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第14話

ヴィクトリアがパジャマで来たギルド内の


男性は可憐なヴィクトリアの姿に見惚れていた


改めて来たヴィクトリアは凛としており


それはそれでと男性冒険者も


ヴィクトリアの旦那の枠を狙っているものもいた


ベルズがメモをとりパーティ申請の手続きに移る


「で、まずはパーティリーダーは?」


ブレイクがメイベルとスゥの視線を受け


「えっと...僕ですかね?」


「なんで疑問系なんだよ

まあいいか、次にパーティメンバーの登録だな

メイベルにスゥぐらいか?

まあ後で増やす事も出来るから今はそれでいいか

最後にパーティ名は?」


そっか、パーティ名が必要なんだと


ブレイクが考えていると


ヴィクトリアが


「こう言うのはパーティリーダーの

特徴が名前に入るんだ、だから...」


と、ヴィクトリアが珍しく悩んでいた


「夜明けの旅人、はどうだ?」


確かにブレイクはこれまで長い旅をしてきたし


これからも冒険者を続ける限り旅は続くだろう


「夜明けの旅人、ですか

ありがとうございます母さん

パーティ名は夜明けの旅人でお願いします」


「そうか、ちょっと待ってろ」


メモを持って受付にベルズが書類を取りに行き


書類を作成し終わり


その後パーティの説明に入った


「パーティとは何か、から説明するぞ

まずパーティとは小さな組織になる

リーダーが新たなメンバーを入れたり

外す事も可能だ、臨時的な加入とかもあるな

報酬の分配もリーダーの一存で決まる

個人でも依頼は受けられるが

責任は全てリーダーのブレイクにいく」


リーダーには責任は勿論あるし


それ以上に色んな権限を持つ事を


ベルズはブレイクに説明した


ヴィクトリアが参考までにと


「銀翼のリーダーは私だ

パーティメンバーは私を入れて3人

増やす気も減らす気もないがな

報酬は私達は等分だな」


そうなんですね、とブレイクも


人数で割ればいいかと考えているとベルズが


「パーティの口座は作るのか?」


ブレイクがどうする?とメイベルとスゥに聞く


スゥはよくわかっていないが


「あった方がいいんじゃない?」


とメイベルが言い


お金の管理は得意な人がやれば


安心だし、とブレイクに提案した


「じゃあ、管理は姉さんに任せるね」


え!?と当の本人のメイベルは


こんな事になるとは思っておらず


「マジかぁ...」


と責任重大だなぁと考えていた


「他に何かパーティを組んだ事で

変わる事ってあるんですか?」


それに対してベルズが答える


「そうだな...

