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落とされ人  作者: カーブミラー


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237/258

【237.優しさ】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。

 翌日。

 彼らがテントから出てきた。

 こちらも起きて、表に出ていた。

 となりに指揮官が立つ。

 朝日が反射して、彼らのウロコが輝いていた。

「肌艶がよくなったみたいですね」と指揮官。

「よく眠れたんだろう」

「あれは?」と指揮官が彼らを指差した。

 宇宙人を指差している。

 よく見ると、彼らの両肩に小動物の姿があった。

「リスのように見えますね。彼らのペットでしょうか?」

「そうかもしれない。だが、2匹ずつ飼っている、というのも変じゃないかね?」

「ふむ。ですが、(つがい)で飼わないとダメだ、とか制約があるんじゃないですかね」

「ああ、なるほど。では、今日は、あの小動物について訊くことからはじめようか」


 会見がはじまり、さっそく訊いた。

 オレは、もちろん、すでに知っていることだが。

 “フェレ”という動物であり、彼らの健康を維持するためには欠かせないのだ、と。

 それを一所懸命に説明する彼ら。

 少なくても指揮官にもわかるように。


 会見のあいだも、フェレは、彼らの頭上で、ツノを舐めたり、頭をつついたりしている。

 それを彼らは、邪魔とは思っていない。

 フェレも必要以上に彼らの目の前を動いたりしない。

 ときどき、彼らの首元のバッグに潜り込んだり、出てきたりを繰り返す。

 それが彼らのふつうなのだろう。

 会見中はちょっと目障りだが、ソラ人としては、好印象のはずだ。

 強面(こわもて)の宇宙人なのに、可愛い小動物を飼っている。

 それは彼らが優しさを持っている証拠だ、と思うかもしれないからだ。

 実際、彼らは優しさを持っている。

 少なくても仲間に対しては。


「私たち、君たち、城、行く」

 ようやく片言ではあるが、会話が成立できるようになって、切り出した。

「城?」とシェロア。

 コンピュータ画面に、〈スベルト王国〉の城を表示する。

 テーブルには、地図が広げてある。

 その場所を指差した。

「城、わかる。なぜ?」

「私たち、城、来た。私たち、言われた。私たち、あなたたち、話す」

 自分たちに上司がいることを伝える。

 その上司が会いたがっている、とも。

 シェロアたちは、肯定した。

「私たち、行く」


 我々は、城と連絡を取り、その旨を伝えた。

 城へは、明日、連れていくことにして、会見を終えた。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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