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第25話

家に帰っていると


(今回の精霊融合《ソウル・ユニオン》は団長就任祝いだ

今後使えるとは思うなよ)


わかった、とユージーンがライコと念話していた


「にしても精霊融合《ソウル・ユニオン》かぁスゲェよなぁ

シャルネと俺も出来る様になるかな?」


とライコにアークが聞くと


「孫次第だな

孫の魔力量が増えれば可能だろう

ブレイクとの訓練で幾らか

魔力量は上がってるんだから

これからも続けてやっていけば

出来る様になるはずだ」


それを聞いたアークはブレイクとの訓練を


している意味が出て来たと思い


「ブレイクには届かなくても

親父より強くなっちゃうかもなぁ」


半ば冗談で言ったアークに対して


「「全然あり得るな」」


ユージーンとライコが当然そうなるだろうと


確信を持って言ってくれた事に


照れるアークだった


「そうなのです!

お兄様はどんどん強くなってるのです!

精霊融合《ソウル・ユニオン》も3秒くらいなら出来るのです!」


アークも身近にブレイクと言う


成長お化けがいる為


自身の成長があまりわかっておらず


「俺も精霊融合《ソウル・ユニオン》出来るんだ

...って3秒!?短っ!?」


「そっ、それは...まだ魔力量が足りないのです!」


とシャルネそう言うふうに反論していた


「なら家に帰ってやってみたらいい

魔力量が足らないのは孫自身でわかるはずだ」


アークは急いでシャルネを連れて家に帰った


そして初めての精霊融合《ソウル・ユニオン》をしようとしたが


周りに見る人がいない事に気付き


ユージーン達を待つ事にした


「もう終わったのかい?」


ユージーンがアークに話しかけると


「いやこれから

見る人が居ないとと思って待ってた」


そうか、とユージーン達はアークとシャルネから


少し距離をとり見守る


(じゃあやるのです!)


「「精霊融合《ソウル・ユニオン》!!」」


地中から茨がアークとシャルネを包む


そこに現れたのは金髪に緑の


メッシュが入ったアークだった


「スゲェ、スゲェよコレ!」


とあっという間に3秒過ぎた魔力切れで


強制的に精霊融合《ソウル・ユニオン》が解けたアークが


「...はぁはぁ、ヤバいな一気に魔力持ってかれた

ブレイクはこんなの維持してんのか」


「そうなのです!

だからこれから頑張るしかないのです!」


アークにガッツポーズで応援するシャルネだった


ユージーンも精霊融合《ソウル・ユニオン》時の魔力を見た時


これは確かに武器化《アームズ》だけじゃ勝てないと理解して


アルスには悪い事したなぁと考えていた


そんな中、話についていけないマリアは


ライコと家に入って行った


「アーク魔力量の増やし方は大丈夫?」


「あぁ、ブレイク達との訓練で

どんどん増えてるし時間がある時にまた

精霊融合《ソウル・ユニオン》も練習しとくよ」


「そんな事より!

置いて行かれてるのですぅ!!!」


そうか、とユージーンがアークと家に入った


アークが数日後に母マリアから解放され


夜明けの旅人は昇級試験に臨んだ


「じゃあ行ってきます」


ヴィクトリア達が見送りに来ていた


「うん...行ってらっしゃい...」


「...もう言っちゃうの?」


寂しそうなヴィクトリアとマリアに


ブレイクがメイベルとアークに耳打ちをして


え!?本当に言うの!?


マジかぁ...


