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第18話

「どうか!お願いだ」


と、国王は頭を下げる


そんな話の中スイレンが割って入る


「ねえ

信託はそれだけじゃない

恐らく続きがあるわよね」


「!?」


核心を突かれ国王は一瞬


焦ったような顔をしたが


次第に落ち着きを取り戻し


「確かに信託には続きがある」


光の勇者クロノと闇の巫女●●


が混沌の邪神を倒すことができるであろう


この闇の巫女に関しては誰だかわかっていない


「それに御主人様《マスター》に今のところ

光の勇者の要素はないけど...」


先日のアークには言っていた事を


まだ誰にも言っていない


ブレイクはそれを思い出し急いで説明する


「...って事があって

創造神と破壊神から貰った?

紋章は左手の甲にあるんだ

ただ闇の巫女が誰なのかは僕にもわからない」


ブレイクの話にアーク以外はついていけず


ヴィクトリアが


一旦受けるかどうか決めよう!と


多数決をとり始めた


「ブレイクはどうしたい?」


メイベルがブレイクに問いかける


う〜ん、でも行かなきゃいけない気がすると


ブレイクは依頼を受ける意向を見せ


ヴィクトリアは


「息子《ブレイク》が行くなら私は行く

ユージーンとコレットはどうする?」


リーダーだけ行くわけにいかないでしょ!?


とコレットがヴィクトリアの過保護ぶりに


呆れていたがコレットもブレイクが心配で


付いて行こうとは思っていた


「姉さん達はどうする?」


ブレイクの問いにメイベルとアークそれにスゥは


付いて行く選択をした


「そうか!行ってくれるか!」


国王は一安心したような表情を浮かべ


改めて銀翼と夜明けの旅人に依頼をした


依頼内容は


先代魔王ワイトの捜索


現魔王の討伐または無力化


夜明けの旅人は特例として


洗礼の儀を受けてから


依頼を受ける事になった


結果は...


ブレイク・クロノ・シルヴァ・ハート


職業

光の勇者(12/250)


適正

武術・体術、大剣術、剣術(天賦級)

魔術・時間魔法、水魔法、光魔法(天賦級)

探索魔法・治癒魔法(極級)



メイベル・シルヴァ・ハート


職業

騎士(11/50)


適正

武術・剣術(極級)

魔術・炎魔法(極級)身体強化魔法(上級)



アーク・レムロン


職業

魔導士(12/60)


適正

武術・槍術(上級)

魔術・光魔法・茨魔法(極級)治癒魔法(上級)



スゥ


職業

???(8/150)


適正

武術・体術、短剣術(天賦級)

魔術・時間魔法(上級)



と言うふうな結果が出た


ブレイクのレベル上限250も気になるが


スゥの職業???という結果に


コレットやメイベルが困惑し


「夜明けの旅人のメンバー1人だけで

一国の戦力には充分だね

これだけの逸材がパーティとして

存在するのはなかなか脅威的だね

まあ、儀式が終わってよかったよ」


ユージーンが冷静に分析していたが


「いやユージーン!

