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残されていたもの
連れてこられたのはある1つのカフェ。
「なんなの。私はお茶なんてするつもりは、、、。」
「俺だってそんなつもりないさ。この場所に見覚えない?」
「は?何言って、、、」
波留は周りを見渡した。
なにも変わらないどこにでもあるカフェ。
でも、ただ一つ。
気になるのはこのカフェの名前。
「shiningkitchen?」
「日本語で?」
波留は声が出なかった。
声が、、、震える。
「輝く、、、台所。」
「ここはね、君のお父さん。輝さんがつくった場所なんだ。だから、輝く。そして、お母さんがいつも立っていた場所、、、」
「、、、台所。」
波留はその場に座り込んだ。
お父さんもお母さんも、私にこんなステキな場所を残してたなんて。
「チッ。」
ハッと我に帰る。
今、舌打ちした?
「お前ってさ、ほんとに泣かねんだな?」
「は?」
「ここさ、お前の両親が残したとこなんだよ?10年間、両親の温もりを知らずに生きてきた少女に残されていたもの、、、。普通泣くとこじゃね?」
パンッ!!
波留の手のひらが黒河の頬に当たったと同時に、波留は叫んだ
「、、、あんたに、、、あんたに何がわかんの!!!」