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第31話

ドカーン!!!!!


ペンダントが爆発した音が響いた


窓は割れ衝撃は会場中を揺らした


「...大丈夫?」


マールがティラ王女の手を取ると


兵に取り囲まれる


「貴様か

生誕祭から可愛い姪っ子を狙っていたのは」


ロゼル公爵の指揮で集まった兵だったが


ティラ王女が立ち塞がる


「叔父様、貴方から頂いた

ペンダントが爆発しました

これはどう言うことでしょう?」


ブレイクがその場からティラ王女の側に付くと


「なんだと!?」


「何かの間違いなんじゃ?」


「いや、可能性はあるか」


周りの貴族もコソコソ話をし始め


「早くこの女を殺せ!」


焦っているのか捕まえるではなく


いきなり殺すよう命令を受けた兵達も困惑しだし


それを聞いていた国王ミランドが


「ロゼル、お前はそうまでして...」


違う!この女が!と言い訳をする


ロゼル公爵だったが後ろから


ヴィクトリアに取り押さえられる


「何をするヴィクトリア!

兄に対してする所業とは思えぬぞ!」


「その言葉そのまま返すよ

ロゼル、お前の兄ミランドの娘で

我々の姪のティラを亡き者にする為

爆発するペンダントを送ったのか...最低だな」


国王ミランドが兵を下がらせ


妹のヴィクトリアに弟のロゼルを縛るよう指示し


ロゼルは縛りあげられた


「残念だロゼルよ

お前がティラを狙ったのは

次の政権を手にするためか?」


「違うこれは誰かの陰謀だ!

信じてくれ兄上!」


ブレイクが吹き飛ばされたペンダントを


拾ってきて魔力を流し残った魔力を辿り


とある人物を二人その場に登場させた


「なにすんのよ!」


「ロゼル公爵!これはどういう事だ

依頼は終わったはずじゃないのか!」


「...」


ロゼルは気まずそうに顔を背けてたが


マールが喋り出す


「...ロゼル公爵は

自身の息子を王にする為に

ティラ王女の殺害を考え

それに伴いヴィクトリア公爵の娘メイベルも

亡き者にする計画を立てていた」


「なっ!?なぜ貴様が知っている!

違っ!私は何も知らなかったんだ!」


焦ったり強い否定をする


その時点でマールの言葉の


裏付けになってしまっているのを


ロゼル公は気付かなかったようで


ハァ、と国王ミランドは溜息を吐く


「本当に残念だロゼル

もう二度と余の前に現れるな」


その言葉はロゼルを失意のどん底に


突き落とすには充分な言葉だった


国王の前に二度と現れてはいけないそれは


貴族であれど決して


裕福な暮らしが出来るわけではなく


他の貴族からは後ろ指を刺され


一般市民からもバカにされる


貴族として終わりを意味する


「そっ...そんな馬鹿な!」


ロゼル自身は監獄で幽閉され


死ぬまで出てこられない


兵に連れて行かれ


後はマールの処遇について話すことになった


「...好きにして、生きるのも疲れた」


メイベルがマールに話しかける


「マールさんは本当に仲間殺しなんですか?

私にはそうは見えない」


マールが暫く黙った後に話し始めた


マールのパーティに起きた事実を


ガバ帝国にて活動していた


マール・ベルはいつしか迅雷という


二つ名を冠する冒険者になっていた


そんな中、指名依頼が入ってきて


その内容というのが


龍神バハムートの討伐だった


Sランク冒険者になったばかりだと言うのに


いきなり死ねと言われたようなモノだ


冒険者の中での常識だが


龍神バハムートに挑むのは英雄かバカの2択だ


そんな事はわかっていたがマール・ベルは


その依頼を受けた理由は


パーティメンバーが英雄の称号に目が眩み


半ば強引にマール・ベルも付いていく事になった


「...やめない?バハムートに手を出して

生きて帰れるとは思えないけど」


パーティメンバーは


何言ってんだ!?


俺達は英雄になるんだ!


と聞く耳を持たなかったが


バハムートの根城に到着すると


バハムートは根城から出てきて


他のパーティメンバーは腰が抜け


動く事が出来ずにいたが


マール・ベルはそうじゃなかった


コツコツコツと


足音を鳴らしバハムートに近付くと


大鎌で一撃入れたが鱗にヒビ一つ入らなかった


「...やっぱりダメ」


コツコツコツと


パーティメンバーの所へ戻ると帰ろうと提案したが


パーティの1人の男がバハムートに突っ込んでいく


「ん?なんだ邪魔だ」


と爪で肩から腰にかけて一直線に


傷が入りその場に倒れた


すぐに応急処置をして


そのパーティメンバーの男に肩を貸し


ガバ帝国に戻ったが


「マール・ベルにやられた傷だ!

何が迅雷のマール・ベルだよ!