とメイベルとアークが恥ずかしそうにしていたが


メイベルとアークは決心したのか


3人がヴィクトリアとマリアに飛び込んで行く


「「!?」」


「大好きです!母さん」


「...だっ、大好きです母上」


「...大好き...だ!母さん」


ヴィクトリアもマリアも


もうボロ泣きだった、ユージーンとコレットが


2人を取り押さえ夜明けの旅人は出発した


「本当にブレイクの考えは時々

突拍子もない事があるから怖いわ」


「...あぁ、恥っず」


メイベルとアークの2人とも


顔が真っ赤になっていた


そんな2人をよそにブレイクはご機嫌になっていた


「いいなぁ、私も坊やに言われたいわぁ」


カルラがグレイシアと話していた


「そうですねヴィクトリアとマリアが羨ましいわ」


マダム達の会話にブレイクは


「僕はカルラもグレイシアさんも大好きだよ?」


素直な言葉をぶつけられた2人は


ブレイクを撫で回していた


「お母様もグレイシアも御主人様《マスター》を離して」


とスイレンが2人をブレイクから引き剥がし


「顔、真っ赤だなお嬢!」


グレンも笑ってメイベルを揶揄い


「うっさい!あーもう全部ブレイクのせいよ!」


「えぇ!?でも本当の事なんだから

良いじゃないですか」


と、ブレイクが嬉しそうに話す


「なんだが皆、楽しそうなのです!」


シャルネがそんな様子を見ていた




ブレイク達は迷いの森に入った


ブレイクが探索魔法で迷いの森


全域のモンスターなどの位置を把握して


どんどん進んで行く


「やっぱりブレイクの索敵魔法は凄いな

こんなにモンスターに遭遇しないもんかね?」


「私もそれ考えた事あるけど

考えるだけ無駄だと思うわよアーク」


メイベルとアークがそんな会話をしていて


ブレイクは皆も出来ると思うけどなぁと考えていた


そのうち日が暮れ始めた為


ブレイク達は野営の準備をした


メイベルとアークが狩りをしてきて


猪型モンスター、牛型モンスター


兎型モンスターを狩ってきた


ブレイクはテントを2つ張り


男女で使える様にしていた


「これだけあれば夜は十分食べれるね」


カルラが久々に料理をするか!と張り切っていた


ブレイクがカルラに料理出来たの!?と聞いて


カルラに頭を叩かれた


グレイシアが何か手伝う?とカルラに聞くが


大丈夫とカルラが料理を始めた


食事を終えブレイクが自分で火の番をすると言い


他の皆は各々自由時間をとり始める


メイベルはいつもの日課の筋トレをし


アークは道具の手入れをしていた


「坊やは寝なくて大丈夫なのかい?」


カルラが片付けをしながらブレイクに話しかけ


ブレイクが大丈夫だよ、と返事をしスイレンが


(私達、精霊は睡眠は要らないから

御主人様《マスター》は寝てても大丈夫よ?)


(うん、ありがとうでも僕の昇級試験だから

今回は僕が頑張らないといけないんだ)


事前にギルドマスターのベルズから


ブレイクは今回の試験はブレイク主体で動く様にと


念押しをされていた為ブレイクは張り切って


今回の試験に臨んでいた


探索魔法を使い半径300メートルほどの


ドーム状に範囲を広げていた


神経の様に広げた魔法のおかげで


ブレイクは考え事が出来るほど余裕が出来ていた


考え事とは今回のはぐれの龍についてだった


火龍が本命だが他の龍に出会う可能性を考え


ブレイクは魔力を増やすために


幾つもの魔法を炎、水、氷と展開した時に


気付いたことがあった


炎は当然、熱いもので


氷は冷たいもの


水は凍らせたり蒸発させたりも出来る


炎と氷は一緒にすれば水となりその場に落ちる


だが時間魔法で互いを干渉させないと


炎の熱いエネルギーと


氷の冷たいエネルギーがぶつかり合い


別のエネルギーが作れる事に気付いた


氷炎エネルギーという矛盾しているエネルギー


そのエネルギーを使いブレイクは結晶を作り


蒼い結晶の中に赤い光が輝いている


試しに木に向かって放ってみる


結晶の大きさは初めてだった事もあり


親指サイズだったのだが


木に当たったところが削られ穴が出来ている


しかもまだ結晶は消滅しておらず


ブレイクの手元に戻ってくる


結晶は魔力で操ることができ


形を変える事もでき


魔力で結晶を大きくし剣にした


触ろうと手を出した時に


触った人差し指と中指が削られた


(痛いな、触るのはダメか)


治癒魔法と時間魔法で手を修復し


更にもう1つ結晶を作り2つをぶつけてみる事に


(どうなるかな?)


パリン!と割れる音と共に空間が削られ


ブレイクは空間が削られた方へと引っ張られた


「うわぁ!びっくりした」


周りでそれを見ていたメイベルとアークに


今のなに!?と説明を求められるが


ブレイク自身この氷炎の結晶の事は


わからない為、説明が出来なかった


(氷炎の結晶自体かなり強力だなぁ

それにぶつけた時の空間が削れる現象も使えそう

対象は僕だけみたいだしそれに

物理攻撃が効かない相手...そうか!

はぐれの龍に使ってみるか!

試しに...)


