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第30話

ティラ王女は動きやすい服に着替え


ブレイク達とギルドに向かった


「オイオイ、マジか

なんで王女様が居るんだ?」


「ギルドマスターご機嫌よう

今回は私の冒険者登録に来たの」


えぇ!?とギルマスと受付嬢が驚き


ブレイクが今回の襲撃の件を話し


それなら仕方ないかと納得したのか


ギルマスはティラ王女に


冒険者登録の流れを説明した


座学から始まり実技まで一通り行い


ティラ王女は基本、魔法攻撃を主な攻撃にし


後方からの援護タイプだった


その後にブレイク達と一緒に


夜明けの旅人の仮メンバーに加入する


手続きを済ませた


「ティラ王女、どうしますか

陛下からは身を守る術を教えるように

言われましたが何を教えればいいんだろう?

あ!でもその前に初心者講座か!

僕が教えますね」


とブレイクがティラ王女の初依頼を決めて


薬草採取をしてその日はもう日が暮れて来たので


ティラ王女を王城に送りブレイク達は帰路に着いた




翌日メイベルはギルドで調べ物をしていた


「...やっぱり、この人だよね」


ブレイクとアークも


メイベルの調べ物の手伝いをし


書類をテーブルの上に広げる


「誰だかわかったか?」


と写真付きの書類に目を通す


「確かに僕が相手をしたのはこの女の人ですね」


彼女の名前はマール・ベル


ガバ帝国出身の元S級冒険者だった


「マール・ベルか

迅雷の異名を持つ冒険者だった

だがパーティメンバーを殺害し逃亡

今に至るまでそれ以上の情報はないな」


資料を見ていると後ろから


ギルマスが説明してくれた


「指名手配されてから結構経つけど

未だに捕まってないけど仲間殺しが

指名手配するほどの事かと言われると

そうじゃないと思うんだよね

他に何かしたのかもしれないし

やっぱり何かを隠している感じがするのよね」


メイベルの考察に答えは誰も出せなかったが


情報を元に対策を考え作戦会議をしてから


ブレイク達はティラ王女を迎えに王城に向かった




「...」


マールが1人考え事をしていたら


「おっ!居たのかマール

依頼の件どうだった?」


男がマールに声をかける


「...邪魔が入った」


マールは男に少年が王女を守っている限り


依頼は達成できないと説明すると


「少年か

シルヴァ家のブレイクだな

現在Sランクの冒険者だな

面白いじゃないか元Sランクと

現Sランクの戦いは俺も見てみたい」


...簡単に言うな、とマールは反論するが


男は既に2人のどちらが強いかと言う事に


興味が移っていた


「依頼は達成してもらわないと困るからな

必要なら俺も動こう」


と、男が準備を始めるが


マールは我関せずとその場を後にした




ティラ王女の冒険者ランクはFランクスタートで


今ブレイク達と討伐依頼を受け


迷いの森に来ていた


「結構、足場が悪いのね」


前日の夜が雨だった事もあり地面が泥濘んでおり


ティラ王女の言う通り足場が悪かった


「そうね、こう言う事もあるから

冒険者は準備が大切なのよ」


メイベルがティラ王女に説明していると


シャドウウルフの群れに囲まれた


ブレイク達は戦闘体制に入り


ソレらを討伐しギルドに戻った


「依頼達成です

ティラ王女様はEランクに昇格です」


あらそうなのね、と案外あっさり


ランクアップした事にティラ王女は


納得いってない様子で


「これってブレイク達がいたから

倒せたのだけれどそれでも

私はEランクなのかしら?」


