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第15話

ユージーンの妻マリアが


ライコのお腹の膨らみに気付いた


「ライコさん妊娠してるの?」


「あー、そうだな

小僧との契約時に出来た

私の分霊体だな私は契約しても

大精霊にはならなかったからな

その分の魔力が新たな精霊を産む事に

繋がったんだろう」


と、ライコがあっさりと言うが


マリアはまたユージーンの浮気を疑う事になる


急いでユージーンの書斎に行き


「ユージーン・レムロン!

...貴方、ライコさんとの子供に

責任取れるんですよね!?」


いきなり部屋に入ってくるなり


マリアに怒られるユージーン


何の話だがわからないユージーンは


ライコに念話する


(ねぇ、コレどういう状況!?)


ライコは怒りながら泣いているマリアを宥めながら


(いや、なんだ契約時に増加した魔力が

大精霊になる事なく新しい精霊を身に宿したんだ

それを人で言う妊娠かと聞かれ

そうだと答えてしまってな)


あー、とユージーンが事の顛末を聞き


マリアに説明するが


マリアからクズ!最低!ヤリ●ン!


などと散々言われた後


部屋に執事が入って来て


「旦那様、奥様

坊ちゃんからお手紙です」


マリアにこの話はまた今度!と言われ


(まだ続くんだ...)


(仕方ないだろう、この娘は嫉妬深い)


マリアが手紙を開けると


魔力が手紙から放たれ空中に文字が浮かび上がり


『ヴィクトリアさん達と会って

ご飯食べてから帰るから遅くなる』


アークの魔力にユージーンが本人からだと確認し


「あの子ったら、まあいいわ

ライコさん一緒にお風呂入りましょ」


旦那の愚痴を言いたいのかライコを入浴に誘い


広間に残されたユージーンは


(そうか、アークはもうブレイク君に会ったのか

ヴィクトリアに連絡だけしておこうかな)


と水晶の魔道具を取り出す


この水晶の魔道具は遠く離れていても


音声が繋がる魔道具で


ダンジョンと呼ばれるモンスターの住処から


見つけ出した物で


4つあり1つはヴィクトリア


1つはユージーン、1つはコレット


もう一つはギルドマスターのベルズの所にある


水晶を使いヴィクトリアに音声を繋げる


「聞こえる?ヴィクトリア」


ヴィクトリアが水晶からの音声に気付き


「ん?どうした?ユージーン」


「いや、アークがそっちでお世話になるみたい

だからと思ってね、よろしく頼むよ」


なんだそんなことか、とヴィクトリアが


最近マリアとはどうなんだ?と聞いて


「うーん、なんだか浮気を疑われていてね

男友達少ないからどうしてもね」


まぁ、仕方ないだろうとヴィクトリアも


マリアの事が気になってはいたが


ちょうどヴィクトリア邸に着いたので


そこで通信は終わった




「お邪魔しま〜す」


とアークが迎え入れられ


ヴィクトリア達も中に入ると


「...ダメだ暑い!」


とヴィクトリアか急に鎧と上着を脱ぎ出し


上半身キャミソール姿になった


メイベルがアークの目を塞ぎ


「スイレン!!ブレイクの目を塞いで!!」


凄い剣幕にえ?うん、とメイベルの指示で


スイレンがブレイクの目を塞いだ


「母上!服を着てください!」


メイベルに言われてヴィクトリアが反論する


「着ているじゃないか下着もつけてる」


とキャミソールを引っ張ってメイベルに見せつける


しっかり下着が透けていた


「それは着てないのと一緒です!」


アークとブレイクに後ろを向かせて


メイベルはヴィクトリアを引っ張り


ヴィクトリアの部屋で服を着せていた


残されたアークとブレイクは


「いや〜驚いたなぁ、暑いって言ったと思ったら

ヴィクトリアさんがいきなり脱ぎ出すとはな

思春期、真っ只中の俺は目に焼き付けようと...

ってヤベ、これ以上メイベルに聞かれたら

終わるからやめとこ」


そうですねとブレイクが言うと


「おぉ、わかってんじゃ〜ん

ヴィクトリアさんはさ大貴族だし

女性としても魅力的で求婚者が絶えないからな

俺も男として見ちゃうよなぁ」


母さんは素敵ですから!とブレイクも


興奮気味に答える、そこに着替えが終わった


ヴィクトリアと話を聞いていたメイベルが


アークとブレイクをお説教する主にアークを


「何が男として見ちゃうよなぁよ!

アークは赤ちゃんの頃

オシメ変えてもらってるんでしょ?

そんな事あるわけ無いんだから

バカ言ってんじゃないわよ!

それにブレイクはアークに同調して

話をしなくて良いから!

自慢の母なのは私も同じだけど!」


えへへ、そうかぁとヴィクトリアが照れるも


母上も照れない!とメイベルに一喝され


3人はシュンとなっていたが


「まあまあ、メイベル

こんなもんでいいんじゃない?

