ガルドの街と飛ぶカツラ
「やぁ~っとついたな」
グレンさんが言う。今は街の中。何とか森の出口にたどり着いて、数時間かけて街にたどり着いた。
街は外周をぐるっと壁に囲まれていた。街の中は中世の街並みで木とレンガでできた家がならんでおり、衛生技術もしっかり整備されているようで街路にはゴミ一つない。グレンさん曰く街に雇われた浄化魔法使いが綺麗にしてるそうだ。
そんな風に街の説明をうけてるとひときわ大きな建物にたどり着く。入り口には剣と盾の紋章があり、迫力があった。
「ここが冒険者ギルドだ。これからギルマスに報告するんだが、そんときにちょっとイタズラしようと思うんだ。」
その話を聞いたとき、僕のイタズラ心が疼いた。
◆◇◆◇◆◇
ここは冒険者ギルドのギルドマスターの部屋。部屋の中には筋骨隆々な大男のギルドマスターと一人の秘書の女性がいた。そこに新な来客が来る。
「おおーいギルマス!報告にきたぜ!」
ギルマスと呼ばれた男はチラリとそちらを見てため息をつく。
「てめえかグレン。もう調査は終わったのか?早えな。」
「まあな。報告、聞くか?」
「当たり前だろ。早く言え」
ギルドマスターは報告を急かす。
「へいへい。で、あんたはどこまで知ってんだっけ?」
「あの森はこの間ゴブリンの謎の大量虐殺が起こり、姿を現さず死にかけの冒険者を森の出口に置いてくるよくわからんやつがいることくらいだ。恐らくゴブリンを殺したのもそいつだろう。」
「そこまでわかってんならなんで調査させたし。」
「そのよくわからんやつを見つけて引っ張り出してもらいたかったんだよ。」
「そういうことかよ。まぁいい。結果から言う。俺たちのパーティーはそのギルマスが言うよくわからんやつにあったよ。つか今ここにいる。」
「は?」
ギルドマスターは周囲を見る。そこには自分と秘書とグレンだけ。噂の『姿の見えない救命者』はいない。
「信じらんねぇって顔してんなぁ。」
「当たり前だ。見えねぇもんを居るって言われてはいそうですかと信じるわけねぇだろ。」
「それもそうだな。ところでギルマスよぉ。」
グレンが笑いを我慢するような顔をする。
「ーーー何だ?」
「あんた、頭涼しくねぇか?」
「お前なに言ってーーー‼」
ギルドマスターは気づいてしまった。そこにはないのだ。いつも自分の頭皮をカバーしているもの、
カツラが。
「ぶぁはははははははぁ!!」
グレンはギルドマスターの呆然とした顔を見て大笑いしている。いつの間にか取られたカツラはテーブルの上に置かれ寂しそうにしている。それを見て秘書の女性も笑いをこらえて耳まで真っ赤になっている。
「グレン!てめえやりやがったな‼」
真っ赤な顔で怒るギルドマスター。
「ひーはははは!みんな気づいてるっつーの!良かったなぁ!もう隠さなくていいぜ‼」
「てめぇぇぇ!」
と、そこまできてはっとする。グレンはドアの前から一歩も動いてない。秘書ももちろんだ。なら、ここにはもう一人いる。
「おい、マジでいんのかよ・・・」
「おう、そうだ。改めて紹介する。」
ニヤニヤとしたグレンの顔を見ているとギルドマスターの目の前に紙切れが突然ヒラヒラと落ちてくる。それにはこう書かれていた。
『ごめんなさい』
「文字通り『姿の見えない救命者』、クロダだ。」
「まじかよ・・・」
ギルドマスターは自分のカツラを取られた時以上の衝撃にもう、笑うしかなかった。。
ギルドマスターカツラ伝説




