アタシの!
「いやはや、お強いですね………おっと持たされた魔導具が……えぇ、はい。ノーブ氏は打倒されました。この死体は私が貰っても?……ありがとうございます」
少々派手にも見える桃色の髪を持つ者がヴァエル達の戦っていた場所にいた。
「承知しました。……私の望むことですか?変わっていませんよ。吸魔族になることです。どうしても、課せられた任務をこなすにはまだ人である必要があるのが不満ですかね……。はい、では……。恐らく、次の彼女の行動は……」
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「レング、すまなかったな」
「何がですか?」
「ワタシは魔法を二つ持っていない。だからそれを混ぜて使う発想が無かった。レングの可能性を狭めていたのはワタシだ」
「そんなこと思ってないですよ!そもそも師匠がいないと俺、死んでますし!」
「そうか、ありがとう」
「それよりも、その腕にくっついてる子って妹さんですよね?なんとかなったみたいで良かったです!」
「あぁ」
洗脳を解くのは少し疲れた。クリスタルの性質を利用して、洗脳に使われたであろう魔力だけを吸収させる。一晩かかったが、やった価値はあっただろう。それで……。
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「おはよう」
「ん……」
ヴェアが目を覚ます。
「久しぶり、元気……ではないだろうけど、生きてて良かった」
「お姉ちゃん……?お姉ちゃん!」
そう言って抱きついてくる。
「ずっと、ずっと寂しかった……!アタシ……アタシ……あ、あれ。アタシ、なんでこんなに大きく……?」
「……!」
……洗脳が行われたのは恐らくワタシが捨てられてからそう時間が経っていないのか。だが、これを伝えるのは少々……いや、随分と酷だ。どうしたものか……。
「……でも、お姉ちゃんがいるならアタシは……うん!もういいや!お姉ちゃん、これからずっと、一緒にいよう!もう、いなくなっちゃ嫌だよ?」
……思ったより大丈夫そう……か?それと、ワタシと生きたいなら言わなきゃいけないことがあるな。人と生きていけるか否か……。
「分かった。ワタシと一緒にいるなら、約束をして欲しいことがあるんだ」
「なんでも守るよ、お姉ちゃん」
「ヴェア、人と共に生きていけるかな?もちろん、酷いことを言っているのは知っている。人は重要な栄養源であるから……」
「うん!できるよ!そもそもアタシ、人食べたことないもん」
それでこの体格差……?妹に嫉妬するのは姉としてしたくは無いが、少し羨ましいな。まぁ、それなら。
「分かった。それなら、明日紹介したい子がいる」
「うん!お姉ちゃんの下僕なら、アタシも信頼できる!」
「いや……そういうのでは無いぞ?」
もれなく全ての人は下。それが魔族での普通だ。お勉強だな。
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「ほら、挨拶」
「は……初めまして、ヴェアと言います」
「うん!初めまして、レングと言います!よろしくね!……いやぁ、本当に治って良かったです!」
「あぁ、そうだな。これから一緒に行動するんだ。仲良くしてくれよ……ん?」
ヴェアがワタシを隠すように前に出る。
「……アタシの……アタシの方が……先にお姉ちゃんと一緒にいたんだからね!馴れ馴れしくしないで!」
「……あぁ!そういうことか……うん、俺は貴方のお姉さんはとったりしないよ。でも、俺の魔法の師匠だ」
「……!!!お姉ちゃん!アタシにも魔法!」
「……後々教えようと思ってたよ」
「フフン、聞いた?アタシのお姉ちゃんで、アタシの魔法の師匠なの。ア!タ!シ!の!」
「……へえ」
なんだかバチバチしているが……うん、話をしないより……良い、はずだ。




