第23話
ブレイクとヴィクトリアそれにカルラの
3人はタオルを巻いて大浴場に入る
ヴィクトリアが暴走しているが
ヴィクトリアもカルラも嬉しそうだから
まあいいかとブレイクは思いながら
3人で湯船に浸かっていると
「私も良いかしら?」
とグレイシアが入って来たが
タオルを巻いてない
その代わりに鱗で大事な所は隠れており
なんだか水着みたいな格好だった
その後に続いて
ドタドタと騒がしい足音が
聞こえて来たと思ったら
「...間に合わなかった」
とメイベルもタオルを巻いて入って来た
「姉さんも入るんだ...」
ブレイクはメイベルまで入って来た事に驚いた
「私だけ除け者は酷いよ」
とメイベルが拗ねる素振りを見せてはいるが
実際はそこまで拗ねている訳ではないので
大丈夫だろうとヴィクトリアがブレイクに
耳打ちする、そんな騒がしい大浴場とは対照的に
アークがお茶菓子を貰い
精霊組のスイレンとシャルネ
それにグレンはそれぞれ寛いでいた
「ブレイクは本当に
人を惹きつけるというか
周りに誰かしらいるよな」
アークがスイレンに話しかける
「御主人様は特別よ
魔力が人を惹きつけるとも言うけれど
それだけじゃない、側にいて心地いいからね」
そうだなぁ、とアークは頷く
アークがスイレンに
ブレイクのグレイシアとの
同化は精霊融合と
何が違うのか聞いてみた
「正直、わからないのよね
契約は精霊とするものが定石というか
龍と契約した事例なんて聞いた事ないのよね」
スイレンも知らないとなると
今回の事はかなり稀な事で
同化も精霊融合と同じで出来る出来ないが
あるのではないかとスイレンは予想していた
実際その通りでブレイクの才能は
並大抵のものでは無く本当に1人で
どこまでも強くなれる
それに置いていかれない様にと
アークは考えていた
その日はアーク達も泊まり
ブレイク達も寝静まった頃
スゥはというと
「師匠〜、まだ着かないのか?」
カーラにおんぶされながらスゥは暇そうに聞く
「暇なら寝てろ
お前の為にゆっくり移動してんだ
勝手に落ちたりしたら困るしな」
そうなのか?とスゥは
カーラにくっ付いて寝始めた
「...やっと寝たか
にしても弟子ねぇ、何教えたらいいんだ?
俺は教えられて強くなった訳じゃねぇからなぁ」
う〜んとカーラは考えながら
それでもメソポリアのよしみで
色々教えてやろうと決めていた
そこから2時間半も走りアジトに着いた
「起きろ、スゥ」
アジトではボスと男が既に帰ってきていた
「どうしたんだソレ」
男がカーラに聞き
ボスはというとスゥを抱き上げ
「若いメソポリアか!
まだ生き残りがいたんだな!」
抱き上げられたスゥは
「お前、誰だ?スゥはスゥ!」
と自己紹介をし
男はロア、ボスはギデンと名乗った
「にしてもお前が師匠なぁ」
ロアがカーラを見ながら
コイツに師匠が務まるか?と考えていた
「まぁ、いい経験なんじゃないか?」
ギデンはカーラの成長にもなるだろうと
スゥを仲間と受け入れ
ギデンはスゥの実力を知りたいと
「スゥ!本気で...いや殺す気でこい」
スゥはいいのか?とカーラに確認をとる
するとロアが
「ボスの実力はカーラを遥かに凌駕する
お前がいくら攻撃した所で怪我一つしねぇよ」
わかった!とスゥはギデンの顔面に蹴りを入れるが
ギデンはそれを片手で受け止め
スゥを掴み投げ飛ばす
すぐさまボスの懐に入り蹴り上げるが
それも受け止められてしまう
「センスはあるな...