パーティメンバーの数だけ

同時に依頼を受ける事が出来るぐらいか?」


ブレイク達の場合


最大3つ同時に依頼を受けられ


1人では難しい依頼も


パーティなら達成はしやすいし


効率よく稼げる


「これでパーティ申請を受理しておく

今日から依頼は3つまで受けれる

報酬もその分増えるが

失敗した時のブレイクの負担も増える

ブレイクがBランクだから

Bランクの依頼まで好きなのを選べるぞ」


説明を聞きブレイク達は依頼が貼ってある


ギルドの依頼が貼ってある壁に向かう


「どれがいいかな?」


スゥは討伐!と流石は戦闘民族と


メイベルが感心ていると


「私も付いていくからな!」


とヴィクトリアを置いていくのは


その後が面倒な事になりそうなので


ヴィクトリアをパーティに仮加入させ


ブレイク達はヴィクトリアを迎えたが仮加入なので


3つまで討伐依頼を受ける事しか出来なかった


迷いの森に出現するモンスターを3種類


シャドウウルフ Dランク推奨


ボーンラビット Fランク推奨


キマイラ Bランク推奨


とキマイラ以外は割と楽に倒せそうな


モンスター達で依頼達成には


各部位を持ち帰る必要がある


シャドウウルフは牙、ボーンラビットは角


キマイラは尻尾と決まった部位を回収する


そしてブレイク達は迷いの森に移動して


モンスターを討伐していった


ボーンラビットは単体行動し


かなりの数いるのですぐに見つかり


スゥが追いかけ回して


疲れ切ったボーンラビットを倒して


角と魔石を回収し


死体をメイベルに燃やしてもらう


スゥがメイベルに質問した


「なぁ、なんで燃やすんだ?」


するとメイベルが


「そっか、スゥは知らないよね

モンスターの死体は他のモンスターが食べると

魔力が上がって進化する事があるのよ

だから被害を出さない為に燃やしたり

魔法で埋めて肥料にするんだ」


そうなんだぁ、とブレイクも感心していた


ユージーンが黙々とやっていて気になっていたが


ヴィクトリアがブレイクを離してくれず


知らなかったから今更ながら


理由を知ったブレイクだった


そしてブレイク達は次の標的へと向かった


シャドウウルフは木の影などで


群れで生活しており


気配が分かりにくいが


ブレイクの索敵魔法で位置がバレており


そこに水魔法で攻撃が入り


飛び出して来たところを


ブレイクが水の刃で足を狙い


動きが鈍くなった所を


メイベルが炎魔法と炎を纏わせた剣で


攻撃し討伐した


シャドウウルフの牙と魔石を回収し


メイベルが死体を燃やして


ブレイクは索敵魔法でキマイラを探す


キマイラらしき大きな反応が3つと


別の特大の反応が1つあり


モンスター同士で


縄張り争いをしているのだろうと思い


考えても仕方ないと森の奥へと向かった


茂みに隠れてブレイク達は様子を伺う


そこにいたのはキマイラ3体と


グリフォンだった


ヴィクトリアが小さい声で


「グリフォンか...

Aランク推奨のモンスターだな」


グリフォンは3体のキマイラに一歩も引かず


キマイラを相手にしていた


メイベルがブレイクに撤退を提案したが


スイレンがサラッと


「倒しちゃえば?

御主人様《マスター》からすれば

さっきのボーンラビットもグリフォンも

大して変わらないわよ」


えぇ...とメイベルが不安そうに言うが


その横でスゥは武者震いをしており


やる気満々だった


そこにグレンが


「お嬢は冒険をしに来たんだろ?

グリフォンはわからねぇけど

キマイラ1体位なら大丈夫だ

オイラもついてる」


グレンの言葉に勇気をもらい


「でも、どうするのブレイク?

間に入ると両方相手にしなきゃいけなくなるよ?」


メイベルの言葉にブレイクが


ヴィクトリアに確認する


「母さんはキマイラをすぐ倒せますか?」


勿論だ!とヴィクトリアは自信ありげに答える


「じゃあ僕と母さんがキマイラを1体ずつ

すぐに倒すあとの1体は姉さんとスゥに任せます」


作戦を説明して開始する


ブレイクはすぐさま精霊融合《ソウル・ユニオン》状態になり


キマイラの首を水魔法の刃で切り裂き


ヴィクトリアもキマイラのすぐ側まで素早く移動し


キマイラの首を切り落とす


「凄い...」


「お嬢!オイラ達も倒すんだ

見惚れてる訳にいかねぇぞ!」


グレンの言葉でハッと我に帰るメイベルを置いて


スゥは走り出していた


「メイベル!魔法!」


スゥは瓶を取り出してキマイラにぶつける


中身は火薬だった


スゥの言葉に反応して


メイベルは炎魔法をキマイラに喰らわす


爆発と共にキマイラの悲鳴が上がり


キマイラ怯んだ


その隙にスゥはスライディングで


キマイラの懐に入り


首から胴体まで切り裂き右の前脚を切断する


体制が崩れたキマイラを見てスゥは一旦下がった


「ん?どうしたのスゥ?」


スゥは野生の勘でメイベルの元まで戻り


「メイベル!咆哮がくる!」


キマイラはスゥを狙い火炎の咆哮を放つ


グレンがそれを吸収し


「危なかったな

てかよくわかったな嬢ちゃん」


スゥは勘!と言っていたが


スゥは察知能力も凄い事がわかり


「じゃあ、トドメはオイラ達でやるか

いけるか?お嬢!」


うん!とメイベルが答え


2人は精霊融合《ソウル・ユニオン》をして


黒炎を放ちキマイラの顔を焼き尽くした


段々と黒炎が周りに燃え移って行くのを


スイレンが見て


「あのバカ

人には使うなと言ったけど

モンスターに使って被害出してどうすんのよ

御主人様《マスター》ちょっと私はあっちに行ってくるわ」


うん、とブレイクが返事をし


スイレンがグレンにお説教をしながら


黒炎を消していく


ブレイクがヴィクトリアに


「母さんは手を出さないでくださいね」


そうか、わかったとヴィクトリアが


離れた位置でブレイクを見守る


そしてブレイクはグリフォンと対峙した


グリフォンがブレイクを見て思ったのは


一体なんなんだ...“コレ”は?