なに落ち着いてんじゃないわよ

色々言いたい事はあるけど

まあ...仕方ないか、う〜ん」


コレットのツッコミが止まらないところだが


ヴィクトリアが


「事は急ぐんだ、準備はいいな!」


ヴィクトリアとブレイクを先頭にして一行は


王城を後にする


一行は王城を出て迷いの森に入った


銀翼と夜明けの旅人の


両メンバーを見たヴィクトリアが


「こんなに人数が多いと戦いづらいか?」


隊列を組む事にし


先頭に斥候が得意なコレットと


探索魔法が使えるブレイク


その後ろに接近戦が得意なヴィクトリアとスゥ


更にその後ろに援護が出来るメイベルとアーク


そしてユージーンが最後尾に隊列を組み


「これなら余程のことがない限り

死にはしないだろう!」


なに不謹慎なこと言ってんのよ!とコレットに


頭を叩かれるヴィクトリアが


ブレイクに泣きつくが


「母さんあんまり

皆さんを困らせないでくださいね」


私の息子《ブレイク》が反抗期だぁ!と


騒がしいヴィクトリアとは対照的に


ユージーンとアークはどうやって


連携をとるか話し合っていた


皆は迷いの森を進み


国境の魔の森までやってきた


「これは...」


「...ひどいわね」


ユージーンとコレットの反応も当然である


木々は薙ぎ倒され、地面は盛り上がったり


凹んでいる箇所が幾つもある


まるで嵐が通った後のような惨状に


巻き込まれた人はいないか


ブレイクが探索魔法を使って確認する


幸い巻き込まれた生きた人はいなかった


「そうか、このまま先代魔王のワイト氏を探すか

ブレイクの魔法で大体の位置はわかるだろう?」


ヴィクトリアの無茶振りに


流石にそこまでの広さを探索は出来ないと説明し


日も暮れてきたので探索を明日にする事にして


薙ぎ倒された木々を移動し野営をする事にした


翌朝、ブレイクは探索魔法の範囲を


意図的に広げるが


残念ながらワイトが見つかる事はなかった


「こんなに範囲を広げても

わからないとなると既に...」


皆が肩を落とすとブレイクが探索魔法で


瓦礫を片付けている人を見つける


手がかりが無いかとその人の所へ向かうと


そこには瓦礫を片付ける老人がいた


「なんじゃ、お主達は

何をしにきた?

今の魔王領は危険じゃから

用がないなら早く立ち去るがいい」


ブレイク達を見て老人は


立ち去るよう忠告して作業を進める


その老人は魔族で所々服などボロボロになっていた


「こんにちは、僕はブレイクです

お爺さんは?」


老人はログスと名乗った


ログスはなんとワイトの叔父だった


「なんだ、お主らもワイトを探しているのか

だがここ数日探しておるがなんの痕跡もない」


そう言ってログスは肩を落とすが


ワイトを探すのを辞めようとしなかった


ブレイクは一緒に探しますと


倒れた木々や瓦礫を撤去し始め


「小僧、さっきも言ったが

何日も探しておるんじゃ

もう何も見つからんと思うぞ?」


そんなログスにブレイクは


「じゃあ、なんでログスさんは

探すのを辞めないんですか?

ログスさんが諦めないなら

僕も探そうと思います」


フン!生意気な小僧だと言ってはいたが


ログスはどこか嬉しそうで


ワイトの事を諦めていない奴が自分以外にいた


その事実で探す理由にはなった


2、30メートルほど瓦礫や木々を


片付けていくと


ログスが何かを見つけたようで


「あった!これじゃ!

ワイトのローブじゃ!」


ログスが嬉しそうにローブを手に取る


「でも、お爺ちゃん

それだけじゃ流石になんの成果にも

ならないと思うけど」


スイレンはログスの喜びようが不思議だったが


ログスは特別な魔法を使う事が出来た


対象の持っていた物で


本人の居場所がわかるという魔法だった


そんな魔法があるとは知らなかったブレイク達は


皆一同これは期待できるぞ!と


ログスが魔法を使うのを見ていた


「こっちじゃ」


ログスに続いてブレイク達が付いていく


暫く歩いた先に洞窟があり


ワイトはその中にいるらしく


ログスが真っ先に入ろうとしたが


ブレイクに止められる


「下がってください!」


「すぐそこにワイトが居るのに何を言っている!」


とログスが怒り出すが


ヴィクトリア達も臨戦体制に入る


「どうしたの?ブレイク、それに母上達まで...」


ソレは洞窟から出てくると真っ先に


ブレイクを狙い攻撃してきた


狙われたブレイクは急いで精霊融合《ソウル・ユニオン》をし


攻撃を防ごうとしたが


出てきたソレに首元を掴まれ投げ飛ばされる


物理攻撃を無効化する筈の


精霊融合《ソウル・ユニオン》状態で掴まれた


実際、ブレイクは投げ飛ばされている


「精霊融合《ソウル・ユニオン》状態の

御主人様《マスター》を掴んで投げた!?」


スイレンがブレイクとの精霊融合《ソウル・ユニオン》を


強制解除されて魔法で回復されながら


戦況を見極めようとソレを観察する


ソレは黒髪のダークエルフの少女だった


「...トウサマ...ドコ?」


脈絡のない言葉を発する少女に


ブレイクは投げ飛ばされたのだ


(精霊融合《ソウル・ユニオン》してたのに掴まれた!?

