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落とされ人  作者: カーブミラー


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202/212

【202.爽快な朝】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。

 朝を迎えた。

 ベッドのとなりには、ミチカの身体のぬくもりがあった。

 こうして、となりにぬくもりを感じるのは、クリス以来だ。

 昨夜は、ミチカの中で何度も果てた。

 おかげでグッスリと眠れたが、今は身体のあちこちが痛む。

 翌日に身体が痛む、ということはそれだけ身体が若くなっている証拠だ。

 それに今も勃起している。

 朝に勃起しているのも、若くなっている証拠のひとつだ。

 俗に“朝立ち”と呼ばれる現象。

 歳をとるにしたがって、だんだんそういうこともなくなっていたのに。

 マブタを開けて、となりを見た。

 ミチカと目が合った。

「お目覚めですか?」

「うん。ずっと私を見ていたのかね?」

「はい」

 ロボットであるセクサロイドは、眠る必要がない。

 身体を休めることはある。

 人工脳髄の処理スピードを減速もする。

 マブタも閉じる。

 だが、実際に眠るわけではない。

 となりの人間が身動きすれば、マブタを開けて、その人間のようすをチェックする。

 人間で言えば、寝ているふり、と言ったところだろう。

「イビキが、うるさかったのではないかな?」

 クリスが言っていたのを思い出す。

 彼女からは、“うるさかった”とは言われなかったのだが。

「多少。ですが、病気が疑われるようなものではありませんでした」

「それはよかった」

 睡眠時無呼吸症候群だと、イビキが途中で止まり、呼吸が止まる、と聞く。

 そうした無呼吸が脳への酸素供給を減少させ、危険な状態に陥る。

 そばで寝る人間の多くは、この病気のことを知らず、“たかがイビキ”だと看過してしまう。

 だが、セクサロイドが人間のこの病気を発見することは多い。

 この病気になってもセクサロイドのおかげで、軽度のうちに病院での治療を受け、重度にならずに済む人も多い。

 それはともかく、オレはミチカに覆いかぶさった。

 彼女の身体に勃起した男を押しつけて。

 ミチカの両腕が上がり、オレの首にまわされた。

 おたがいに笑顔になる。

 ミチカとの身体の相性は、非常によかった。

 愛するミリーには悪いが、彼女以上だ。

 それでもミチカをミリーのように愛してはいないが。

 いつかは愛するようになるのだろうか?


 スッキリして寝室を出る。

「おはようございます、先生。今日はずいぶんと明るい顔をしてますね」

「おはよう、テオ。グッスリと眠れたのが、よかったんだろう」

「安心しました。ここのところ、酷い顔でしたからね」

「そんなに?」

「ええ」

 まぁ、そうだろうな。

 ロボットのテディーに「今日は部屋に入らないように」と言った。

 彼は理由を訊かなかった。

 テディーに理由など必要ない。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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