だがまだ子供だし
これからってところか?」
ロアがスゥを見ながらカーラに話しかける
「俺はよくわからんしなぁ
まぁ、ボスとロアがいるから大丈夫か」
確かにカーラ1人で教えるのは困難だろう
そう考えるロアとギデンだった
スゥの攻撃を受けながらギデンは
「スゥそのまま聞け
俺達はメソポリアだ誰よりも
強くならないといけない
スゥが子供でも関係ない
お前もメソポリアなら強くなれ」
ギデンもロアも戦闘民族メソポリアだった
ギデンはスゥにメソポリア式の戦闘術を教え込む
「ボスは強いんだな!
じゃあスゥはボスより強くなるぞ!」
ギデンがそうだなと
若いメソポリアがいることに
喜びを感じていた、この調子でいけば
スゥはメソポリアの中で誰よりも強くなると
ギデンは確信している
スゥは他のメソポリアと違い魔力を有している
本来のメソポリアには魔力はない
更に時間魔法や他の魔法を使える様になれば
最強のメソポリアになる
「スゥは光の勇者と契約しているんだろう?」
うん!主!とスゥはご機嫌に答える
ブレイクが強くなればなるほど
スゥにも影響が出てくる
魔力さ増え戦闘力も上がる
「だがソレに合わせて
身体を慣れさせる必要があるだろう」
身体を慣らす訓練はかなりの時間を要する
それを聞いたスゥは
「そんなに待ってられない!
いつ邪神が来るかわからない!
スゥは強くならないといけない!」
ギデンはスゥにそう焦るなと落ち着かせるが
スゥの表情は真剣そのものだった
「...厳しい訓練になるぞ?」
それでも!とスゥは強くなる為に訓練を受ける事に
今のスゥの魔力量を考えると
カーラ戦とは比べ物にならないほど
魔力が増えており
カーラすら倒せるポテンシャルを秘めていた
その後も訓練は続いていった
(本当にやるの?坊や)
(うん、たぶん
維持は難しいんだろうけどやってみたい)
(御主人様の魔力量が増えたから
出来はすると思うけど)
と3人が念話しながら
迷いの森付近まで歩いて行き
それに付いていくヴィクトリア達
ブレイクがしたい事というのは
グレイシアとの同化時に
複数の精霊融合が出来るのかどうか
そもそもカルラとスイレンでは属性が違う
そんな大精霊同士が混ざり合う事が出来るのか
先にグレイシアと同化しそこから精霊融合をする
龍の鱗に赤い魔力と青い魔力が流れていく
右腕に赤いカルラの魔力
左腕に青いスイレンの魔力が溜まり
拳に魔法が発動されたが
すぐにスイレンの精霊融合になった
「今のは位置取りが悪いわね
グレイシアが今真ん中だから左に行って
私が時間魔法で真ん中に入れば
属性が打ち消し合う事もないでしょ」
スイレンの提案で再び同化と精霊融合をした
そうすると今度はバランスが取れたのか
右側にカルラの炎の赤い魔力と
左側にグレイシアの氷の蒼い魔力で
それをスイレンが間に入り
ブレイクに変化が現れる
純白の髪に赤と蒼のメッシュが入り
少し成長した身体に羽衣
背後に光輪が現れる
「これならいけるね!」
更に神々しさが増したブレイク
そんな息子を見たヴィクトリアは
やはり凄いなぁと感心する
神々しさの増したブレイクが左右で属性の違う
魔法を使える様になっており
ブレスも自身で属性を選べる様になっていた
そんなブレイクだったが1分ほどで
同化と精霊融合が切れてしまった
「コレはもの凄く魔力の消費が激しいね」
でもコレなら邪神にも劣らないと
ブレイクは確信できた
あとはブレイクの成長次第
魔力量を増やして接近戦の技術もつけて
体力もつけなくてはいけない
「息子はまだまだ成長出来るんだな!」
とヴィクトリアがブレイクの頭を撫で
そうですね!とブレイクは
ヴィクトリアに笑顔を向ける
それを見たヴィクトリアが反射的に
ブレイクを抱きしめていた
「...母さん、苦しいです」
あ、すまんとヴィクトリアがブレイクを離す
そんな2人をよそに
スイレンにカルラ、グレイシアが
何やら話し合いをしていた
「さっきのだと効率が悪いわね...」
スイレンがどうにか効率よく出来ないか考え
