第三十話 学校でのおさんぽ
失礼します。新たに小説を書き始めました。そちらの小説に集中したいので、こちらの小説を1章で終わりとさせていただきます。こちらの小説は1日3話投稿とさせていただきます。
新たな小説の方ですが、そちらは現代もののダンジョンを舞台としたお話です。もうすでに1章までは書き終わっていて、編集を終わったら投稿する流れになりますので、その際は呼んでくれれば作者は嬉しいです。
プロテインを隅の荷物とまとめて置いておく。もちろんレイからもらったネックレスは着けたままだ。理由は重くないからだ。
二人の口論をよそにネットサーフィンをしていると、どうやら口論は終わったようだ。
この二人は最初の頃とは違い、僕の前で超能力のいざこざを起こさない様になった。それは僕の情操教育に悪いと思ったからなのか、単に恥ずかしいだけなのかは分からないが、僕にとっては超能力を使った喧嘩をしなくなっただけでうれしい。
でも、あのかっこいい戦いを見れなくなってしまうのはちょっともったいなくも感じてしまうのは僕も男の子と言う事なのだろうな。
口論が終わってぜぇはぁぜぇはぁと荒く呼吸していると、レオの方が何かを思い出した様だ。
「ああ、思い出したわ。鞠くん、一緒に僕たちの校舎に来てみない?」
急に言われた事にびっくりした。そもそも、僕は13番区で知っているのは訓練施設と噴水ぐらいだ。逆に言えば僕が知れる場所はそこぐらいしかない。
この学園区なのだが一つ一つの建物にID識別をする機械が設置してある。これにより不審者が入ると警報が鳴り響く。
もちろんの事僕には13番区に入るのと訓練施設に入るための識別コードしか貰っていない。もし、レイが言うような事をしたら学園中に警報音が鳴り響いてしまう。
「それって大丈夫なの?僕嫌だよ学園中に警報音が鳴り響くのは」
「それは俺もいやだよ。別に建物の中に入る訳じゃなくて手前まで来ないかって話」
「それは分かったけど、行く理由は分からないな」
別に嫌ってわけじゃないけれども、5W1Hのwhe(なぜ?)は知っておきたい。
「ああ、それね。別に大した理由は無いんだよ。ただね、鞠の話を友達にしたら、みんなが会いたいって言ったからってだけなんだけどね」
なるほど。まあ、別に嫌ってわけじゃないし言ってみよっかな。好奇心もあるし。
「じゃあ、行ってみよっかな」
「よっしゃ、そいないきましょか!」
急に割り込んできた誠人が先導を切ってレイと誠人が学ぶ校舎へと向かった。
大股で威勢よく歩くのは良いのだが、このプロテインどうしよう?
~~~
レイたちの校舎は訓練施設から少し離れた場所にあった。学園区の中でも訓練施設とは反対側に位置する場所で、歩きで言えば15分ほどかかる距離だ。
レンガ造りの校舎を左右に見ながらレンガ造りの道を歩く。学園区だけは他の番区と違い西洋風の街並みだ。他の番区は近未来風の建物ばかりなのに学園区だけは異世界の様だ。
「ついたで」
誠人が指さした一つのレンガ造りの校舎。それはここまで来る時に見たのと同じような雰囲気の校舎だった。
そして校舎の入り口には中学部超能力科校舎A棟と書かれていた。
えー。超能力科なんてあるんだ。まあ、今考えればあるか。でも、どんな授業をやっているんだろうか?
ちょっと気になった僕はレイに聞いてみた。
「ねえ、超能力科ってどんな授業をやってるの?」
「そうだね。…超能力科ッて他の科とあまり変わらないかな?高校になると明らかに変わって野外訓練とかもあるんだけど、中学まではあまり変わらないよ。体育が超能力の授業になったり、超能力を学ぶ事業が週に2回入ってたり。そのぐらいだよ」
なるほどね。まあ、中学校程度ではあまり変わらないのか。まあ、それもそうか。中学は前世でも義務教育だったしね。
ちなみにだが、この都市では高校までが義務教育だ。もちろん私立以外は全部無料。まあ、この都市で私立の学校なんて一つしかないんだけどね。
「ほな、ワイが皆呼んでくるで!」
僕とレイが話していると誠人が友達を呼びに校舎の中に駆けだしていった。まさに止める暇もないとはこの事だ。
レイも急に走り出した事に呆然としていた。
「…」
「…あのバカ。呼んでくるって言ってたけど、大量に呼んでくる訳じゃないよな?さすがのバカでもそのぐらいは…」
その言葉も途中で止まってしまう。
駆け出して行ってすぐのハズなのに、ぞろぞろと人を引きずれた誠人が出てきたからだ。
しかし、何故だろう?引き連れてきた人がほとんどが女に見えるんだけど?
「レイ、連れてきたで!」
そう言い放った瞬間に氷の柱が誠人の鳩尾をとらえて宙高くに吹き飛ばした。
「連れてきたで、じゃないわボケェい!」
ボスンと地面に落ちた誠人はピクピクと痙攣している。今回は流石に誠人が100悪いので最低限だけ治療して放置した。
誠人を治療し終わって周りを見ると、いつの間にか僕は女子軍団に囲まれていた。
「え?」
「キャーかわいい!」
驚いて固まっている隙に女子の1人に抱えあげられてしまった。
周りにいる女子全員からギラギラとした目線を向けられている現状は全然嬉しくない。前世ならば女子に囲まれる事は嬉しかったはずなのだが、今は全然嬉しくない。というか怖い!