見た目は人の子供だが魔力量が異常過ぎる


更にはグリフォン自身が


押し潰されてしまいそうな圧迫感


ブレイクはグリフォンを逃すまいと


自然に笑みが溢れていた


そんな緊迫した空気は突然切れた


グリフォンがブレイクに鉤爪を振り下ろす


だが水の鎧が攻撃を阻む


ブレイクは無数に水の刃を展開し


グリフォンは地面に突き刺さる鉤爪を


無理やり引きちぎり空へと避難する


空へと避難したグリフォンを追いかけ


水魔法と時間魔法の混合魔法で階段を作り


グリフォンの高さまで登り


ブレイクは水魔法で大きい水の刃を展開し始める


グリフォンは咆哮と共に風魔法を繰り出し応戦する


周りは水飛沫に包まれ視界が悪くなる


グリフォンはブレイクの位置が


魔力量の多さで丸わかりになっており


魔力を辿って鉤爪で渾身の一撃を放つ


だが、その時ブレイクは時間魔法で


グリフォンを固定してしまった


驚きを隠せないグリフォンは暴れようとするが


固定されている身体は一切動かない


そしてブレイクは時間魔法で空気に干渉し


魔力と空気を薄く鋭く尖らせ


真空の刃を生み出してブレイクは


あっさりとグリフォンの首を落とした


呆気ない決着だったが


スイレンは当然ね、となにも気にする事はなく


メイベルとスゥは改めてブレイクの強さに驚き


ヴィクトリアは流石、私の息子《ブレイク》だ!と


誇らしげにしていた


メイベルがグリフォンの死体を観察しながら


討伐の証に鉤爪を取ろうとするが


なかなか千切れない様子を見てブレイクが


「僕がやりますよ姉さん」


先程の真空の刃で鉤爪を刈り取り


魔石と一緒に回収し


グレンとメイベルがグリフォンとキマイラの


死体を黒炎で燃やし尽くしていき


黒炎の被害をブレイクとスイレンが


抑えるという作業が行われた


終わったのを確認してヴィクトリアが


「終わったな!帰るぞ!」


ブレイク達は迷いの森を抜けて


ギルドに向かった


受付でグリフォンの事を話したところ


受付嬢が驚いていてベルズを呼んだ


「...で?今回はグリフォン?

舞姫がいればまぁわからんでもないが」


ベルズの言葉にヴィクトリアが


「私はキマイラ1体倒しただけだぞ?」


「は?じゃあグリフォンはボウズがやったのか

舞姫とボウズは同じ事をするな」


そうだろう、そうだろう!とヴィクトリアが


嬉しそうに頷いていた


「母さんと同じ事?ですか?」


ベルズの話では


昔ヴィクトリア達、銀翼が


キマイラの討伐に行った際


グリフォンを倒して来た事例があった


「まぁいいか、お前ら全員無事なんだろ?」


はい!とブレイクが答え


依頼の報告に移った


ボーンラビットの角が1本


シャドウウルフの牙が12本


キマイラの尻尾が3本と


依頼内容は1つずつで良かったが


依頼の報酬は


角が銀貨5枚


牙が大銀貨1枚


尻尾が金貨3枚


となっており


依頼になかった分のグリフォンの鉤爪や


余った牙や尻尾と魔石を買取に出して


買取価格は合計で


大金貨5枚、金貨4枚、大銀貨3枚、銀貨9枚を


パーティの口座に入れ


口座のカードをメイベルが預かる事になり


「本当に大丈夫かな?」


ブレイクが


「姉さんなら大丈夫だよ」


と安心して預けられると言っており


その言葉にメイベルは嬉しそうだった


帰ろうとした所でベルズにちょっといいか?と


引き止められた


「今回の事を考えると

あっという間にランクは上がっていくだろうし

特にメイベルがBランク試験を受けなきゃな」  


ベルズの言葉にメイベルは驚いていた


ブレイクと同じランクまで上げた方が良いと


そう言われたようなものだからと


メイベルには喜ぶ理由がもう一つあった


母ヴィクトリアと同じランクになれる!と 


お揃いになるのが嬉しいのだ


「喜ぶのは良いがまずは試験を突破しないとな」


とベルズはメイベルに言い聞かせ


話はこれで終わりだと


ブレイク達は家に帰る事にし


ベルズは執務室に戻った


「まさかボウズがグリフォンを倒すとはな

それにさっきの話だとメイベルとスゥで

キマイラを1体倒しているのか...」


若い冒険者が成果を上げたのが嬉しいのか


ベルズは笑みを溢した


ブレイク達は帰り道ヴィクトリアの提案で


買い食いをしていると


偶然ユージーンの息子アークと遭遇した


ヴィクトリアが最初に気付き


「お!アークじゃないか!元気にしてたか?」


「久しぶりですヴィクトリアさん!

ってか精霊がいる!その側にいるのが例の?」


そうだ我が子、息子《ブレイク》だ!と


ヴィクトリアが胸を張り誇らしげにしている


「アークは何してんのよ」


「散歩?...ってか

そっちのはメイベルの精霊か?」


するとグレンがアークに近付き


「よろしくな!オイラはグレン!」


「よろしくなぁ

しっかし、これじゃかなりの差が

ついちまったなぁ

それにブレイクだったっけ?

俺はアークよろしくなぁ」


間の抜けた挨拶にブレイクは


よろしくお願いしますと返事をし


ヴィクトリアがアークに


「せっかくだ

このあとウチでご飯食べていけ」


とアークはヴィクトリア邸で


ご飯をご馳走になる事にした

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