5/14
電話越しの恐怖
波留は…結局電話に出てしまった…。
【はい、もしもし…】
【…メール、見てくれた?】
なんて、返せばいいんだろう。
断るのは当たり前。
でも…ここで断れば、黒河との関係は完全になくなってしまうかもしれない。
そうなれば、黒河の存在を知らないままになってしまう。
返答に困っているのを察したのか…
【メール、見たんだね。返事はすぐじゃなくていい。俺は…待つよ。】
…待つ?
余裕があるってこと?
…なにか、言わないと。
返事…しないと…!
頭では分かっているのに…
言葉が詰まる。
【…なにか、怪しんでない?】
体が、ドクッと波打つ。
【…え?】
【え、だって、急にチケットとか渡したし…。ましてや、一緒に暮らそうとか。】
体の熱が引いていく…。
一瞬…佐久間の会話を聞かれたかと思った。
【ひ、一目惚れだったんだ!!ちょ…何言ってんだ…俺w。と、とにかく!返事、待ってる!】
乱暴に電話は切れ、ツーツーという音が、耳から離れることはなかった…。