とブレイク達に質問するが


「ティラ王女も何体か倒してたじゃないですか

それを鑑みるに妥当だと思いますけどね」


ブレイクがそう褒めるとティラ王女は


そっ...そうかしら、と照れくさそうに顔を背けた


「そうだ身を守る訓練をしておかないと

陛下から頼まれてるんだった

この後ギルドの訓練場に行きましょうか」


ギルド内にある訓練場にブレイク達は移動し


ティラ王女に攻撃と防御を教える事にした


「えっとじゃあ最初は攻撃から

僕に好きなように攻撃してください」


ブレイクに対してティラ王女は攻撃できなかった


「効かないと分かってるけど

貴方に攻撃なんて出来ないわよ!」


う〜ん、これは困ったとブレイクが悩んでいると


代わりに私が受ければいいんじゃない?と


メイベルが立候補しメイベル対ティラ王女の


構図になり訓練は始まった


「アースニードル」


これはティラ王女がシャドウウルフの群れの時に


使っていた魔法で1メートルほどの土の塊を


形成し角のような鋭い形にして飛ばす


ティラ王女はそれを3つも発動し飛ばして来た


メイベルが炎魔法で相殺するが互いに


なかなかの威力で訓練場はあちらこちらに


焦げた後や穴が空いており


それをティラ王女が直していく


訓練場の地面が土でよかったと


ブレイクがホッとしていた


「ティラの攻撃はそこらの

Dランク冒険者より全然強いわ

あとは防御を確認してかな」


メイベルがティラ王女に防御を展開させ


メイベルは黒炎を放った


ティラ王女の防御は厚さ1メートルの壁を


ドーム状に展開して守っていたが


黒炎は0.5メートルは破壊しており


2発目で確実に破壊される


そんな状況を見たメイベルが2発目を放った


ドーム状に展開されていた壁は見る影もなく


崩れ去っていただがそこにティラ王女は居なかった


何処いったんだろう?とブレイクが索敵魔法を使い


辺りを探ると地面からティラ王女が出てきた


「私はここよ! 

これなら逃げるくらいは出来そうよね

メイベルの攻撃もどうにかなりそうだったし」


ニシシと王族には似合わない笑顔を見せて


訓練は終わった


ブレイクがティラ王女を王城まで送り


帰ろうとしたところティラ王女に捕まって


謁見の間に連れて行かれた


「お父様!

ブレイクからお墨付きを貰いましたわ!」


ティラ王女は嬉しそうにVサインをして


国王ミランドに訓練の成果を見せる為


中庭に的を作らせそれに向かって魔法を放つ


「アースニードル」


同時に5発の土魔法を展開して的に飛ばす


どれも正確に中心を捉えており


防御面も土を生成し周りに纏わせる


「本当に大丈夫なのか?」


と国王ミランドは心配していたが


ダメそうだっら僕が止めますから、と


ブレイクの言葉と


大丈夫、大丈夫!とティラ王女の言葉に押し切られ


兵士に弓矢を持たせてティラ王女を狙わせた


矢は風を切り一般人では防げない速度で


ティラ王女に迫るがそれをティラ王は防いで見せた


「弓矢がダメなら

私の剣ならどうですかな?」


と近衛騎士団団長のレインが


ティラ王女に攻撃をするが


土魔法の盾でそれを防がれる


コレはなかなか、とレインが感心している


「陛下、以前の襲撃が

元Sランク冒険者の仕業だという事が

こちらの調べでわかっています

ティラ王女の防御は完璧ではないですが

時間稼ぎにはなり逃げる事は出来ると思います」


そうか、と国王ミランドが


話の途中まで頷いていたが


相手が元Sランク冒険者と聞くなり


「元Sランクだと!?

かなり危険ではないか!

ブレイク!現Sランク冒険者として依頼する!

