↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
落とされ人  作者: カーブミラー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

185/252

【185.練習の成果?】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。

 翌日、目が覚めると、頭痛が酷かった。

 脳の筋肉痛か。

 酷い二日酔いのようだ。

 ベッドから起きようと動いた途端、激しい痛みが頭を襲った。

 うめきながら、マクラに頭を戻した。

 どうしたものか。

 仕方あるまい。

(テオ)

 テレパシーは、頭痛には関係がないようだ。

(はい、先生)

 オレは頭痛に苛まれながらも怪訝に思った。

 テオには、オレがテレパシーを使えることはひと言も言っていない。

 それなのに彼は驚きもせずにふつうに念を返してきた。

(驚かないのかね?)

(先生なら何をしても驚きませんよ。それでどうしました?)

(ああ、頭痛が酷くてね)

(今、行きます)

 彼がドアから入ってきた。

 オレの顔を覗き込む。

「うわっ、酷い顔をしてますね」

「そんなに?」と声を出すと同時に、痛みに襲われ、顔をしかめた。

 声が響いて、痛みが走るのだ。

(声を出さない方がいいみたいだ)

「いったい、何をしたんですか?」と疑いの目を向けるテオ。

(ちょっと脳みそを使いすぎたようだ)

「何をして?」

(秘密)と笑いの念を送る。

 彼は肩をすくめた。

「頭痛薬を用意してきます」

(頼むよ)

 テオはドアのところで振り返った。

「今日の仕事は、風邪でお休み、ということでいいですね」

(そうだね)

「室長にそう言っておきます」

 そう言って、彼は薬を取りに出ていった。


 薬を飲んで、流動食を飲み込んだあと、オレは眠った。

 目覚めたときは、お昼になっていた。

 頭痛は少し残っていたが、起きられないほどではない。

 食欲もある。

 そこでテディーに昼食の用意をさせ、それを食べた。

 それから庭園に出て、ひんやりした空気を吸い込んだ。

 レフティーたちが、こちらを見ている。

(やぁ)

(どうしたの? 朝から出掛けると思っていたけど)とレフティー。

(ちょっとね)

(そう? そうそう、明日の朝に帰ることにしたわ)

(そうか。ゆっくりできたかね?)

(ええ。子どもたちも充分に大きくなったし)

 ヒナの姿を眺め見た。

 羽毛はすでに生え変わり終えて、大人と同じ毛色になっている。

 だが、まだまだ身体は細い。

 羽ばたく筋肉が育っていないのだ。

 帰省の旅のあいだに立派になるだろう。

(小魚は、充分にいるかね?)

(ええ)

(よかった。何か必要なものは?)

(ないわ)

(そうか。君たちがいなくなるとさびしくなるな)

(また来るわよ)

(そうだな)

 寝室に戻り、物送りの練習を少しすると、ふたたびベッドに潜り込んで眠った。


 テオが戻ってきたときには、起きて夕食の準備をしていた。

「もう大丈夫なんですか?」

「ああ。おかげさまでね」

「本当に何をしてらしたんですか?」

「頭の体操。ちょっとやりすぎてしまったよ」

「頭の使いすぎで? あんなに?」

「そういうことだね。さぁ、手伝っておくれ。少し手のこんだものを作っているから」

「はいはい」

 残しておいた下処理を彼に任せる。

「ところで先生」

「ん?」

「テレパシーは、いつから? 落とされる前からですか?」

「落とされてしばらくしてからだよ。〈マニ教〉の師父から教わったんだ」

「〈マニ教〉? スエツグの国の? あそこはそんなこともやっているんですか」

「うん。以心伝心の術だそうだ」

「へぇ。便利ですか?」

「ああ。君に言ってなかったのは、すまないと思ってる」

「いいんですよ。別に責めるつもりもありませんから。私も教わりたいですね」

「やってみるかね?」

「ぜひ」

 調理をしながら、テオに教える。

 彼の念が伝わってくる。

(これで先生とは、いつでも話せますね)

 それに対して、オレは言葉で返した。

「フェイスがつながらなくても、な」

 笑いながら調理を進める。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。