第202ターン 闇堕ちリョウ、煽りの瞬間移動!
格ゲーマーの始祖、日乃本 尊。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾!
飛龍拳がクリーンヒット!闇堕ちリョウが吹っ飛んでもんどり打つ。
「ええで、純さん!これで流れが変わったでえ!」
在阪の苦学生、阪田 万吉少年がやんやの歓声を送るとそれに応えるかのように純・リョウが得意のコンボ、立ち中P、しゃがみ中P、そして連続回転回し蹴り、烈風脚を御見舞いする。
この攻勢に焦ったのか、闇堕ちリョウがクリティカル・ヒットを狙い放つ。これを既のところで、ガードするリョウ。果たしてガードは僅かの差で闇堕ちリョウの攻撃を上回る。
が、安心出来ない、落ち着いてはいられない。ダメージは回避したものの、ぐらつく純・リョウに闇堕ちリョウが反撃の暇を与えない。
「クッ、この闇堕ち野郎、、すごい圧だ。技を挟む余地がねぇ!」
純が悲鳴を上げるがそれも致し方ない。なんせ、ほんの僅かな隙も与えないかのような
技のラッシュだ。
「安いよぉ、純クン安いよ!」
「純坊、相手は手数に頼り始めているで!ここは耐え時や!」
む〜どとmako。チーム夢原の選任コーチ達がエールと指示を我らがエースに送ると純はガード後の投げ択に果敢にチャレンジする。
「投げで割り込むッち!!食らえ、巴、、」
が、投げが挟めない。本来なら純・リョウの有利フレームのはずが、一向に相手方、すなわち闇堕ちリョウのターンが終わらない。
「あんにゃろ、ザ・神経症!しゃがみ小K連発ナノだ!!」
クー子が憎々しげに舌打ちすると、シニカルNo.1の比留多 恭介も斯くのように毒づく。
「あの秘技15連射のスキルをこのような吝い技に落し込むとは!まさに闇堕ち、堕落ゲーミング也!」
が、そんなクー子らの思春期的な批判を他所に純・リョウの体力を削り続ける闇堕ちリョウの優先は続き、ついにはまさかのあの技まで登場する。
「なんやて!この闇堕ちリョウは、あの獣人オジサン剛仁のワープ殺法までやりよるでえ!!」
万吉少年の驚愕の声が地下迷宮に響くと壁スクリーン上では、闇堕ちリョウが右に左に瞬間移動を繰り返しては大苦戦の純を虚仮にするのであった。
つづく
人物紹介
・日乃本 純 ひのもと じゅん
本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。
・む〜ど
純が属するチーム夢原のヘッドコーチ。日頃はちょっとエッチなお兄さん。実は人格者のプロゲーマー候補。
・mako まこ
純が属するチーム夢原の女コーチ、長い睫毛が印象的なチームのアイドル。北大阪出身の理系女でもある。プロになるか大学に残るか思案中。
・クー子 くーこ
純の親友。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。本作では他ゲームからのゲストキャラ、舞妓を使う。
・花崎 蘭子 はなさき らんこ
高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さは病のレベル。
・比留多 恭介 ひるた きょうすけ
元蘭子の親衛隊長。ニヒリストを気取り文学をこよなく愛する格ゲーマー。一人称は小生。変な髪型の米兵、ゲイルの遣い手。
・佐久間 柚葉 さくま ゆずは
盛岡のフリースクール、リスタートゲーミングの不思議系エースプレイヤー。比留多に強い敵意を抱く。ムエタイ戦士のガッドや米兵ゲイルの遣い手。元ヤンでもある。
・先生 せんせい
リスタートゲーミングの主催者。行き場のない若者達をゲームで連帯させ、社会復帰させるNPO活動をしているのだが、、
・阪田 万吉 さかた まんきち
大阪の格ゲーチーム、難波ドテRISEの切り込み隊長。キャラのジャンプ力を活かした通天閣殺法が得意。苦労人のようだ。
・アンコールズ あんこーるず
格ゲー常任理事国のエースプレイヤー。元地下アイドルで格ゲープレイヤーとしてメジャーデビューを目論む妄想癖のJK。口癖は「アタシの想像力では〜」
・日乃本 尊 ひのもと たける
純とその姉の音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。純は既に死んだと聞かされていたが、、、




