第203ターン オレっち、格ゲー三本の矢を思い出す
格ゲーマーの始祖、日乃本 尊。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾!
「こ、これは煽ってるノダ!純を挑発してるノダ!」
クー子の怒りもよく分かる。なんと闇堕ちリョウが画面を左右に瞬間移動しているではないか。あれは獣人オジサン、剛仁の得意技、阿羅漢浮遊だ。
「コノヤロ、、なめんじやあねぇ!」
純・リョウが挑発に乗ってしまい大技の大飛龍拳を放つが、立ち回りのない見え見えの直截なコマンド技は相手にとってはガード&確定反撃のイージーミッション、餌食となる。リョウの体力ゲージがあと20%くらいになる。
「マズい、なんとか策を考えなくては、、」
チーム夢原のヘッドコーチ、む〜どが打開策を珍しく名案が浮かばない。そこに意外な人物から純にエールが飛ぶ。柚葉が苦しそうに喘ぎながら話す。
「純、アタシ達は、、ゼェゼェ、この地下迷宮で何を学んだ?ゼェゼェ、、」
「何をってよお、、」
「腕力の門では、高火力の技を出す前の"慎重さ"を、ダロっ。」
体力の門の番人、港区マリーが純に代わって答える。するとゲーセンヤンキー・マジくんが続く。
「胆力の門ではリスクを恐れぬ"大胆さ"じゃ。」
「そして最後の関門、知力の門では何を学んだ?」
アイスマンことIQゲーマーきどきの問いに純は目を覚ましたかのように力強く答える。
「それは相手の動きを見ること、識ること、"賢さ"だッ!!」
言い換えれば、"慎重さ"は間合い管理、"大胆さ"はテンポの良い攻め、そして、"賢さ"は相手の動きを読むこと。これが格ゲー三本の矢だ。
「ウチらはそれを学ぶ為にこの地下迷宮に送られたんだよ、ゼェゼェ、だから、」
この三つを組み合わせた攻め口を組み立てれば、闇堕ちリョウに勝てるかも知れない!
柚葉そう絶叫すると突伏し、先生の膝の上に倒れ込んでしまった。
つづく
人物紹介
・日乃本 純 ひのもと じゅん
本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。
・む〜ど
純が属するチーム夢原のヘッドコーチ。日頃はちょっとエッチなお兄さん。実は人格者のプロゲーマー候補。
・mako まこ
純が属するチーム夢原の女コーチ、長い睫毛が印象的なチームのアイドル。北大阪出身の理系女でもある。プロになるか大学に残るか思案中。
・クー子 くーこ
純の親友。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。本作では他ゲームからのゲストキャラ、舞妓を使う。
・花崎 蘭子 はなさき らんこ
高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さは病のレベル。
・比留多 恭介 ひるた きょうすけ
元蘭子の親衛隊長。ニヒリストを気取り文学をこよなく愛する格ゲーマー。一人称は小生。変な髪型の米兵、ゲイルの遣い手。
・佐久間 柚葉 さくま ゆずは
盛岡のフリースクール、リスタートゲーミングの不思議系エースプレイヤー。比留多に強い敵意を抱く。ムエタイ戦士のガッドや米兵ゲイルの遣い手。元ヤンでもある。
・先生 せんせい
リスタートゲーミングの主催者。行き場のない若者達をゲームで連帯させ、社会復帰させるNPO活動をしているのだが、、
・阪田 万吉 さかた まんきち
大阪の格ゲーチーム、難波ドテRISEの切り込み隊長。キャラのジャンプ力を活かした通天閣殺法が得意。苦労人のようだ。
・アンコールズ あんこーるず
格ゲー常任理事国のエースプレイヤー。元地下アイドルで格ゲープレイヤーとしてメジャーデビューを目論む妄想癖のJK。口癖は「アタシの想像力では〜」
・日乃本 尊 ひのもと たける
純とその姉の音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。純は既に死んだと聞かされていたが、、、




