エピローグ:いつかまた
報告書をまとめ、提出したころにはもうすっかり夜になっていた。利にとってこの十日間は人生で一番にきつかったかもしれない。だが、明日から日常が始まる。スーパーで買い物をして家に帰りつく。そこで利は買った物の中身にあるものがあることに気が付く。
「別にもう米を買う必要なかったな。」
彼女と仕事することはないかもしれないが、いつかまた会って話をしたいな。鍵を開けようとしたところドアが若干開いていることに気が付く。いきなり狙われるようになったか。利は銃を抜いて静かにドアを開け中に入る。リビングに電気がついている。銃を構えながら勢いよく入る。
「遅かったな。ん?なんで、土足で上がっているんだ?」
中にはテレビをつけ寛ぐ秋津がいた。
「な、なんで・・・・・」
「この前、念のためと言って合いかぎ渡してただろう?」
「いや、そうじゃなくて京都に行くんじゃなかったのか⁉」
秋津はソファから起き上がり利に向く。
「それなんだが、情報省の出向が取りやめになった。どうやら、私は少々暴れすぎたらしい。多方面から問題視する声が上がっていてな。室長にしばらく避難してろと言われた。だから、明日からは警視庁への出向となった。配属部署はお前と一緒だ。」
「部署って私のところは窓際部署だぞ?」
秋津はきょとんとしながら不思議そうな顔をした。
「聞いていないのか? 特別捜査支援班は正式に捜査権限が付与され、広い範囲での事件捜査ができるようになって人員も補充される。」
「な・・・・・・・・」
利が言葉を失っていると秋津は下から覗き込みながら言った。
「ということでよろしくな。相棒。」
〈完〉