「でも坊やの攻撃面、防御面では
1番良いんだけどね」
カルラはブレイクの今後の成長次第じゃない?と
「同化と精霊融合の同時維持は難しいのね」
グレイシアは同化や精霊融合だけでも
かなりの戦力になると思っていた
そんな中にブレイクも入る
「同化と精霊融合を同時にして
魔力量を増やすのがいいんだろうなぁ
そうすればさっきの状態を
維持できるんじゃないかなぁ
あとは...」
ブレイクは銀翼と夜明けの旅人のメンバーに
戦闘訓練を手伝ってほしいと伝え
ヴィクトリアには接近戦を
他の人には多対一になるように陣形をとらせて
魔法のぶつけ合いなどをして魔力量を増やす
そんな日々が続いたのも束の間
訓練が始まり2ヶ月が経った頃
突然ノワがワイトと共にやって来た
話としてはログスが寿命で亡くなった事
ワイトがブレイクとノワの2人で
切磋琢磨してくれたらと言う理由での訪問だった
ワイト曰くノワの成長率が良く
ブレイクの方と比べてどうだろう?と
ブレイクとノワの模擬戦をやりたいらしい
そして日を改め模擬戦が行われる
「お互い怪我のないように」
ヴィクトリアが審判をする
始め!と合図が出された
ブレイクはまずグレイシアと同化した
それを見たワイトとノワは
知らない姿のブレイクに驚いたが
「やっぱりブレイクも強くなったんだね
じゃあ私も...
牛さん!」
20メートルは超えるであろう牛型の召喚獣
「更に鳥さん!」
そこに現れたのは火の鳥
それを見たユージーンが
「2体同時に召喚!?
....それもすごいが出て来た召喚獣もすごいな
牛と呼ばれたのはベヒーモス
鳥はフェニックスだ
2体とも伝説級の召喚獣だよ」
そうなんだとブレイクがノワの成長に嬉しくなった
突然ベヒーモスがブレイクに突っ込んできた
ブレイクはベヒーモスの懐に潜り
尻尾で空中に吹き飛ばそうとするが
威力が足らず少し浮いただけだった
「私が倒したブルガより全然強そうね」
グレイシアがブレイクの口を使い話す
ブレイクはやっぱりアレを使うしかないかと
考えてスイレンとカルラの両方に意図を伝える
精霊融合を同化した時にするのは
今回が初めてではない
だからこそ今回もブレイクは大丈夫だと思った
今回の同化そして精霊融合はいつもと違った
それは火、水、時、氷、癒の5属性が
1つになった為である
赤、青、白、蒼、翠と属性別の
魔力が身体中を巡りブレイクは
一時的に精霊王に覚醒した
正確には同化もしている為
精霊龍王とでも言うべきだろうか
「すごいな...コレ」
ブレイクはノワがいる方にに手を翳す
ベヒーモスがノワの危機を感じ
ブレイクに突進していく
だがブレイクがベヒーモスの時間を止め
フェニックスが慌ててノワを逃がす為に
ブレイクの前に立ち塞がる
だがそれもフェニックスの時間も止められてしまう
「どうしよう...」
困り果てたノワにブレイクが
「2体共に戦闘不能だね
ノワ、僕の勝ちでいい?」
勝敗は決したワイトはノワの召喚獣は
まだいるし出来る事はあったんだが
止められるとは思わなかったのか
どうする事も出来なかった
ブレイクの強化はこれからも継続でいいとして
ノワの方をどうするかとブレイクは考える
2ヶ月でここまで成長したノワに今後はやはり
ブレイクと訓練するのが1番いいと判断し
ワイトを加えた戦闘訓練にノワを参加させた
ブレイクが全員を捌く形になるが
それではノワが強くならないのでは?と
話が上がったがブレイクはそれでも
いいんじゃないかと思っていた
自分が先陣切って戦いサポートをノワにさせようと
そんな考えをしていた
それを聞いたノワはブレイクの力になれるように
頑張る!と張り切っていた
アジトの側の広場にてボスとスゥは
戦闘訓練をしていた
「!?」
いきなりスゥの身体が輝きだし
魔力が身体中を埋め尽くした
スゥの身体に変化が現れ
背と髪が伸び身体は大人のサイズになって
伸縮性のある革製の服がミチミチと音を立て
胸と尻がはち切れそうなほど
成長していた
「....カーラ!
