↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
姫様の教育係ですが……クビになりました。なのに何故か後ろから姫様が付いてきます  作者: ねこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/3

第2話 黒歴史

 楽しい時間はあっという間と言います。ですが私がキララ様と脱国してから2週間……何事もなく過ぎてしまった。


「もしかして……キララ様……王様達から見放されました?」

「えっ?あっ!脱獄した時に探さないで下さいと書いて来ましたから!私の事を探していないと思いますよ?」


「…………」


 呆れてものも言えないとはまさにこの事だ。だが私が捕まる事もなくなったと言える。


「どうしましたか?」

「なんでもないわ。それより国境は超えました。私たちには選択肢があります。」

「選択肢ですか?」


「まずは、旅を続ける……このまま各地を巡り各所で働きながら旅をしていく。2つ目は何処かに居を構えてそこで暮らす。どちらにしますか?」

「うーん……クロエ様とならどこでも良いんですが?」


 言うと思ったがそれなら私の自由に出来ます。国境を越えた先には私の住んでいた村がありましたからそこへ向かうことにします。


「では、向かいましょうか……廃村へ……」

「廃村ですか?そこに何が?」


「行けば分かります。」


 私の深妙な面持ちにキララ様は少し怖がった表情になりましたがそれはこの子に教えないといけない事だからです。


 しばらく歩くと焼けた後の家や小屋がある場所に出た。


「廃村……何があったのですか?」


 私は村の中央だった場所で立ち止まりキララ様の方を向きます。


「国の歴史の勉強はしましたよね?」

「はい……」


 キララ様は歴史は得意だった。そして探究もしていた。それでもこの村で起こった事は闇に葬られている。だから今では当事者しか知らないのだ。


「25年前、あの国は危機に瀕していました。」

「隣国3国と連戦の戦争をした……バイキング戦争……ですね。死の5年間と言われた……その最後の年ですか?」

「はい、さすがです。この村はその時に防衛の為に使われました。」

「はい、各地の村で激戦区となり多くの死者が出ました。」


 私は軽く笑った。なぜならそれは虚偽の歴史だからだ。


「確かに史実ではそうですね。ですが実際は違います。この村、いいえ、多くの村はあの国の軍人に焼き討ちされたのです。」

「……嘘です!そんな事……」


 キララが否定したい気持ちも分かります。ですが事実はこちらなのです。


「私は当時3歳でした……私は覚えています。あの刺繍をあの国の国旗が軍服に施されていた事を……」

「そんな……助けに来た軍人だったのかもしれません!現に今クロエ様は生きています。」


 やはりこの子は頭が良い。賢い子です。けれどもそれでも私が見た物も真実。


「私は生かされたのです。村の大人たちに……」


 そうして村の奥の奥へ行くと木の十字架が40本刺さってた。


「私と生き残った子たちと作ったお墓です。当時の私たちにできる事はこれくらいでしたからね。」

「あの……生かされたとは?」


「そのままの意味です。大人達はなんとか子供だけでも逃がそうとしてました。でも、多くの大人が火を消す作業と軍人と揉めてるのを今でも覚えてます。自分の子供をなんとか逃す為に家の地下の物置へと隠していたのです。その生き残りが私です。多くの者は飢えや病気で亡くなりました。知ってる限り生き残ったのは10人、そのうち大人になったのは3人……私たちは自分の両親の墓、そして知り合い、そして見つけたご遺体をここに埋葬したのです。」


 私は静かに手を合わせます。隣ではキララ様も手を合わせていました。教養も礼儀も教え込みましたから当然です。


「……それではクロエ様は父上、母上に復讐をしに?」

「そうですね……でも、復讐は終わりました……」

「えっ?」


 戸惑っているキララ様は理解出来てない様子。それもそのはずです。本来復讐というのなら命を奪うはず、なのに奪う所かクビにされてるのだから。


「貴女をあの2人から奪う事が出来たのです。これ以上の復讐はありません。」

「私を……ですか?」

「ええ、軍の責任は王の責任です。本当はキララ様を暗殺する予定だったのですが……出来ませんでした。」


 キララ様は驚きのあまり声も出なかった模様です。ですがそれも仕方がありません、今まで勉強にスポーツなど様々な事を教えていた張本人が自分を殺そうなどと思った事もないはずですから。


「なぜ……殺さなかったのですか?」

「キララ様は無関係ですから。」


「無関係?」

「私たちの恨みは王家にあります。しかし果たしてあの時産まれてもいないキララ様にその罪はありますか?王家だからと憎むのは私たちが無慈悲に行われた虐殺と変わらないのです。ならば私に出来る事、それはキララ様から変える事です。歴史と教養、礼節を教えて民を導く事……だったのですが……まさか私にこれほど懐くとは予想外でした。」


「私は……無関係ではありません。確かに産まれてすらいません。ですが、これは王家の罪です。なので私にも……」

「ないとは言いません、ただ私はな(・)い(・)と判断しました。それだけの話です。」


 私はキララ様に近づき告げました。


「さぁ、もう一度聞きます。私と一緒に来ますか?それとも……」

「行きます!例えクロエ様に殺される事になっても私はクロエ様に一生付いていきます!」


 いつもの柔らかい笑顔ではない、真面目な顔で目には決意が宿っていた。


「……ふっ……ここまで知って私に付いてくるなんてよっぽどの物好きですね。わかりました……では、この近くに私とキララ様のお家を作りましょうか。」

「はい!」


「家の造り方は教えましたよね?」

「はい!」


 私は生きて行くための術を教えました。なので食べられる野草も野宿の仕方も簡易な家も造る事もできます。


「近くに洞穴があります。まずはそこに居を張り家を造りましょう。」

「はい!」


 私たちの2人暮らしが始まりました。

 ここまで読んでいただきありがとうございました

次回更新もお楽しみに!


 更新は不定期ですのでブックマークをしてお待ちいただけると幸いです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。