルに冬場の便利さを熱弁していた
「坊や寒くないかい?」
カルラがブレイクを心配し後ろから抱きつく
「うん、大丈夫だよカルラ」
寒くないようスイレンとグレイシアは少し離れ
それを見たブレイクが2人の近くに寄る
「僕は暑くても寒くても皆と
一緒がいいから離れないでよ」
少しむくれたブレイクにグレイシアとスイレンが
離れるのを止めるとブレイクはご機嫌なのか
鼻歌を歌いながら氷魔を探しに街を出た
「氷魔って氷の塊で人型に近付けば近付くほど
危険なのよね、私とブレイクが火を使えるから
そんなに危ない目には遭わないと思うけど」
早速迷いの森から氷魔が現れ始め
ブレイク達は戦闘体制にはいった
氷魔の数はおよそ50体程その中に3体
人型が混ざっており
ブレイクがカルラと精霊融合《ソウル、ユニオン》し
メイベルも同様に精霊融合して
氷魔を相手していく
順調に1つ2つと氷魔を倒していく
「私のブレスじゃ氷魔を強化しちゃうから
あんまり坊やの役に立てないのよね」
グレイシアが爪や尻尾で氷魔を倒していきながら
そんな事を呟いていたが充分役に立っていた
アークがシャルネを武器化し茨の鞭に変え
2、3体は氷魔を倒していたするとメイベルが
「アークは精霊融合しないの?」
「いや、魔力の温存しておいた方が
何かあった時困るからさって言っても
俺は精霊融合5分が限界なんだけどな」
3年でアークは精霊融合を習得し
5分は維持出来るようになっていた
大精霊と重ねがけの契約をしたブレイクや
精霊と重ねがけの契約をしたメイベルが
比較対象では短いのかもしれないが
切り札としては充分な時間だった




