~幕間~その冒険者は遭遇する。
気づいたらpv数が200超えて驚きました。これからもよろしくお願いします。
ゴブリンキングの死亡。
それが確認されたときンカイの森に一番近い街ガルドの冒険者ギルドは騒然としていた。
事の発端は森の出口に突然ゴブリンの巣の調査に向かったまま帰って来なかった冒険者の死体が発見されたことである。
不審に思った冒険者ギルドが調査依頼を発布。そこに調査に向かった冒険者は信じられないものを見つけた。
大量のゴブリンの死体。
ほとんどのゴブリンの胴体は真っ二つにされ、かなりの業物で斬られたのがわかる。ゴブリンジェネラルの死体もあったがその死体だけは首を落とされていた。
さらに洞窟の最深部は屈強な冒険者が吐き気を催すほど凄惨なものだった。
大量のひき肉となった原型のわからない死体がそこらじゅうに広がっていた。恐らく超重量の何かで押し潰された死体。
その中に唯一原型を留めた死体が存在した。
ゴブリンキング。
数多の冒険者が討伐に向かい、返り討ちにしたこの洞窟の王。その王の死因は鋭利なナイフのようなものでうなじから刺されたことによるものだった。これにより何者かがこのゴブリンキングを殺害したことが確定した訳なのだがそのような報告は一度も受けていない。
ここまでなら何者かが腕試しでゴブリンキングを殺し、そのままほったらかしにしたのだろうということで無理矢理納得できた。しかし他にも不思議なことが起こる。
ときたま、森の入り口で気絶している冒険者が発見されるようになったのだ。
その冒険者達には奇妙な共通点が存在した。
誰もが自身がモンスターに敗北し、意識を失ったと思ったらここに運ばれていたのだという。
この報告を聞いた冒険者ギルドは一人の冒険者に指名依頼を発令する。
後に『ゴブリン大虐殺』と呼ばれるこの事件の原因と一連の何者かによる救助活動の調査。
指名されたのはグレン・ボルドー。『風読み』と呼ばれるCランク冒険者だった。
◆◇◆◇◆◇◆
「ふぅ。なーんでこんな面倒な依頼受けさせられるかねぇ。」
「仕方ねぇだろグレン。指名依頼は断ると面倒なペナルティ食らうんだからよ。それについてきてやった俺らに感謝しろよ?」
「本当ですよグレンさん。」
「わーったよ、ケビン。クレス。」
ちっ。本当面倒な依頼受けちまった。
俺はグレン・ボルドー。Cランクになった冒険者だ。『風読み』なんて呼ばれてる。
そんな風に呼ばれる元が今回の依頼の原因となったものだ。
『風読みの魔眼』。こいつは空気の流れを読むことができる魔眼だ。こいつのおかげで俺の放つ矢は百発百中。その上探査もできるなんていう優れもんだ。
今回の依頼はンカイの森のどっかにいるっつー『姿の見えない救命者』とかいうよくわからんもんがいるかどうかの調査だ。そいつはゴブリンキングを殺した上に森で死にかけたやつらを森の出口まで運んでるらしい。すでに何人か出してみたがそれらしいのは見つからなかったようだ。どうやらそいつは隠れるのが上手みたいだな。そんで俺に白羽の矢が立ったっつーわけよ。こんないるのかいねぇのかよくわからんもん探してこいなんて面倒な依頼受けちまったぜ。
その面倒な依頼についてきてくれる頼もしい仲間がいる。ケビンにクレスだ。
ケビンは大剣使いでうちのパーティーの前衛、やかましいが頼りになるやつだ。
クレスは魔法使い。大人しい性格はしているが芯はしっかりあるやつでこのパーティーの頭脳とも言える。
俺たちはこの三年一緒にパーティーを組んで様々な依頼をこなしてきた。今では中堅どころでAランクパーティーも夢じゃないって噂されてる。
そんな感じでギルドに文句ぶーたれつつその何かを探していた訳なんだがーーー
突然、辺りが暗くなった。不審に思い、上を見ると俺たちは血の気を失った。
レッドドラゴン。
ここいらの森には出てくるはずの無い巨大なSランクモンスター。今のところ俺たちはCランクパーティー。勝てるわけがねぇ。
「おいおいおいおいやべぇぞ!」
「にげろにげろにげろぉ!!」
「「「うわぁぁぁぁぁ!!」」」
俺たちはすぐに森を脱出しようも一目散に逃げ出す。その叫び声のせいだろうか。
「グォォォォァァァッ!」
目をつけられた。レッドドラゴンがこっちに来る。
「やべぇやべぇやべぇやべぇ!!」
「ごちゃごちゃ言ってないで走りますよ!!」
「嘘だろおいぃぃぃぃ!」
とにかくドラゴンから逃げ出そうと走る。どれだけ走っただろうか。
いつの間にか崖っぷちに立っていた。
「おいおいおいおいまじかよ」
「あー死んだわこれ。」
「何諦めてんですか!」
いや、無理言うなよクレス。前は崖。後ろにゃドラゴン。どうあがいても絶望なバットエンドだろ。
そんなこと考えているときにはもうドラゴンはこちらに向けてそのクソでかい前足を振り上げていて、俺はちびって目をつぶった。
ドォン!!
爆音がした。最初それはドラゴンの前足が振り下ろされたが運よく外れたもんだと思った。でも違った。
恐る恐る目を開くと、さっきまでいたドラゴンはいなかった。その代わり、
頭の潰れたドラゴンの死体があった。
死体の周りにはなにも見えず、ただドラゴンの頭の部分があるであろうところの地面が大きくへこんでいた。
「「「は?」」」
俺たちは顔を見合わせた。つかお前ら生きてたんだな。
「な、何がおきた?」
「知るかよ」
「グレンさん何か見えないんですか?」
「あ?」
「ほら、魔眼魔眼!」
「あぁ!」
慌てて魔眼を発動する。
「ーーーまじかよ。」
本当に、いやがったのか。
そこには、しっかりと存在していた。
姿の見えない、何かが。
11月5日読みにくかった文章を編集しました。




