↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 経営企画部長、地下鉄で居眠りしたら税収銀貨八枚・借金金貨十二万枚の辺境領主になっていた。  ~不正を告発したら追放された。王国は私に頭を下げることになる  作者: 幸善さち
第2章 最初の帳簿

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
18/184

第18話 誰も行かない海

※この作品は毎日更新予定です。

ブックマーク・評価をいただけると嬉しいです。

 第18話 誰も行かない海


 翌朝。


 俺は北へ向かっていた。


 隣にはダレン。


 後ろにはミリア。


 いつもの三人だ。


「本当に行くんですね」


 ミリアが言った。


「ああ」


「漁師さんたちが止めていたじゃないですか」


「理由を知らなかった」


「それが問題なんです」


 もっともだった。


 だが、理由も分からず避けるのは好きではない。


「見れば分かる」


「またそれですか」


 ミリアがため息をついた。


 歩くこと一時間。


 入り江を越える。


 さらに北へ進む。


 すると。


「これは……」


 ダレンが立ち止まった。


 俺も足を止める。


 目の前に、川があった。


 山から流れている。


 それほど大きくはない。


 だが、水は澄んでいた。


「川ですね」


 ミリアが言う。


「ああ」


 俺は周囲を見る。


 魚影が見える。


 小魚も多い。


 鳥もいる。


 獣の足跡もあった。


 生き物が集まっている。


「レオン様?」


「おかしい」


「何がです」


「誰も利用していない」


 ダレンも周囲を見る。


「確かに」


 漁場として悪くない。


 水も豊富だ。


 だが、人の痕跡がほとんどない。


 網を使った跡もない。


 小屋もない。


 道すらない。


「昔は来ていたのか」


 ダレンは首を振る。


「聞いたことがありません」


 ますますおかしい。


 その時だった。


 ミリアが川の上流を指差した。


「レオン様」


「何だ」


「あれ」


 岩場の近く。


 何かが積み上がっている。


 三人で近付いた。


 そして、全員が黙った。


「骨……?」


 ミリアが呟いた。


 白い骨だった。


 魚ではない。


 獣だ。


 かなり大きい。


「熊でしょうか」


 ダレンが言う。


「分からん」


 だが、死んでからかなり時間が経っている。


 最近ではない。


 俺は周囲を見る。


 もう一つ。


 また一つ。


 骨がある。


 偶然ではなかった。


「レオン様」


 ダレンの声が硬い。


「戻りましょう」


「なぜだ」


「嫌な予感がします」


 俺は頷いた。


 実は、俺も同じだった。


 だが、ここで帰れば何も分からない。


 俺はさらに上流を見る。


 その先。


 木々の隙間から、何かが見えた。


「建物か」


 ダレンが目を細める。


「まさか」


 人が住んでいるのか。


 いや、違う。


 かなり古い。


 崩れかけている。


「面白いな」


 俺は口元を緩めた。


 魚を探しに来た。


 だが、どうやら別のものを見つけたらしい。


(第19話 忘れられた小屋)


最後までお読みいただきありがとうございます。

ぜひブックマーク登録をお願いします。

評価(★★★★★)も励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。