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落とされ人  作者: カーブミラー


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222/237

【222.宇宙船・1】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。

「それで?」と問う。

 アルに(緊急事態です)と呼ばれ、調査船に飛び込むと、彼はそこに立っていた。

 コントロールルームに移動しながら、彼が話し出す。

「ステーションで騒ぎが起こっています」

「上で? どうやって知ったんだね?」

「あそこには、SXEのロボットがいますから。そこからの情報です」

「ああ、なるほど」確かにいた。「だが、それなら今までにも情報を得られていたんじゃ――」

「落とされるタイミング程度は。ですが、〈落とされ人〉の詳細などは」と首を振るアル。

「わかった。それで騒ぎの内容は? なんらかの影響がこちらにあると?」

「はい。まずは、スクリーンを」

 彼はそう言って、正面スクリーンを指した。

 そこには、暗い宇宙空間を背景にして、ひとつの物体の静止画が写されていた。

 オレは、絶句した。

 異様な物体だった。

 太陽光の当たり具合からすると、全身が黄金色で、細く長いのがわかる。

 どこが異様かといえば、その先端部だろう。

 四つの鈎爪のようなものが、中央の口(?)のまわりにつけられている。

 まるで、その鈎爪で、獲物を捕らえ、口に放り込もうとするためにあるかのようだ。

 だが、その口は、閉じられている。

 あれば、だが。

 よく見ると、鈎爪の後方に、いくつもの黒い点が見える。

 それは、口を覆うように続いている。

 その後ろは、縦の楕円の頂点が鋭角になっていて、まるで魚の身体のようにも見える。

 全体的には、海の棘皮動物と魚を掛け合わせたような感じだ。

 ようやく口を開き、「なんだね?」と訊いた。

「宇宙船のようです。連合圏のものではありません」

 その言葉に彼を見た。

「まさか、異星人のものだと?」

「おそらく。ステーションでもそう見ています。そのため、騒ぎとなり、ロボットにも伝わりました」

「ふむ。それで交信は?」

 彼が首を振る。

「ステーション側からは、誰何しています。ですが、いまのところ反応はありません」

「ふむ。現在位置は?」

「最遠の惑星〈ダーネン〉の公転軌道を通過したところです」

 スクリーンが切り替わり、星系図とともにその位置と進入経路が示された。

「〈スータン〉へ来るのかね?」

「まだなんとも。ですが、現在の速度と進路からすれば、可能性はあります」

 予測範囲が示された。

「来るとして、到着するのはいつごろかな?」

「1週間から10日かと」

 それまでは、こちらへの影響はないだろう。

 なんらかの意図があってやってきたとしても。

 ただ通過するだけかもしれないし。

 楽天的過ぎるだろうか?

「今すぐに手を打つべきことがあるかね?」

「今のところは」

「では、何か変化があったら呼び出してくれ」

「わかりました」


 その後しばらくは、アルからの呼び出しはなかった。

 その代わり、こちらからようすを訊く。

 やはり、動向は気になっていたからだ。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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