御主人様《マスター》達もご飯にした方が良いと思うし」


と、スイレンが場を収めて


夕食を食べ広間で寛いでいると


「アークだったかしら、迎えが来たわよ」


スイレンの言ってる事が


ブレイク以外は意味がわからず


皆で外に出るとそこにはライコが居た


「孫、帰るぞ」


孫かぁとアークは少し嬉しそうではあったが


皆との時間も楽しかったので寂しい気持ちもあった


そんな気持ちをよそにライコは


世話になったとヴィクトリアに声をかけ


ライコのお腹の膨らみにヴィクトリアが気付くと


「もう産まれるのか?」


あぁ、多分なと返事を返し


アークを連れて帰路に着く


帰り道アークがライコに


「精霊って妊娠するもんなの?」


「正確には分霊体だ

人で言う妊娠に近いから

あの娘は小僧を詰めていたけどな」


(なんだか親父、可哀想だなぁ...)


アークがそんな事を考えていると急に


ライコがアークの腕を引っ張り


何故か裏路地に入った


「家こっちじゃないけど?」


「もう産まれる、予定より早いな

孫、手伝え」


出産に裏路地を選んだのは人通りが少なからで


出産に必要なのは大量の魔力


それをアークに補填させようとしていた


アークがライコのお腹に魔力を流す


「えぇ、結構持ってくじゃん...」


アークは殆どの魔力を持っていかれ


ソレは産まれた


「コイツが私の娘、分霊体だ

孫、お前が契約しろ」


良いの?とアークはその精霊と


契約を結ぶ事になった


ソレは5歳くらいのツインテールの幼女だった


髪の色は深緑で目の色は黄色


「「ここに血の契約を」」


ライコがそこまでで良いとアークの口を手で塞ぐ


「我が葉は、主人の盾となり

我が茨は主人の敵を貫く...のです!」


契約が終わり


名付けをする事となり


アークは精霊にシャルネと名付け


シャルネの身体はどんどん成長して


10歳ほどの少女の姿になり


緑のドレスに赤い装飾が散りばめられた姿で


ライコと同じようにローブと羽衣を纏った


「アークお兄様

シャルネこれから頑張るので

これからよろしくなのです!」


ライコがシャルネの頭を撫でる


シャルネは母親に甘えて抱っこをねだる


ライコがシャルネを抱き上げ


アークと共にユージーン邸に戻る


家に帰るとマリアが出迎えてくれて


「おかえりなさい

あら?その子は?」


マリアがシャルネに気付き


ライコに事情を聞くと


可愛いわ!とシャルネを抱き上げ撫でまくる


「あー、やめるのですー!」


ジタバタ暴れるがマリアにしっかりホールドされ


シャルネの抵抗虚しく揉みくちゃにされていた


「前から娘が欲しかったのよ〜

ライコさんの時はお友達になれで良かったけど

シャルネちゃんは娘みたいで可愛いわ〜」


お友達か?と不思議な顔をしながら


マリアも子供みたいなものだろうと


思うライコだった


その様子を見ていたユージーンが


「おかえりアーク

お風呂の後でいいから

シャルネちゃんと私の書斎に来てくれるかい?」


わかった、とアークが風呂に向かう


執事に服を預けて


アークは大浴場に入る


「ふぅ、久々にヴィクトリアさん家で飯食ったなぁ

メイベルもなんだか肩の荷が降りたみたいで

良かったわ」


すると、バタンと扉の音と共に2人の人影があった


「どうした孫?顔なんか隠して」


普通に入ってくるライコは全裸だった


「ちょっ!いいから前を隠せぇぇえ!!!」


シャルネがタオルを巻いて入って来ていて


「そうなのですお母さんは

堂々としすぎなのです!