息が...出来ない...くっ、苦しい...)


そんな呼吸の浅いブレイクに向かって


少女が闇魔法を展開する


それをスイレンが急いで相殺しようとするが


明らかに少女の闇魔法が異常な速さで展開され


大精霊であるスイレンが押されている


ブレイクの所に少女が段々と近付いていく


「待て!何故、息子《ブレイク》を狙う!?」


ヴィクトリアの問いに少女は一切答えず


段々とブレイクとの距離を詰めていく


ユージーンとアークがライコとシャルネを武器化《アームズ》し


メイベルも精霊融合《ソウル・ユニオン》をして応戦するが


少女の魔法の展開が速すぎて


1つ1つの威力は相殺出来ているが


どうにも数で押し負けている


「どうする!?どんどん近付いてくる!!」


スゥがヴィクトリアにどうすればいいか問いかけ


ヴィクトリアは指示を出す


「...一旦逃げるしかない」


ヴィクトリアは戦況を見極める天才だ


この少女に勝てるか負けるかもう結論が出ていた


なに!?とログスは諦めきれない様子だったが


この中で誰よりも強いはずのブレイクが


投げ飛ばされてから動けないでいた


(まずい...息が...)


ブレイクの身体には首から肩、腕にかけて


雷に打たれた様な痺れと痛みがあった


呼吸困難にもなっており身体の力も抜けていった


「うがぁぁぁあ!!!!」


少女の魔力の波動がスイレン達を吹き飛ばす


少女は既にブレイクの腕を左手で掴んでおり


右手で闇魔法で大きな刃を形成し


ソレでブレイクを貫くつもりだ


「...ドコ?」


ブレイクは薄れゆく意識の中


ルア王国で見た黒い影を思い出した


(確か、あの時も...

トウサマとは誰の事なんだろう

このままじゃ殺《や》られてしまう

僕は...まだ死ねない)


ブレイクは時間魔法を使い


少女を止めようとする


だが効果はあるものの完全には止まりはせず


ゆっくりと動いている


効果の持続も時間の問題のようで


段々と速度が戻っていく


だがそんな隙をついてブレイクは


少女の拘束から逃れる事に成功した


(スイレン!何か方法はない!?)


スイレンにも正直わからないという結論だった


それを聞いたブレイクは残りの魔力を全部使い


少女を止めているその間にワイトが居るはずの


洞窟に入り穴を塞いでしまうという作戦で


皆、動き出した


ヴィクトリアがブレイクを抱え洞窟に入る


他の銀翼と夜明けの旅人のメンバーも


急いで洞窟に入る


「外のふちを狙って魔法を放て!」


ヴィクトリアの指示にメイベル、アーク


それにユージーンが反応して洞窟は塞がれた


アークが光魔法を展開して周りが明るくなって


視界が確保され、そこに人影があった


「ワイトか!?」


「ログス叔父さん!?外で何が?」


左手を失ってはいたが


それ以外は無事なワイトがそこには居た


ワイトによると先程の少女が次代の魔王


自身の娘ノワだと言う


「皆さんこの度は大変申し訳ない

私の力不足で内乱を起こされ

娘の魔力の暴走も止められなかった

今や娘に私の声もきっと届かない

ただ魔王の魔力暴走は勇者に反応します

きっと貴方が勇者ですよね」


と、ブレイクに話しかける


「はい、僕が光の勇者です」


やはり、とワイトが話し始める


魔王の魔力は勇者の魔力に惹かれて暴走するらしく


魔王を止められるのは勇者しかいないと


「どうにか止めて頂きたい

たとえ...娘を殺す事になっても」


その言葉を聞きブレイクがワイトの胸ぐらを掴む


「ふざけんな!本心を言えよ!

