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落とされ人  作者: カーブミラー


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115/128

【115.渡り竜たちの庭園】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。

 我々は、庭園の通路を閉鎖して、人が入ってこられないようにした。

 もともとそこを通る人は少なかったが、それでも閉鎖した方がいいと決めたのだ。

 同時にオレも自室での仕事に切り替えた。

 テオにも友人の部屋で寝泊りを頼んで、渡り竜との接触を避けてもらった。

 渡り竜のメスたちが、巣に座り込むようになったからだ。

 もうすぐ卵を産む。

 彼女たちの過敏になった神経が、人の気配を嫌がるはずだ。

 本来なら、オレも姿を見せない方がいいのだが、陛下の客人を放っておくわけにもいくまい。

 だから日中は、玄関ドアを開けたままにしてある。

 小魚やほかのエサ、オレの食料は、自室につながる搬送チューブを使った。

 渡り竜たちには、余計な気を遣わせたくなかったからだ。


 巣は、五つ。

 それぞれにふたつの卵が産み落とされた。

 オスたちは、メスたちに小魚や昆虫を与えて、卵を温めてもらっている。


 産み落とされて、ひと月後。

 ヒナが卵を割って、出てきた。

 五つの巣から次々と。

 すぐにピーチクパーチクと声を上げるヒナたち。

 オスがメスに昆虫を与えると、それをメスがヒナに与える。

 その作業が何度も繰りかえされる。

 昆虫は、多めに注文しておいた。

 ひとしきり、ヒナにエサを与え終わると、メスとオスが交代した。

 メスたちは、よろよろと巣から出て、池に入った。

 水を飲み、小魚を捕まえ、食べる。

 それから池を出て、ひなたで日光を浴びながら、ウトウトと昼寝についた。

 気が張っていたのだろう、それで疲れていたのだ。


 その後は、前回同様に、ヒナたちの世話が続く。

 ヒナたちは、食べて眠って、また食べてを繰り返す。

 ヒナの性別をチェックして驚いた。

 どの巣もオスとメスなのだ。

 何か理由があるのだろうか?

(それがどうかしたの?)レフティーは、あっさりと答えた。(ふつうのことよ?)

(ほかの(つがい)でも?)

(ええ。卵ひとつの場合ならどちらかだけど)

 環境中にその必要があったのだろう。

 それが遺伝子に組み込まれ、両方の性が同時に生まれるようになった。

 それも記録しておく。

 北方の隣国〈アーズ〉の研究者に送るために。

 その〈アーズ〉も〈スベルト王国〉と提携した、モーガン・チーズのおかげで。

 いずれ、手軽に連絡も取れるようになるだろう。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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