初めてのG -4
「本日はどの様なダンジョンを志望しますか?」
「…………………できれば洞窟らしくないところが良いですね……………。武器の関係で幅や高さが狭いと不便極まりないので……。」
「でしたら、何件か条件にあうダンジョンがありますよ。こちらのダンジョン達ですね。…………まぁ、他にもあるかもしれませんが、確認しきれていませんので…………。」
ギルドに戻ってから私は、ダンジョン内にテントを張る為に、半分冗談で草原のような広いダンジョンは無いかと聞いたのだけど…………、あるんかいと思ってしまうのだった。いや、無いとバリエーションが少ないか………………と思いながら。
「じゃあこのギルドレベル14の『ミアッペ山脈』に潜ります。」
「……………………ご武運を。こちらは、出てくるであろうモンスターの一覧となります。ぜひ、役立ててくださいね?」
「………………………こんな物もあったのか……………。まぁ、これ以外にも出てくる可能性はあるって事だよね?」
「………………そうですね。この中に書かれていないモンスターが出て来たら、報告してください。謝礼金としてダンジョンのレベル×500G支払われます。」
………………………謝礼金安いな……………とも思ってしまうが、億を超えるダンジョンの数を見れば、そんな事は誤差の範囲なのだろうから、高額な謝礼金を用意して置くわけにもいかないのだろう。
「それでは、ダンジョン攻略を頑張ってきてくださいね?」
「………………………あぁ、そうさせて貰うよ。」
私はそう言ってから『ミアッペ山脈』に続くポータルへ向かう。ダンジョンに持ち込んだ物はそのまま残るらしい。それはゴミでも建築物でも同じだそうだ。……………そうでなければ死体が残ったりはしないからな……………。
そう思いながら私は、ダンジョンへとワープしていく感覚を覚えながら『ミアッペ山脈』へと足を踏み入れたのだった。……………いや、まだ帰還用ポータルの上なので正確には踏み入れていないのだけど、その辺には突っ込まないことにする。
『ミアッペ山脈』は岩山がいくつも連なっている様な山脈で、出てくるモンスターも硬そうなのが多かった。ちなみにこのダンジョンにはボスモンスターらしきモンスターは存在していない為、消滅する事は無い。………………………ちなみに、ダンジョンを全て消滅するためには、職業『異界の勇者』が裏ダンジョンの最深部のボスを倒すという物だ。
……………………はっきり言って実現不可能だろうと思う。異世界から来た勇者は、初代ドラ◯エくらいの期間で要領良く魔王を倒したり世界を救ったりしようと努力するだろう。決してその間に不老不死にでもならなきゃやっていられないほどの事柄を解決する事を引き受けると思うか?と思えば無理だろう。
つまり、私が『ラビネア』に滞在する間にダンジョンが消えることは無い。…………………完全にご都合主義な雰囲気もあるし、せめて『魔強木』については勇者とかが活躍してどうにか出来るようにしておけよ……………と思ってしまう私なのだった。




