第206ターン まじくんのタフな指導、シャアッ!
格ゲーマーの始祖、日乃本 尊。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾!
格ゲー三本の矢、あるいは格ゲー憲法の三大原則は"間合い管理"と、"攻守のテンポ"、そして"読み合い"である。
港区マリーから学んだ"間合い管理"を活かして弾打ちで相手に圧をかける純の操る武道家リョウ。ところが究極のミラーマッチ、闇堕ちリョウが同じ間合い、同じ技で反撃してきた。
「ど、どないしたらええんや、オバハン師匠ッ!」
純を兄事する浪速っ子人情派の阪田万吉少年が師弟の契りを結んだ港区マリーに助けを求めると、ここはワシの出番じゃとあの男が一歩前に出る。
胆力の門で大胆さに裏打ちされたテンポの良い攻守で純や万吉にリスクを取ることの重要さを教えた、あのまじくんが赤いキャップを逆さにむけて、いわゆるバックトゥフロントで純のセコンドを買って出る。
「オイッ、純!まずは垂直ジャンプでかわしておけ!潮を待つんじゃあ。」
まじくん最初の指示はやや混乱状態に陥っているであろう、純を落ち着かせる声かけだった。
「胆がすわっとるとか言うてもな、それには慣れとコツがあるもんじゃ。」
まじくんは独りごちると、人の弱さなんてのは皆、似たり寄ったりと、付け加えた。
「オイッ、まじレンジャー!おめえが言う、テンポってなんだよ?これからどう攻めんだよぉ!」
繰り返し垂直ジャンプで急場を凌ぐ純・リョウだが、このままタイムアップとなれば闇堕ちリョウを下すこと出来ない。
「まず、バクステじゃ!ギリのバクステしてみい!」
まじくんの指示どおり、僅かなバックステップで若干後退する純・リョウ。すると画面端への押込みを意図した闇堕ちリョウが距離を詰める。
「距離を空けた分だけ近づいてくる也か、、間合いを変えたが、、相手も手練れか!」
チーム夢原において最も技術論に明るい比留多 恭介が舌打ちする。
「リスクを取って相手に穴を穿つ。その為には誘い水が要るんじゃ。」
純!ええか、どうやったら今の等間隔を変えれる?頭フル回転して考えてみい!
究極の状況で自ら思考し判断することを純に求めるまじくんのタフなコーチング。果たして純は解を見いだせるのか?シャアッ!
つづく
人物紹介
・日乃本 純 ひのもと じゅん
本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。
・む〜ど
純が属するチーム夢原のヘッドコーチ。日頃はちょっとエッチなお兄さん。実は人格者のプロゲーマー候補。
・mako まこ
純が属するチーム夢原の女コーチ、長い睫毛が印象的なチームのアイドル。北大阪出身の理系女でもある。プロになるか大学に残るか思案中。
・クー子 くーこ
純の親友。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。本作では他ゲームからのゲストキャラ、舞妓を使う。
・花崎 蘭子 はなさき らんこ
高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さは病のレベル。
・比留多 恭介 ひるた きょうすけ
元蘭子の親衛隊長。ニヒリストを気取り文学をこよなく愛する格ゲーマー。一人称は小生。変な髪型の米兵、ゲイルの遣い手。
・佐久間 柚葉 さくま ゆずは
盛岡のフリースクール、リスタートゲーミングの不思議系エースプレイヤー。比留多に強い敵意を抱く。ムエタイ戦士のガッドや米兵ゲイルの遣い手。元ヤンでもある。
・先生 せんせい
リスタートゲーミングの主催者。行き場のない若者達をゲームで連帯させ、社会復帰させるNPO活動をしているのだが、、
・阪田 万吉 さかた まんきち
大阪の格ゲーチーム、難波ドテRISEの切り込み隊長。キャラのジャンプ力を活かした通天閣殺法が得意。苦労人のようだ。
・アンコールズ あんこーるず
格ゲー常任理事国のエースプレイヤー。元地下アイドルで格ゲープレイヤーとしてメジャーデビューを目論む妄想癖のJK。口癖は「アタシの想像力では〜」
・日乃本 尊 ひのもと たける
純とその姉の音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。純は既に死んだと聞かされていたが、、、