親が子供に死んで欲しいなんてそんな訳あるか!」


だが!とワイトは娘可愛さに魔力の使い方を


教えそびれていた


「もうそれしかないんだ

君も勇者なら魔王討伐が使命だろう」


確かに王命には魔王討伐が含まれている


「僕らはルア王国の陛下の依頼で来ました

先代魔王ワイト氏の捜索並びに保護

現魔王の討伐または無力化です

僕はあの娘《こ》を無力化出来ると思ってます

あとは貴方次第です」


私次第か...とワイトは娘ノワのことを考える


可愛い可愛い自分の娘


自分のせいでこうなってしまった


「どうかお願いします!

娘を...ノワを取り戻したい!

力を貸してください!」




ドカーン!!!!ガシャーン!!!ゴロゴロ!!!


洞窟の中から爆発音と共に


ブレイク達は少女ノワを取り囲む


「...トウサマ?」


ノワの問いに


「ああ、父は此処だ」


ワイトの返事にノワはまた魔力暴走を起こす


魔力の波動が皆を緊張させていく


「魔法が使える者は

対象魔王ノワの魔法を相殺し続けろ!

私とコレットそれにスゥは皆のサポートだ」


ヴィクトリアの指示で皆が各々魔法を展開して


ノワに隙をつくり


その隙にワイトとブレイクが接近して


ブレイクが時間魔法でノワを止め


ワイトが魔力を吸い取る


ギリギリの均衡を保った状態で


ワイトとブレイクが隙間を縫ってノワに近付く


ワイトがノワに近付いた時に


ノワの魔法がワイトを襲う


「ワイトさん!」


ブレイクがワイトに駆け寄り魔法で回復し始める


ちょうどブレイクの死角になった場所に


ノワが立っており闇魔法で大きな鎌を作り出し


ソレが振り下ろされる


「ブレイク!!!」


メイベルが叫んだのも束の間


ズバッ!!!


「なっ!?なんで!」


そこにはブレイクを庇うように


間に立つヴィクトリアがいた


ブレイクを左手で庇いながら


右手で剣を持ち応戦したが


右肩を持っていかれた


この状況はブレイクにとって


嫌な記憶を思い出させる


カルラの一件があってから


考えない様にしていた


もし大切な人が傷付いた時


自分は冷静でいられない


「うわぁぁぁぁあ!!!!!」


ブレイクの魔力が一気に膨れ上がり


濁流の様に流れ出した


その場にいる誰をも上回る魔力量で


意識のないはずのノワですら後退りした


「大丈夫だ、息子《ブレイク》!私は死なない!」


落ち着けと左腕でブレイクを抱きしめ


「ワイト!お前も娘の始末をつけて来い!」


わかった!とワイトはノワの元へ向かい


魔力を吸い出したが


まだ暴れるノワを抱きしめ


「ノワ!父は此処だ!

何処にも行かないずっとそばにいる!だから!」


「「我が子よ、戻ってこい!」」


その時ノワの暴走はパタリと収まり


意識が戻ったのか


「...父様?ここは?」


よかった、とワイトは安心してその場に崩れ落ちた


そんな中ブレイクがヴィクトリアに泣きながら謝る


「ごめんなさい、ごめんなさい」


ヴィクトリアはブレイクの頭を撫でながら


大丈夫だと何度も繰り返す


ようやくブレイクが落ち着きを取り戻し


ユージーンがヴィクトリアの傷を看る


「傷口は綺麗に切れてる

あまり出血もないけど

...なんだが黒ずんでるね」


それを聞いたワイトが慌てて


「看せてください!コレは...」


ヴィクトリアがワイトに


どうした?と聞くと


「落ち着いて聞いてください

ヴィクトリアさん

貴方は魔王の呪いにかかっています

このままでは半年待たずに

貴方の命は尽きます」

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