【130.女性だけの村・3】
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女性たちが引っ越してきて、1週間。
もうすでにふつうの女性は町を出ていっていた。
そこへ3台のバスと1台のトラックが到着した。
4台の車のドライバーは、すべて軍の女性兵士。
バスから降りたのも女性ばかり。
そう、心に傷を負いながらも、〈スベルト王国〉で生活を余儀なくされていた女性たちだった。
この町でなら、男を気にせずに生活できるのだ。
トラックには、各種物資が積み込まれていた。
それを倉庫に収めるのは、すでにこの町に住み着いていた女性たちだ。
彼女たちもまだまだ、町には不慣れで、それぞれの仕事にも慣れていない。
その夜は、交流会が催された。
特別なことをするわけではなく、おたがいに自己紹介しての食事会だ。
あとから来た女性たちは、バラバラの場所から来たので、おたがいにどう接したらいいのか、わからないようす。
だからといって、おたがいに共通するのは、男のことだけだ。
そのことが全員、わかっているから、それも話に出せないでいた。
まぁ、追々、仲良くなってくれればいい、か。
翌日から仕事がはじまる。
最初こそは話しづらそうにしていたが、おたがいに知っていることを教え合うように配置しているので、仕事という共通の話題ができたものだから、がんばって話している。
仕事の多くは、ネット経由でもできるものが多い。
ここ独自の仕事もある。
施設の維持管理業務が、それだ。
発電所の運営、倉庫の物資管理、生活棟の維持管理。
野菜工場なども管理が任されている。
オレは、彼女たちのそうしたようすをモニター越しにチェックしている。
できるだけ表に顔を出さないようにしているのだ。
その代わり、そうした役は、ジルに任せている。
彼女は、島でもそうだったように、リーダーシップを執れる女性だった。
落とされる前も、自然とリーダーになっていることが多かった、とジルは言う。
「別に自分からなりたいわけじゃないんだがな」
「そんなものさ。もうしばらくしたら私もいなくなるんだ。君たちでやってもらわんとな」
ジルは、うなずいた。
「わかっている」
2週間もすると、彼女たちの仕事面でも生活面でも、安定してきた。
ジルの下には、それぞれの部署のリーダーがつくようになっていた。
まだ目立った危険行為はない。
女性のイジメは陰湿だ、という説がある。
そうしたことも報告されていない。
とりあえず、オレの出番はしばらくなさそうだ。
そこで、あとをジルに任せ、オレは城に戻ることにした。
「何か問題が起こったら、連絡してくれ。特別なこと以外、報告はいらないからね」
「わかった。ありがとう、パオロ」
「がんばってな」
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