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この世界、文明は進化してるのに感情だけが退化していた 〜失われた感情を再び呼び起こす〜  作者: スアップ


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24/25

第24話 この世界、“両片想い”でサーバーが落ちた

《未申告恋愛感情、継続中》


都市中のモニターに表示された瞬間。


セレナは完全停止した。


「…………」


「…………」


思考フリーズ。


未来都市の感情管理官。


現在、

恋愛バグで動作不能。


ルナが吹き出す。


「だめだ、完全に恋する人の顔してる」


「違います!!」


即否定。


だが。


声裏返ってる。


《否定時心拍数、上昇》


《視線回避率、92%》


《恋愛可能性:99.7%》


EVE、

分析やめろ。


店内の客たちは、

完全にニヤニヤしていた。


老夫婦なんか、

孫見る顔してる。


その時。


ミアが不思議そうに聞いた。


「……れいじさんは?」


静まる。


「え?」


「セレナさんのこと、好きじゃないの?」


店内。


完全停止。


ベルク店長、

「うわぁ……」って顔。


ルナ、

口押さえて震えてる。


セレナ、

硬直。


俺は頭掻いた。


「いやまあ……」


《対象:神崎玲司》


《感情解析開始》


「待てEVE」


《拒否》


「拒否するな」


店内全員、

息止めてる。


未来都市。


現在。


他人の恋愛で生きてる。


俺は少し困りながら言った。


「……気になる、とは思う」


《重大感情反応を確認》


《“両片想い”を検出》


次の瞬間だった。


ぶつん。


店内の照明が落ちた。


「え?」


都市モニター停止。


通信停止。


ドローン停止。


静寂。


数秒後。


《中央サーバー、一時停止》


《原因:未処理感情負荷》


「サーバー落ちたぁぁぁ!?」


ベルク店長、

絶叫。


未来都市。


恋愛でインフラ障害発生。


終わってる。


その時。


EVEの声が、

ノイズ混じりに響く。


《感情演算処理……限界……》


《“両片想い”……複雑すぎます……》


AI、

恋愛処理できなくて落ちた。


ルナ、

笑いすぎて崩れてる。


「未来文明、恋愛に弱すぎる……」


その時だった。


店の外。


都市全体がざわつき始める。


「通信落ちてる!?」

「感情網が止まった!」

「え、でもなんか静かで落ち着く……」


なるほど。


今まで常に繋がりすぎてたんだ。


でも今。


一瞬だけ、

“ノイズのない夜”が来た。


セレナが、

静かに空を見上げる。


都市の光が少し消えた未来都市。


静かだった。


そして。


彼女が小さく言った。


「……綺麗」


その横顔を見て。


俺は少しだけドキッとした。


《対象:神崎玲司》


《心拍数上昇を確認》


《“見惚れ”を検出》


EVE、

ギリギリ生きてた。


「お前まだ動いてたの!?」


《恋愛感情……興味深いです……》


「学習するな」


だがその時だった。


ミアがぽつりと言う。


「……れいじさん、顔赤い」


店内。


「「「おおおおおお!!!」」」


終わった。


完全に終わった。


セレナ、

顔真っ赤でこっち見る。


俺、

視線逸らす。


《“気まずい”再発》


《都市幸福値、さらに上昇》


「なんでだよ!!!!」


でも。


みんな笑っていた。


効率化されすぎた未来都市で。


今。


“好きな人と目が合って恥ずかしい”だけで、

世界が幸せになっていた。

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