ティラの護衛並びに

その元Sランク冒険者を捕らえるのだ!」


「わかりましたでは

護衛と元Sランク冒険者の捕縛の依頼を

ギルドにお願いします

僕は一旦帰って準備してきます

僕一人だけだと厳しいので

夜明けの旅人への

依頼という事にして頂きたいです」


そう言うとブレイクは逃げる様に


王城を後にしようとしたが


ローラ王妃が呼び止める


「ブレイク

護衛は今から頼みたいのだけど

シルヴァ家と夜明けの旅人にはこちらから

言っておくから今日は泊まって

ティラを護衛してもらえるかしら」


え?とブレイクが今日はもう帰れると


思っていたのか間の抜けた返事をした


「今日から泊まるのね私の部屋に来なさい

今日はいっぱいお話し出来るわね!」


ティラ王女の目が嬉しそうに爛々としていた


(えぇ、護衛は今日からかぁ

スイレン、カルラ

ヴィクトリア母さんに

説明してこっち来てくれる?)


スイレンがヴィクトリアに説明している間に


先にカルラがブレイクの所に到着した


「お義母様!ブレイクを婿にください!」


カルラがブレイクの側に現れるといきなり


ティラ王女が変な挨拶をして困惑するカルラ


「ご機嫌ようティラ王女

婿の話は当人同士で考えて下さい

私は賛成も反対もしませんから」


わかりました!とブレイクに抱きつくが


「わかってないわよこの娘は

御主人様《マスター》から離れなさい」


スイレンも到着してティラ王女を引き剥がす


そこでバタバタと足音が聞こえてくる


バタン!と勢いよく玉座の間が開いた


「息子《ブレイク》を返せ!ティラ!

息子《ブレイク》は私のものだ!」


グレイシアとメイベルに止められながら


ヴィクトリアが入ってきた


(いや、僕は誰のものでもないんだけど...)


「ヴィクトリア叔母さん!

いいじゃないたまには私にも

ブレイクを貸してくださいな」


誰がオバサンだ!とティラ王女の頭をグリグリと


両拳で圧迫し続け


ぎゃぁぁぁあ!!!!と


ティラ王女の悲鳴が城内に響き渡り


兵が集まってきたがその光景を見て


いつものことか、と仕事に戻っていった


「ヴィクトリアよ余とは兄妹だから

ティラにとっては叔母で合っているぞ」


と国王ミランドの話に


そういう話はしていない!と


ヴィクトリアが威嚇してきて


うっ...となる国王ミランドだった


「まだ30だものね私からしても

まだオバサン呼びは嫌だものね」


「40歳手前の王妃がそれを言うか?

いや王妃の年齢の話はやめておこう」


国王ミランドが焦りだし


その方がいいでしょう、とローラ王妃が釘を刺し


「ミランド陛下、ローラ王妃

母上が突然すみません

ブレイクを迎えに行くと聞かないもので」


メイベルが平謝りだったが


「大丈夫よメイベル

私が無理を言ってブレイクに

ティラの護衛を頼んだのが原因だから」


ブレイクがアークにも王城に


来るようメイベルに言伝を頼んで


ヴィクトリアも銀翼にティラ王女の護衛をすると


言伝を頼んでその場に残った


「夜明けの旅人と銀翼が護衛に?

なんだか凄く安心出来るわね

でもここまでの大人数になるとは思わなかったわ」


ローラ王妃が銀翼の参加に喜んで


「ミランド、銀翼にも依頼を出しておいてくれ

別に文句はないだろう?」


ああ、と国王ミランドはヴィクトリアに返事をし


そのような夜の内に夜明けの旅人と銀翼の


両メンバーが集まったそれに伴い


アークが寂しさで癇癪を起こされても困るという


理由でマリアを連れてきていた


「ここまで大所帯になるとなんだか

お泊まり会みたいでいいわね」


と呑気なマリアにライコが頭をポンポンと軽く叩き


「そんな良いものじゃ無いだろう

なぁ小僧、今回の件どう見る?」


うーん、とユージーンが思考を巡らせ


「メイベルちゃんが調べた通りなら

相手はマール・ベル、迅雷の二つ名を持った

元Sランク冒険者だ僕達も気付かないほど

隠密に長けている生誕祭で気づいたのは

ブレイク君とノワちゃんだけだろう?