スゥに服を貸してやれ」
「ボス?なんだ?スゥおかしいのか?」
呼ばれてアジトから出て来たカーラとロアが
スゥを見て驚いた
「スゥがいきなり大人になったな」
ロアがスゥの身体を見ていたが
カーラから蹴りが飛んできた
「何すんだよ!?」
「うっさい!お前はボスと外で待ってろ!
スゥ!中に入るぞ!」
スゥはカーラに連れられ
服を着替えに中に入った
カーラの部屋に入り
スゥはカーラの服を着て外に出た
「うー、胸が苦しいさっきの方が楽!」
尻は大丈夫だったみたいだが
成長した胸はカーラのモノとは異なり
カーラより胸は大きかった
「可哀想に俺の服なら入るんじゃねぇか?」
と、ロアがスゥを連れて行こうとした時に
またカーラの蹴りが飛んでくる
「お前はダメだ!ボス!
ボスが服を貸してやれ!」
とカーラはロアの顔面を狙い
ロアはそれをどうにか避ける
ボスがスゥを連れ服を取りに行く
部屋にスゥだけ残し
着替えたら出てこいと言い
アジトの外へ出る
ロアの態度にカーラはイラついていた
(なんで俺はイライラしてんだ!?)
カーラはロアの事を意識したのは最近で
ブレイクに何度か殺された時に思い浮かんだ顔が
ロアだった、そこからカーラはロアの事が
気になり出したカーラだった
だが、実際何かあると言う事は無く
スゥの事で下心が出たロアにイラついた様だった
「おい、お前らいい加減
落ち着けスゥもそろそろ出てくるから」
ボスがカーラとロアを仲裁し
スゥがボスの服を着て出てきた
「スゥ大きくなった!
けど強くなれるのか?」
不安そうなスゥの頭をボスが撫でながら
大丈夫だと言って訓練を続けた
段々とスゥが身体に慣れてきたのか
ボスに攻撃が入る様になり
ボスがカーラとロアを加えて
3対1での攻防が続きスゥも押されたり
押し返したりを繰り返して
スゥは魔法を使いながら3人を圧倒していく
が、その時またスゥの身体に変化が起きる
スゥの身体が縮み始め以前の体型に戻った
「「スゥの身体が元に戻った!?」」
ロアとカーラが驚き
ボスはなんとなくそんな気がしていたのか
驚きは少なかった
スゥのズボンが下に落ち
ボスの服が身体を覆っていた
ボスとロアは目を逸らし
カーラがスゥを連れアジトに入っていく
サイズを合わせてカーラの服を着せて
スゥとカーラが外に出る
「おそらく光の勇者が一時的に
覚醒でもしたんだろう、その覚醒が
スゥの身体に影響を及ぼしてさっきみたいな
状態になったんだろうな」
ボスが冷静に分析していたが
そんなボスとは対照的にスゥはガッカリしていた
「スゥ強くなれたのに、戻っちゃった...」
泣きそうなスゥにカーラが
「俺たち3人を相手にできてたからな
さっきのは将来的になれる姿なんだろうから
それに近付いていけばいいんじゃねぇか?」
そうかぁ...と、スゥが納得したのか
スゥは、またボスと訓練を始めた
ギルドにてブレイク達夜明けの旅人は
ギルドマスターに呼び出されていた
ギルドマスターのベルズが
書類を片付けながら話し出す
「呼び出して悪かったな
ブレイクはSランクの試験
メイベル、アークは
Aランクの試験を受けてもらいたい
精霊と契約してるのもあるが
それぞれ強さの指標が分かりずらいからな」
ブレイクのグレイシアとカルラとの契約を聞いて
ベルズは即座にSランクにしなければと
考えており、メイベルとアークは
早めにランクを上げておきたくて
試験を受けさせる予定だった
一旦話を持ち帰る事にしてギルドを後にした