仲間殺しじゃないか!」


その男がバハムートにやられた筈の傷を


マール・ベルのせいにして悪評を広めていた


そうしてマール・ベルはギルドを追放され


放浪の旅に出た


そんな日々が続いたある日


とある男に仲間にならないかと誘われて


今はその男の指示で今回のティラ王女の


殺害を未然に防いだ


「...ボスはいい人

こんな私にも優しくしてくれる」


そこまで聞いていたスゥが


「ボス?ボスってギデンの事か?」


アークがそんな事あるか?


とボス違いだろうと言った矢先


「俺がなんだって?」


ギデンが会場に入ってきた


「...ボス!」


「ボス!」


「よう、スゥ元気か?」


うん!元気!とギデンにメソポリア式の挨拶


蹴りを喰らわせギデンはそれを受け止める


また強くなったなと褒めてから


ギデンはマールの元まで行き


「悪かったなコイツややこしかっただろう?

ブレイク達と協力した方がいいと言ったんだが

パーティメンバーの事があってから

なかなかそう言うわけにもいかなくてな」


マールの処遇についてギデンが頭を下げる


「すまなかった、余計な誤解を与えてしまった」


国王ミランドもその謝罪を受け今回の


マール・ベルについてはお咎め無しで


ギデンが更に続けて国王ミランドに


「マール・ベルをまた冒険者として

登録させて貰えないだろうか?」


「...ボス!?それはいいって」


ギデンの考えは


マール・ベルは誰も殺してないし


名誉を挽回する機会が欲しいとの事


「Sランク冒険者としての復帰は無理だ」


...やっぱり無理だよ、とギデンにマールが話すが


「そこをどうにか出来ないだろうか?」


ギデンは引き下がらなかった


それを見て国王ミランドは


「復帰は無理だがルア王国で名を変え

新しく冒険者登録する事は出来るだろう」


その言葉にマール・ベルは


「...でも、また誰かに裏切られたら

もう私は人を信じられない」


それは俺達でもか?とギデンがマールに問いかける


「...ボス達はいい人、信用出来るけど

冒険者はパーティを組まないと

出来ない仕事も多いから」


なら、とギデンは他のメソポリアを呼び寄せ


俺達も冒険者になればいい


「...ボス達が迷惑じゃないなら

私はその方がいい」


ギデン、ロア、カーラ


アリアにガルーそれにマール


その6人で冒険者になる事が決まった




「...光の勇者と闇の巫女は特別

私の隠密魔法がバレたのは初めて」


ブレイクとノワにマールが話しかける


「マールさんのハイヒールの音で気付く事が

出来たので靴を変えたらたぶん

僕らでもわからないですよ」


...そう、とマールが靴を気にし


ハイヒールを脱ぐと消えた


「!?」


目の前にいたマールがいきなり消えた事で


ブレイクは索敵魔法を展開するが


何処にも反応がない


「...ここだよ」


ブレイクは背後から肩を叩かれ


即座に振り向くそこにマールが居た


それを見た周りの人々は驚きと歓声で


その場が盛り上がった


「私も全然分からなかった

ハイヒールの音がないと意識できないんだ」


ノワが自身も気付かなかった事を冷静に分析して


「...これはかなりいい

2人にも気付かれないなら

ほとんどの相手に使える」


マールの隠密魔法は天賦級である事が


説明が無くてもわかり


敵からすれば1番の脅威になり得る存在


「...大丈夫だよ

ボスが敵にならなきゃ

私も敵にはならないから」


責任重大じゃねぇか!?と


ギデンがマールに突っ込むが


マールは気にする様子はなく


「まぁ大丈夫だ、当面の目的は

ブレイク達と協力して邪神を倒す事だからな」


ならよかったぁ、とブレイクが安心する


その夜はそれぞれ家に戻り


ギデン達メソポリア族とマール


そしてノワとバハムートは


ヴィクトリア邸に泊まる事にした




翌日、早速ギルドに向かい


ギデン達の冒険者登録に向かう


「わかった冒険者登録だな」


と、ギルマスが出てきて説明が必要か?と


ギデン達に聞くが


ヴィクトリアが必要ないだろうと


しかもアレをやると言い出し


「マジかぁ...

でも今は冒険者が

遠方の依頼で少なくてな」


なら俺がやろうとバハムートが


ギデン達メソポリア族とマールの


相手をする事になった


「おいおいマジか

バハムート相手じゃ5分持つか?」


ギルマスがギデン達を心配するが


ギデン達は俄然やる気を出していた


「「リベンジマッチだな!」」


と、カーラとアリアがウキウキで身体をほぐし始め


ギデンも自身がどこまでバハムート相手に


戦えるようになったか


確かめたくて仕方ない様子だった


ロアとガルーがマジかぁ...と若干沈んでいたが


いつまでも沈んでても仕方ないと


気合いを入れて身体をほぐし始めた


「...場所はどうするの?」


マールが場所の心配をしていたが


訓練場では施設が壊れる為


迷いの森で始める事にした




迷いの森に移動しバハムートを囲むように


陣形をとりギデン達は開始の合図を待った


「えっと、バハムートは人型の姿で

ブレス禁止で飛行も禁止

5分以内に全員を倒す事

ギデンさん達は5分以内に倒されず

誰か1人でも残ったら合格で良いんですよね?」


ブレイクがギルマスからの指示を説明し


開始の合図をする


最悪ブレイクなら止められるだろうと


審判をブレイクに任せて


ギルマス達は後方に下がった


「では、始め!」


開始の合図とともにマールが消える


「あの女が厄介だな

先に潰しておきたいが

何処にいるのか、さっぱりわからん!」


カァン!


