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想想戦記―想いが力になる世界で、俺は戦う―  作者: ベルナルド
六章 王位継承編

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第105話 塗り替える「想い」

 俺は荒木さんのように――


 開眼は使えない。


 だが。


 開眼の“真似”ならできた。


 俺は体の奥にある純力を解放する。


 想王の力。


 白いオーラが空間へ広がる。


 世界が塗り替えられる。


 開眼のように自分の色で染め上げることはできない。


 だが。


 この力には別の意味があった。


 相手の開眼を封じる。


 そして。


 自身を強化する。


 つまり――


 この場では。


「平等ってわけだ」


 俺は拳を握る。


「仕切り直しといこうぜ」


「ガイア」


 俺は地面を蹴った。


 一瞬で距離を詰める。


 ガイアの目が光る。


 覇気が放たれる。


 空間が震える。


 だが。


 俺は純力を流す。


 その覇気を――


 消し飛ばす。


 拳を後ろへ引く。


 想力が膨張する。


 瞬間。


 拳が肥大化した。


 巨大な想力の塊。


 それを――


 投げる。


「これでも食らえ!」


「フィストバスター!!」


 拳が空間を裂く。


 ガイアへ直撃。


 次の瞬間。


 大爆発。


 轟音が神殿に響く。


「ドォォォォン!!」


 衝撃波。


 熱風。


 陽炎がガイアを飲み込む。


 煙が広がる。


 そして。


 ゆっくりと晴れていく。


 そこに立っていたのは――


 ガイアだった。


 だが。


 先ほどとは違う。


 全身に焼け跡が走っていた。


 大きな火傷。


 俺は息を吐く。


 さっきとは違う。


 真贋でガイアの力を書き換えた。


 だから。


 ダメージが通った。


 ガイアはゆっくりと口を開いた。


「おぬしの力――」


「確かに受け止めた」


 重い声。


「我が肉体を焼く力」


「そして」


 一拍。


「世界を塗り替える力」


 ガイアの目が俺を見る。


「認めよう」


「その力は本物だ」


 静かに告げた。


「この試練は――」


「クリアとする」


 俺は息を吐いた。


 肩に入っていた力が、ようやく抜ける。


 だが。


 胸の奥では、まだ鼓動が鳴り止まない。


 俺は拳を見つめた。


 この力で――


 まだ先に進まなければならない。


 ガイアは続ける。


「だが」


「王になるには力だけでは足りぬ」


 一歩動く。


「健全な精神が必要だ」


 その背後。


 壁が動く。


 そこには――


 一つの扉があった。


「次の試練は」


「この奥だ」


 俺は頷く。


「ありがとうな」


 そう言って扉へ向かう。


 ガイアは静かに言った。


「健闘を祈る」


 俺は扉を開いた。


 その先。


 そこに広がっていたのは――


 何もない空間だった。


 地面も。


 空も。


 境界すらない。


 真っ白な世界。


 静かすぎる。


 自分の呼吸だけが、やけに大きく響く。


 その時。


 声が響く。


 頭の中に直接。


『ようこそ』


『精神の試練へ』


 一拍。


『この試練の条件は一つ』


『己と戦うこと』


『自分を乗り越えてみせよ』


 その瞬間。


 地面が揺れた。


 白い空間の底から――


 何かが現れる。


 それは。


 人の形だった。


 やがて。


 姿がはっきりする。


 俺と同じ顔。


 同じ体。


 もう一人の――


 俺。


「よう」


 そいつが笑った。


 俺に話しかける。


「会いたかったぜ」


 その声は俺と同じはずなのに、どこか歪んで聞こえる。


 その目は――


 真っ黒だった。


 まるで。


 底のない闇のように。

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