第四話 第二十部 両親に届け
湯子は大きくガッツポーズをとった。その瞬間、キャッチャーや内野陣、ベンチの方からも多くの人が飛び出していった。そして皆で喜びを分かち合っていた。私もその輪に入ろうと全力でマウンドの方へと向かっていったが途中で足を止めてしまった。巴美羽がその輪に入ろうとせずに整列しようとした。
「巴美羽…。」
「なにー? 私はいいのよ。こうやって優勝したのを見ることができただけでそれでいい。」
「巴美羽は……本当はソフトボールが好きなの?」
「大好きだよ。そうじゃなかったらやるわけないじゃない。でも…私が目指してるのはそれじゃない。努力しないイチローと呼ばれるなら野球で見せようと思うの。それも男子のいる高校野球で。」
「そうなのね…。なら私も野球やるわ。」
私と巴美羽は横に並んで喜んでいる所を見た。この喜び…やっぱり私もあれだけ思いっきり喜びたい。
「私も野球をやって…最高のプレイヤーになってみせる。それが…両親へのもう一つのプレゼントかな。」
「じゃあこの優勝はそのうちの一つのプレゼントか?」
「そう。…だから巴美羽も一緒に行こう! ほらっ!」
「うわっ! ちょっと!」
私は巴美羽の腕を握って輪の中へと入っていった。巴美羽は戸惑いながらも回りにもまれていた。それによって巴美羽はため息をつきながらも少し笑顔を見せていた…。お父さん、お母さん。私は…ソフトボールで頂点をとったよ。でも…今度は私自身の活躍をみていてね。




