【073.〈エレノア〉】
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その日も仮設宿泊所で人々と過ごす。
初日と違って、彼らは知り合いでかたまるようにしていた。
驚いたことに彼らは、みな同じ惑星の出身だった。
〈ビダル星系〉第4惑星〈エレノア〉。
「確か、鉱物資源も食物資源もほとんどなくて、ほとんど輸入に頼っているんだったね」
「以前はそうでした」と彼らのリーダーのひとり。「でもそのままでは赤字体質から脱却できないので、原材料を輸入して、加工品を輸出するようにしたんです」
オレの得た知識は、古い情報でもある。
仕事次第だから知識が更新されることは少ない。
それでもないよりはいい。
話を聞いていると、さまざまな加工品を作り出していた。
アルコールを使った製品、医療用ナノマシン製造機、植物工場用のパッケージなどなど。
だが、利益の多くが人々に還元されず、一部の管理者に搾取され続けていた。
そこで惑星規模でのデモを敢行。
警官隊や軍による介入が行なわれ、多くの者が逮捕された。
彼らは、その逮捕者の一部なのだ。
「なんと。それだけで? 信じられん。過激なことをしたのでは?」
「いいえ。プラカードを掲げて、行進しただけです。まぁ、中には警官隊に殴りかかった者がいましたが。それ以外は」と彼が首を振る。「ですからこうなるとはみな、思ってなかったのです」
「だろうねぇ。災難だったね。だが、落とされてしまったんだ。気持ちを切り替えるしかないよ」
「もう帰れないんですか? 本当に」
「うん。この惑星は、封鎖されてるからね。以前にロケットを打ち上げたそうなんだが、撃墜されてしまったそうだよ。そのあとも何度か行なわれたみたいで、今では打ち上げる気もないそうだ」
「そうですか」
その場にいた人々は、一様に肩を落としていた。
家族とも別れ別れになっている人間も多いはずだ。
それを考えると、可哀想だが。
その夜は、あちこちですすり泣きが聞こえていた。
いつまでも。
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