念の為にノワちゃんは呼んでおいた方が

いいんじゃないかな」


それなら私が行きます、とグレイシアが


魔王領に向かった


「いつ襲ってくるかわからないから

僕は付きっきりでティラ王女の側に付いてます

皆さんは交代で仮眠など休憩しながら

見張りをお願いします」




グレイシアが魔王領に着いたのは


翌日の朝のことだった


「わかりました生誕祭のあの事件は

どうなったんだろうと思ってたんです」


ノワがバハムートを召喚し


「本当に大丈夫なのか?

ブレイク君がいるから大丈夫だとは思うけど」


ワイトも心配でノワを見るが


「いざとなれば俺が主を連れて帰ってくるさ

ブレイク達には悪いがな」


ノワが嫌な事をやるとは到底思えないが


バハムートが冗談を言うタイプでもないので


そこはノワを優先してくれるのかと


ワイトは一安心だった


「大丈夫ですよ父様

私もブレイクも強いですから!」


とガッツポーズをしながら


行ってきます!とワイトに見送られながら


ノワ達はルア王国に向かった




「おい!まだアレは作動しないのか!」


苛立った男が女に向かって怒鳴る


「知らないわよ!

アンタが作った装置がおかしいんじゃないの!?」


と二人の怒号が響き渡る部屋に


一人の貴族が入ってきた


二人は黙り頭を下げた


「表をあげよ

...まだか?ティラが死ねば

私の天下なのだがな」


この大貴族はロゼル・ゴルド・ハート公爵


国王ミランドの実の弟で


ヴィクトリアの実の兄だった


「大変、恐縮なのですが

公爵様ティラ王女の魔力量では

発動しないようで

でも蓄積型なので後数日もすれば

起動できるかと思われます」


そうか、わかったと公爵はその場を後にした




バハムートに乗りノワがやってきた


「ブレイク!数日ぶり?」


そうだねノワ!と二人は手を取り合う


それを見たティラ王女が間に割り込み


「今回は私の護衛だから!

二人ともイチャイチャしないこと!」


イチャイチャなんて...と、ノワが顔を赤らめ


ブレイクはイチャイチャってなに?


と困惑していた


そこでユージーンが考えを二人に話す


「生誕祭でマールを意識出来たのは

ブレイク君とノワちゃんの二人だけだった

だから交代でティラ王女の側に居るようにして

襲撃に備えようそれにブレイク君が昨日から

寝てないからノワちゃん

交代してあげてくれるかい?」


わかりました、とノワは


ティラ王女の側で護衛を始めた


ブレイクは客間に睡眠をとりに向かい


それから2日が経ち事件は起きた


昼間に城内で


ロゼル公爵が主催するパーティが行われ


ティラ王女も当然出席する


ブレイクがティラ王女の護衛をしていると


また、コツコツコツ


と足音がする


「!?」


今度は姿が一切見えない、だが足音だけはする


ティラ王女も他の人々も気付いてない


ブレイクは何処から来るのかわからない


攻撃に備えて魔法を展開し始めるが


次の瞬間には外に吹き飛ばされた


(まずい!着地から戻るのに10秒はかかる!

ティラ王女が危ない!)


「ティラ王女!敵の襲撃です!

防御を展開してください!」


その言葉に周りに土の壁を作る途中で


それは起こった


「...遅い」


パリン!とティラの首元のペンダントが割れた


「きゃぁぁぁあ!!!」


ティラ王女の悲鳴を聞きブレイクは急いで


パーティ会場に戻る


「...これでいい」


このペンダントだがティラ王女の叔父


ロゼル公爵がティラ王女に送ったモノだった


「それは叔父様から貰ったペンダント?」


ティラ王女から奪ったペンダントを


ブレイクが吹き飛ばされた方へ投げ


ブレイクとは入れ違いになった


だが次の瞬間外から...

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