僕は助けの目線をレイに送ったが、レイも多くの女子に囲まれて四苦八苦している。
レイがダメな事を即座に判断した僕は元凶たる誠人の事を見るが未だ伸びて気絶している。
ダメだ誠人は使えない。
他に何かないかと周囲を見るが何もない。
「かわいい!この子って女の子?それとも男の娘?」
あれ?男の子のニュアンスが違う気がする。
女子生徒たちは僕の性別を確認するためか僕も息子らへんに手を伸ばしてきた。
あまりの危機的状況に僕は、気絶している誠人の事を起こすために精一杯の力を振り絞って生転を反射的に飛ばしていた。1メートル50センチは離れている誠人に飛ばす生転は尋常じゃない程の力を喰ったがしっかりと生転が当たった誠人は気絶から目を覚ました。僕は一回の使用でほぼすべての力を使い切ってしまった。かなりの脱力感に僕はぐったりとしてしまう。
僕はぐったりした身体に鞭を打って起き上がった誠人に助けの目線を送った。が…。
「は!なんや!」
飛び起きた誠人は周囲をキョロキョロ見ている。その時に不意に見えてしまったのだろう。要らない一言を口走ってしまった。
「白や」
1人の女子の顔を見ながらそう言った瞬間、女子たちの目が変わった。僕を抱えている女子以外が誠人の方に虚無の瞳で向かっていく。
抱えている女子は僕にその光景を見せない様にそっと手で隠した。しかし、僕には見えている。誠が女子にリンチされている所を。
一分ぐらい誠人の嗚咽や悲鳴を聞いていたが、もう聞こえなくなった。
誠人、お前はバカで無神経だったけど、いい奴だった。見舞いには花と線香を持って行くから安らかに眠ってくれ。
複数の女子が動かなくなった誠人を校舎の方に運んで行っている。そのおかげで僕の周りに居た女子が少なくなった。誠人を起こしたかいがあったかな?いや、使った力に見合わないか。
少なくなったとはいえまだ3人に囲まれている僕は髪をいじられたり手を触られたりなどでお人形状態になっている。
「ねえ、なんさい?」
「4歳」
「性別は?」
「男」
「お名前は?」
「鞠」
と質問攻めだ。
正直SAN値がどんどんと削られていっている。普通女子に囲まれたら回復するものじゃないっけ?
「あら、この和服かなりいい生地を使ってらっしゃるわね」
周りを囲んでいた一人の女子生徒が和服の生地を触りながらそう言った。みんなもそれにつられて和服を触る。
「確かに。ねえ鞠くんはどこかの良い生まれだったりする?」
「普通の家だよ」
ひとり親家庭が普通かどうかは置いといて、何の不自由なく一般ラインで暮らせていると言う見方をするならば普通の家庭だ。
「そうなんだ。じゃあ誰かからのもらい物だったりするの?」
僕はこの時、何の気なしに答えた事を後に後悔した。
「正剛少将に買ってもらったんだよ」
「「「え?」」」
「え?」
ここに居る三人の口から全く同じ「え?」が出た。
僕はそんな反応が返ってくるとは思っていなく、彼らと同じように「え?」が出た。
「ほ、本当にあの正剛さんなのですか?!」
僕の肩をゆさゆさと激しく揺らして問いただしてくる女子に恐怖を覚えて反射的に返事をしてしまう。
「う、うん。そうだけど…」
「す、すごいですわ!あの正剛様とお知り合いなんて!」
隣で静かに聞いていた女子がフラっとへたり込んで額に手を当てながらそんな事を言った。
その姿勢が、昔の少女漫画の様な体制だったことに心の中で笑ってしまった。
「でも、本当にすごいね。あのスサノオ部隊の正剛さんとお知り合いなんて」
「そんなに有名な人なの?」
前に正剛少将の事を調べた時には沢山の記事があったが、そんなに人気な事は知らなかった。
僕の感覚からしてみれば、ただの気のいいおじさんって感じなんだけどな。
「そりゃそうよ。スサノオ部隊は戦闘特化の人間が多く在籍する部隊だもの。それをまとめる人が普通なわけがないわ。それに私たちが超能力科である部分もあるわね。私たちが目指す先人なのだもの」
確かにそう言われると納得する。確かにスサノオを率いる人間なのだから超能力を学ぶ者にとって有名で当然か。
「ねえねえ、それよりもさ正剛少将はかっこよかった」
「それは私も聞きたいわ」
「正剛様のお話を私も聞きたい」
それから話を聞きつけた人やレイの方にいた女子も参戦してきて大変なことになった。
それから10分後。僕のSAN値は0になっていた。流石にそれを見かねたレイが助けてくれなければ廃人になっていたところだった。
……女子怖い。…あとレイ様マジでありがとう。
追伸だが、レイ様と女子から言われているのを聞いた僕がレイに対してレイ様と言ったら。
「ごめん。それだけはやめて」
とマジな顔で言われてしまった。レイもかなり来ているらしい。
もし、この作品を気に入ってくれたら「いいね!」や「ポイント」を入れてもらえると非常に嬉しいのでお願いします。
楽しんで読んでもらえれば嬉しいです。自分でも見返しているのですが誤字脱字があれば報告してくれるとありがたいです。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。




