洞窟の鏖殺
「・・・穴?」
洞窟は、まだ続いていた。
ゴブリンジェネラルがいた少し奥に人一人が通れそうな穴がある。その奥からは
「ギッギッ」という鳴き声が聞こえてくる。こちらに来る様子はなく、警戒しているようだった。
「ここまで来たら・・・やるしかないよね」
穴の中に飛び込む。そこまで深さはなく、すぐに着地できた。壁面には光るコケのようなものがついていて、最低限の視界は確保できた。
穴の底は結構広く、奥行きがあった。さっきまで聞こえていたゴブリンの騒ぎ声は無くなり、息を潜めているようだった。奥を見てみるとゴブリンたちは密集し、死角を無くすように円陣を組んでいた。その円陣の中心には、やつがいた。
ーーーーーゴブリンキングーーーーー
そいつは大きかったゴブリンジェネラルよりさらに一回り大きく、圧倒的存在感を持ったモンスター。手には大きな剣を持ち。油断無く周囲を見回している。とても正攻法では勝てない相手だ。この円陣に対する作戦を僕は考え、武器を変形させる。
◆◇◆◇◆◇
ゴブリンキングは恐怖していた。突然逃げるように降りてきた見張り役が信じられないことを報告してきたのだ。
自身を除く見張り役の全滅。
突然リーダーであるジェネラルの首が落ちたかとおもったら周りの仲間の胴体が真っ二つにされたというのだ。
見えない何かの襲撃。
そうとしか思えないキングは無い頭で考え、円陣を組ませる。死角を限り無く無くし、自身も警戒を怠らない。どこから来ようと必ず殺す。そう覚悟していた。
その時、背後からいやな気配を感じ、バッと振り返る。その直後。
「ギィァァァァ!?」
絶叫。目の前で自分の部下達が突然潰れていく。まるで見えない何かに押し潰されているように。ゴブリンキングは咄嗟に大剣を前に出す。するとギャリギャリギャリッと何かと擦れるような音がする。
何かいる。ゴブリンキングはそれを確信し、おもいっきり踏ん張り、見えない何かを止めようとする。
踏ん張る足は力で押され、後退させられる。横で潰され続ける己の部下。剣に掛かる力が無くなったと思った時にはもう、自分以外のゴブリンはいなくなっていた。
◇◆◇◆◇◆
驚かされた。まさかあれを力で押さえつけられるとは思わなかった。
僕は武器の形状を巨大なローラーの形にして、一気に押したのだ。自信はあまりなかったのだが、この武器には質量保存の法則など関係無くものすごい重量を持ちあっという間に雑魚の処理ができた。残りはゴブリンキングだけ。
僕はローラーをナイフの形状に直す。イメージ通りに形状は変わり、そこまでの重さも感じさせない。不思議武器だ。
とにかくゴブリンキングに向けて僕は走り出す。さっきの大虐殺のせいかレベルが大幅に上がり、素早く動ける。あとは簡単だ。後ろから回り込んでうなじを刺す。
「ゴフッ」
ゴブリンキングの喉から生えてくるナイフの先端。そのナイフは容易に脊髄を切り離した。ゴブリンキングはそのまま倒れ、びくびくと何度か痙攣した後ピクリとも動かなくなった。
「はー、終わった。」
僕はようやく、ゴブリンの殲滅に成功した。