大鎌とバハムートの鱗がぶつかる音で


バハムートは姿を察知し


封印魔法でマールの足を固定した


「そこか!」


マールの腹部にバハムートの拳がめり込む


その攻撃にマールは吹き飛ばされ


意識を失った


アリアとガルーそしてギデンが大健闘で


カーラとロアも健闘し5分が過ぎた


「そこまで!」


マールがブレイクに治癒魔法をかけて貰い


「今回1番良かったのは女!お前だ!」


...何を言って?


と、マールが困惑しているとギルマスが


「マールが5分間逃げ切らなかったからだろう

マールが逃げる気なら逃げ切れた筈だからな」


「俺も得意なブレスを禁じられていたが

お前も隠密魔法で逃げ切らなかった

得意な事を使わなかった事

誇っていいぞ」


バハムートとの試験も終わりギルドに戻る


「バハムートから見てどうだ?

皆、Bランク以上の実力はありそうだが」


ギルマスがバハムートに聞く


「Bランクで良いだろう

どちらにしろお前が与えられるのは

Bランクが限界なのだろう?」


まぁ、そうなんだがとギルマスは頭を掻き


ギデン達は全員Bランクの冒険者になったが


マールの名前が使えないので名前を考えて


マール・ベルをマール・ベラという事にした


受付でパーティの申請をしに降りていく


「パーティ名はどうする?」


と、相談し始め


ロード・メソポリアという事になった


戦闘民族メソポリアが


大半を占めるパーティという事と


マールがそれが良いと言った事でソレに決まった


翌朝マール達を引き連れギデンはアジトへと帰った


ブレイクは隠密魔法を覚えられないかと


試行錯誤していた


(マールさんまでとはいかずとも

隠密魔法は使えた方が役に立つと思うから

やってはみてるけど...)


いかんせん相性が悪いのか


ブレイクは上手くできずにいた


その一方ノワは相性が良く


上手く隠密魔法を使えていた


「ブレイクも苦手な事あるんだね」


意外なブレイクの一面にノワは驚いたようで


「私も御主人様《マスター》に出来ない事はないと

思っていたけどなんだか意外ね」


スイレンまでブレイクの


珍しい一面を見て驚いていた


「まぁ、出来ない事もあるだろう

坊やの得意不得意の話は一旦置いといて」


と、カルラがブレイクを抱える


「え?何?

ど...どうしたの?カルラ」


「坊やアンタ無理して風邪をひいてるね」


カルラはブレイクの事をよく見ており


些細な事に敏感だった


「僕は大丈夫だよ?」


いいから休むよ、と半ば無理矢理カルラが


ブレイクを引っ張って行き


ベットに寝かせる


「今日一日、寝てれば治るから大人しくしてな」


仕方なくブレイクは眠りについた


カルラが治癒魔法をかけてブレイクの免疫を上げ


部屋を出てるとそこには


ヴィクトリアが心配そうに立っており


そんなヴィクトリアを見たカルラは


「大丈夫だよ、ただの風邪だ

連日の疲れが出ただけだよ

にしても坊やは良い母を持ったものだよ

入るのは良いけど

あんまり騒がしくするんじゃないよ?」


ヴィクトリアに念を押しカルラはその場を離れた


ヴィクトリアがゆっくりと扉を開け


ブレイクの側で看病する事にして


「今回の事は私の兄の事もあった...

息子《ブレイク》には悪い事をしたな

私も治癒魔法が使え程の魔力量があれば

良かったんだがな...」


ブレイクの頬を撫でながらヴィクトリアは


昔を思い出していた


ヴィクトリアの兄は2人


長男のミランドと次男のロゼル


昔はよくミランドが弟ロゼルと


妹ヴィクトリアの2人をを連れて


街に出ては先代の国王に怒られていたのだが


それでも懲りずにミランドは2人を連れて


街の中や外に連れ出していた


しかしミランドが国王になると


ロゼルと疎遠になり始め


ヴィクトリアも何度か


ロゼルに会いには行っていたものの


あまり良い反応は貰えず


ヴィクトリアも段々とミランドとロゼルとは


疎遠になっていた


そんな中、ロゼルが政界に進出してきて


少しの口論などはあるものの


ヴィクトリア達は昔の関係に戻れた気がした


今回の出来事はそんな矢先の出来事だった


「いったい何がそこまでロゼルを

変えてしまったんだろう

私達は仲の良い兄妹では

居られなかったのだろうか?」


ロゼルの政界への執着は凄まじく


息子を王にしたいが為に全てを注いできた


「考えても仕方ないか、もう終わった事だ」


うぅ...とうなされてるブレイクの為に


濡れタオルを持ってきて頭に乗せると


穏やかな表情に変わった

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