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第57話 漁師達の決断

 ダンは立ち上がった。

「仲間に話してくる」

「あとは俺達で決める」

「あんた達は待ってろ」

 そう言い残し、小屋を出て行った。

 部屋には俺達だけが残る。

◇◇◇

 静かな時間が流れる。

 ミリアが俺を見る。

「領主様」

「何だ」

「待つだけって苦手ですよね」

「そんなことはない」

「嘘です」

「いつも歩くか」

「帳簿を見るか」

「誰かを説得してるじゃないですか」

「こっちに来てからはな」

「動いてないと耐えられない性格でしょ」

否定できなかった。

「何もしないんじゃない。待つのだ」

「トップは待つことも仕事だ」

「えっ」

 ミリアが目を丸くした。

「そうなんですか」

「ああ」

「判断したら」

「あとは現場を信じる」

「……初めて領主様らしいこと言いましたね」

「普段はどう思ってる」

「歩く人です」

 ダレンが吹き出した。

 ハンスも笑いをこらえている。

今日は一本取られた。

 俺は黙っていた。

◇◇◇

 外は夕暮れに染まり始めていた。

 山道の向こうから。

 ゆっくりと人影が近づいてくる。

 ダンだった。

 その後ろには。

 九人の漁師達が続いていた。


(第58話 漁師達の答え)



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