せめてタオルで隠すのです」


「なんでお前らは普通に入ってきてるんだよ!」


いや水浴びはした事あるが


湯浴みは初めてなのでなとライコが言うが


「嘘つけ!母さんと入ったの

コッチは知ってるんだからな!」


アークにイタズラするのが楽しいのか


タオルも巻かずに入って来たのだ


シャルネが急いでタオルを貰いに行き


ライコの身体に巻き


アークにもタオルを投げる


「お兄様も前を隠してくださいなのです!」


3人はタオルを巻き一緒に湯船に浸かる


しかしアークは終始、目を隠しおり


それにライコが


「なんだ孫

見たいなら見ればいだろう」


とタオルを取ろうとするが


見れるか!と恥ずかしがって離れるアークに


ライコは隣まで近付く


反対側にシャルネが陣取り


「お兄様タオル巻いてますから大丈夫なのです!」


そう言う問題じゃねぇよ!!!と先に湯船をあがり


アークは着替えてユージーンの書斎に向かった


コンコンコンと扉をノックしアークは書斎に入る


書斎で何やら書類の制作していたユージーンが


作業を止めアークをソファに座らせる


「あれ?シャルネちゃんは?」


アークは大浴場であった事を説明すると


ユージーンが大笑いし


「あはは!本当にライコは

アークの事を孫のように思っているんだね

孫なら孫らしく甘えれば良いと思ってるんだろう」


俺も男なんだけどなぁ?とアークは困惑していた


そこにライコとシャルネが合流し


ユージーンはシャルネをアークの隣に座らせ


「早速なんだけど

アークは今後の事は考えているかい?」


今後?となんの話かと思えば


魔法師団、副団長の息子が今後と言われれば


「俺も15になったら

魔法師団に入るんじゃねぇの?」


その答えにユージーンがやはりかという顔をし


「前から言ってると思うけど

別に父さんと同じようにする必要は無いし

好きに生きていいんだメイベルちゃんもそうだが

アークも自ら道を閉ざしているように見える

確かに魔法については色々教えてきたけど

魔法師団に入る事が全てじゃないからね」


そうなのか?とアークは考え込む


「小僧、本題はそこじゃないだろう

孫にもわかるように説明してやれ」


ライコがユージーンの言いたい事を感じとり


それを話すように促す


「そうだね、まず父さんは魔法師団の団長と

その座を賭けて決闘を申し込む

精霊と契約して団長との力の差は

圧倒的なものになった

それ程、精霊との契約は特別なものだからね

それを踏まえてアークも契約を結んだんだ

その力をどう使うかよく考えないと危険だ」


お兄様は危険じゃないのです!と


シャルネがユージーンに反論するが


当の本人のアークは


「いやでも、親父の言う通り危険なもんだよ

今の俺が一般市民に向けて魔法なんて放ったら

死人が出る、前ならそこそこの被害で済んだけど

今は街一つ消し飛ばせる程の魔力量に

なっちまってるから、その力をどう使うか...」


う〜ん、と考えるアークだった


「孫は何になりたい?」


ライコがアークの前まで来て問いかける


「...俺は」


と、アークは幼少期から親との関係が乏しかった


父は魔法師団、期待のエースだったし


母は育児ノイローゼで休養をとっており


アークは1人で食卓を囲む事が多く


1人寂しい思いをしてきた


それを支えたのは1つ年下のメイベルに


その母ヴィクトリアの存在だった


メイベルとは兄妹のように遊び


ヴィクトリアにはメイベルと共に


街に連れて行ってもらったりした


それでもやっぱり家に帰ると1人になる


メイドや執事はいるものの


一緒に食卓を囲む事はない


それと比べれば今の父や母


ライコにシャルネがいる生活は


アークにとってとても喜ばしい事だった


「俺は...皆で飯が食えればいいかな」


ライコはその言葉にアークの頭を撫で


「...そうか」


とアークを抱きしめた


そんな中、先程のアークの回想に


シャルネが泣き出し


ユージーンに向き直り


「お父様!

お兄様に何か言う事はないのです!?」


えぇ?いきなりかい?とシャルネの発言に


頭を悩ませシャルネがユージーンを引っ叩く


「お兄様は寂しかったのです!

お父様もお母様もお兄様は幼い頃から

あまり相手にされなかった事を

未だに気にしているのです!」


そこまで言ったところでアークに手で口を塞がれる


「...余計な事を言い過ぎだ」


そんなアークの顔は真っ赤になっており


ライコがユージーンに


「まぁ、なんだ小僧が

心配するような事にはならん

孫は思った以上に幼稚な

感情しかないようだからな」


そうか...とユージーンはシャルネに叩かれた


頬を摩りながらメイドにマリアを呼ぶように言い


メイドに呼ばれて、どうしたの?と


マリアが書斎に入り


ユージーンは皆でお茶にしようと


メイド達に準備させた


家族団欒の時を過ごす夜も深くなり


「俺はもう寝るよ」


アークは書斎を後にし自室に向かう


シャルネがそれに付いていく


「お兄様もう寝るのです?」


ああ、とシャルネに答え


シャルネはアークと寝る予定で付いてくるが


アークがメイドにシャルネの部屋を用意させ


「今、シャルネの部屋を用意してるから

そっちでシャルネは寝てくれ」


そこまで言うとシャルネがアークの服を引っ張り


一緒に寝るのです!とシャルネのわがままに


幼い頃の自分を重ねたアークは


「...しょうがねぇな

悪いな用意してもらったけどやっぱいいわ」


と、メイドに断りを入れ


自室にでシャルネとベットで横になった


するとシャルネがアークに


「お兄様はもう独りじゃないのです!

シャルネがずっと側にいるのです!」


そうだな...とアークはシャルネを抱きしめ


2人は眠りについた

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