ブレイクがグレイシアのところへ向かい


「どうかしました?坊や」


「グレイシアさん!鱗って貰えます?」


ええ、いいですよとグレイシアは鱗を剥がし


ブレイクに手渡した 


鱗を貰ったブレイクに


興味が出たのか皆集まってきた


「そんなに皆に注目されると

やりずらいんだけど...」


まあ、いいかとブレイクは先程みたく


氷炎の結晶を作り出し、とその前に


鱗の強度を試すべく炎魔法や水魔法で攻撃したが


ヒビが入る程度でこれでは決定打にはならないと


やはり実験が必要とわかると


鱗と同等の大きさの氷炎の結晶に鱗を投げた


鱗は結晶に当たった途端に無くなってしまった


言うなれば焼石に水


すぐ蒸発した様に鱗は消し飛んだ


氷炎の結晶は何事もなかった様にそこに佇んでいた


「凄いですね私の鱗があんな風に」


グレイシアが追加で何枚か鱗を剥がし


ブレイクに投げていいか聞いて投げる


結果は先程と同じで蒸発した様に無くなって


未だに氷炎の結晶は微動だにしていなかった


「アレに触ると私達でも致命傷を受けるわ」


スイレンが大精霊でも


致命傷を負うほどの威力だと言う


それを聞いたブレイクは


「はぐれの龍に使おうと思うんだ」


ブレイクはグレイシアの顔を見た


「坊やそんな顔をしないで、大丈夫よ」


フィートの事を考えてはいたグレイシアだったが


ブレイクに負担にならない様、気丈に振る舞った


その態度にブレイクは


納得することしか出来なかった


「これでサポートする事

更に無くなったんじゃない?」


そうだなとアークがメイベルに返した


「まあ、坊やは特別なのはよくわかったよ

でも特別なだけでまだ子供だし

ちゃんと皆を頼る事を忘れないんだよ?」


うん!とブレイクはカルラに返事をする


ブレイクが氷炎の結晶を空へと向けて移動させ


もう1つ氷炎の結晶を作り空中でぶつけ合う


するとやはりブレイクが空中に吸い寄せられる


ブレイクが考えていたのはコレの事で


ブレイクは空中で回避行動や


移動をする事が困難な為


氷炎の結晶を使った移動を試す事にした


大量に氷炎の結晶を作り


空中に足場を作り移動して


足場をなくすと落下するブレイクだが


既に空中散らばっていた


氷炎の結晶をぶつけ合う事で


空中に吸い寄せられる、それを繰り返し


かなりの時間空中にいられる様になったブレイクは


他の魔法や精霊融合《レギオン》や同化を試して


ブレイクの魔力が切れるまでそれを続けた


魔力切れを起こすと本来


生命の危機なのだがブレイクの場合


すぐに魔力が増えていくので問題は無かった


「それにしても御主人様《マスター》の魔力量は

どれほど増えるのかしら

今のうちからこんなに消費しても

更に増え続けて職業の光の勇者が原因かしら」


どうなんだろう?とブレイクはよくわからないと


スイレンに言っていたが


それほど邪神が強大だと言う事


ブレイクがどんどん強くなるのは


その事実の裏返しかもしれない


翌朝、結局一睡もブレイクはしなかった


「ブレイク大丈夫か?」


寝起きのアークが声をかける


大丈夫だよとブレイクが受け答えしていると


メイベルもテントから出てきた


「え!?結局寝てないの!?」


とメイベルがブレイクの事を心配し


午前中ブレイクを寝かせる事を強要し


ブレイクは抵抗したがカルラにグレイシアも


その提案に乗ってブレイクにくっ付いて


ブレイクは身動きが取れなくなった


実際無理はしていたのだ


その証拠にブレイクはすぐ眠りについた




ブレイクは夢を見る


それは別の未来


ヴィクトリアと出会わず


モンスターに食べられる未来


ブレイクが食されモンスターに異変が起き


サソリ型のモンスターがいつの間にか


人型になり村を襲っている


その顔にブレイクは見覚えがある


それは自分自身だった


村を壊滅させそれに気付いたヴィクトリア達が


暴走している人型のモンスターを


討伐するという内容だ


(嫌な夢だな...

でも、あり得た未来だ)


「そうだね」


「カルラ!?なんでいるの!?

ここは夢の中じゃ!?」


なんでだろうね?とカルラがブレイクの側により


ブレイクを抱きしめ


「どうせまたアンタだろう?

こんな夢見せてるのは」


すると見えていた夢は黒い霧となり


1つにまとまる


「やはり光の勇者を絶望させるのに

お前が邪魔だな大精霊カルラ」


そこには邪神が現れブレイクは


魔法を使おうとしたが


「やめておけここはお前の夢の中だ

魔法も物理攻撃も当たりはしない

...にしても厄介だな普通の精霊じゃない

契約者の精神にも影響を与えるか」


どうだろうね?とカルラは不敵な笑みを邪神に向け


ブレイクはカルラの安心感に包まれていた


「以前のもう1人の坊やの正体もコイツだった

コイツの目的は坊やの精神を

不安定にさせる事だろう

だが誤算だったのは私の存在だね

私は精霊の中でもイレギュラーな存在

人が死んでから精霊になるなんて

本来あり得ないからね

...でも出来たんだアンタに勝ち目は無いよ

坊やはどんどん強くなる」


邪神はそれを聞き笑い出した


そしてブレイク?に姿を変え


「やっぱりママぁーじゃねぇか

お前は何も変わってない

変わったのは周りだ」


聞いちゃいけないよ!とカルラは言うが


ブレイクはブレイク?を見つめ話し始める


「お前の言う通りだと僕も思う

確かに親離れはまだ出来てないし

変わったのは周りの環境だったり人だ

それでも僕は周りの人が僕を必要としてくれる

僕に期待をしてくれる信頼も愛も貰った

少しでも恩返しが出来ればと

今を生きている

それでわかった事は

お腹が空く事と眠くなる事

独りで食べるご飯が美味しく無い事

誰かと一緒だと嬉しくなる事

それがたとえ、お前でも」


何を言ってる?とブレイク?は困惑した


「坊や?アレは邪神だ敵なんだよ!?」


うん、とブレイクは頷く

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