第三話
目が覚めると目の前に女の子が立っていた。
「あら、ごめんなさいね、お休み中だった?」
「い、いえ。」
アリア・ランバルだ。
「あなた、帝国軍の情報を何か教えてくれない?そうすればテルラ博士の言う通り、無傷で帝国に返すわ。」
「.........」
俺は黙った。
「あんたもう治ってきてるんだからそういつまでも黙ってられると思わないでね。」
「.........」
「もういいわ。」
タッタッタッタ...
アリア・ランバルは部屋を出て行った
流石にもうそろそろ何か手を打たないとまずい。
どうすれば......
「あ。」
輸送機に緊急連絡通信機があったのを思い出した。
よし。輸送機まで行ってくるか。
「あった!」
通信機は俺の座席にあった。これで救助を求められるかもしれない......
「...ん?」
上空から音が聞こえ始めたので上を見上げるとそれは帝国の戦艦デストルークだった。
救助依頼しなくても来てくれたのか!!
「おーい!ここだ!助けてくれ〜!」
俺は全力で腕を振った。
ドガーン!!!
「は?」
俺の頬スレスレにヴイレメント砲が放たれた。
ドガーン!ドガーン!
とっさにあの機体が入っているコンテナの裏に隠れたが、何発もこちらに打ってきた。
「おいおいこれって反乱軍に取られないように俺ごとこの機体ぶち壊そうってことか?」
流石に墜落したコンテナはもろく何発も耐えられそうではなかった。
周りでは基地の警報が鳴り始めた。
<ビーッ!ビーッ!ビーッ!>
「早く戦闘を整えろ!」
「どうしていきなり攻めてきたんだよ!」
反乱軍の奴らが騒いでるのが見える。
ドガーン!ドガーン!
帝国は相変わらずコンテナを砲撃してきた。
この基地シールド整備もされてないのかよ!
もう直撃したら終わりだぞ!
と思ってるといきなり砲撃が止んだ。
上を見るとシールドが展開されたことに気付いた。
基地に向かってできる限り走った。
まだ手足が痛む。
はぁはぁ...
「テルラ博士...これって...」
「おい!あんたが呼んだのか!?こいつらを!!」
博士の隣にいたアリア・ランバルが怒鳴ってきた。
当たり前だ。俺は帝国軍なのだから。
「ちょっと待ってください、彼はずっと寝込んでたし、外出するときも常に僕といました。」
博士が庇ってくれた。
「でもこいつ輸送機の方から走ってきたわ。」
「けど彼は砲撃の目標になってましたよ。」
「...」
「彼らの目的は恐らくキット君ではない。」
「あの...このシールドってどのくらい耐久性ありますか?」
「戦艦デストルークも主砲を10発くらいだと思うよ。」
「それって!」
「あぁ。今すぐに逃げたほうがいい。」
「アリア殿は戦艦フェニックスで皆と共に逃げてください。...キット君もね。」
「はぁ!?なんでこいつまで連れて行かなきゃならないのよ!!」
「そうですよ!俺も手伝います!」
「僕の作った手足でアリア殿を守ってくれないか?一応軍人なんだろ?」
「そ、そうですけど...」
「僕なら一人でこのシールド制御はできる。そしたら犠牲者は僕だけで済むはずだ。」
「ふざけないで、あんたに死なれたらこまるわ!」
「アリア殿が死なれたら革命軍の統率力は終わりますよ。」
「——っ!」
アリア・ランバルは泣いていた。
「いや!あなたは死なないわ!ここを守って私たちのところへ戻ってくるの。わかった?」
「了解です。」
「絶対帰って来なさいよ...」
そう言って彼女は走って港に向かって行った。
「さぁキット君も行ってくれ。」
「————なんで俺をあんなに庇ってくれたんですか?」
「昔の僕みたいだったから。昔も僕は帝国に使えることが全てだと思っていた。軍医って形だっただけで気持ちは軍人の君と全く変わらなかったと思う。だけど彼女達、ランバル家の人達に出会ってから変わったんだ。きっとあんな子たちが帝国を治めれば平和になると思ったんだよ。だから正直言って君に革命軍に参加してもらいたかった。」
「すみません...多分今回の襲撃話全部俺のせいです。俺がここに不時着したからこうなったんです。」
「どういうことだい?」
「皆んなほっといてるみたいですが僕の輸送船には帝国の極秘の兵器が乗っていて、多分あれを反乱軍に知られたくなくて、この基地ごと証拠隠滅しようと思ったんだと思います。」
「そうか...でも僕はきみと知り合えてよかったよ。」
「俺もです。助けてくれてありがとうございます。」
「じゃあもう船に向かいなさい。」
「いえ、向かいません。」
「え...ちょ、ちょっと!」
俺は走って武器庫からロケットランチャーを取り出して輸送機のコンテナに向かった。
バゴーーン!
コンテナの砲撃を受けてボロボロになっている側面にランチャーを打ち込むと穴が出来た。
「なんだこれ...」
中を見ると。でかい人型のロボットがそこにあった。




