第201ターン 闇堕ちリョウVSリョウ、始まる
格ゲーマーの始祖、日乃本 尊。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾!
レディ、ファイ!!
闇堕ちリョウを迎え撃つ我らが熱血格ゲーマー純が操る武道家リョウ。リョウ対リョウの究極のミラーマッチに百戦錬磨のむ〜どやmakoでさえ試合展開は読めない。
と、いきなり闇堕ちリョウがドライブダッシュで純・リョウとの距離を詰める。速い、速すぎる!
純・リョウはこれに反応しきれず中Kを食らい後退りしてしまう。
「ワッワッ!純のリョウが画面端まで運ばれたノダ!」
クー子が驚きの声を上げたが完全に画面端まで追い詰められた訳ではない。が、いきなりの一撃に純・リョウの体力ゲージが10%くらい削られてしまう。
「こりゃ一気呵成に来られて画面端まで追い込まれるでぇ!純さん、要チェックや!」
難波ドテRISEの切り込み隊長、五分刈の苦学生万吉クンが純にサポートを入れるが豈図らんや、闇堕ちリョウが画面中央あたりで見慣れぬ奇行に出る。
「センシン!センシン!センシン!」
闇堕ちリョウが奇声を発しながら、あたかも空手の立礼のような仕草を連発する。
「な、なんや?闇堕ちリョウの身体の周りに黒い気、邪気みたいなのがまとわりついてるでぇ!」
「ち、違う!あのポーズはハッスルポーズなのダ、ハッスル、ハッスル!」
万吉少年に見当違いなアンサーのプロオタ・クー子。でもそのマニアックなノスタルジィは物知り少年にさえ空振りだった。
「純坊、危ない!強烈な鬼流拳が来るよ!」
純の第一コーチmakoが叫んだ瞬間に邪念が強化された飛び道具、鬼流拳が弾打ちされた。
「そんなら、これで捌かせてもらうぜぇ!」
強化鬼流拳に対してパリィで受け流そうとする純。が、これが捌けず直撃を食らい、純・リョウの体力ゲージがグッと減る。
「な?ちょいとおかしいんじゃないかい!なんで捌けないのさ!」
港区マリーが誰に向かってか抗議の声をあげると、
「クリスマス商戦に合わせたバト3は発売されて未だ一ヶ月も経ってない。明かされていない仕様はあるようだな。」
ここは知力の門番、IQゲーマーきどきがアイスマンの呼び名どおり冷静に状況を分析する。さて次はどう出てくるか、、
闇堕ちリョウが またしてハッスルポーズならぬセンシンタイムに没入する。
「センシンって何ナノだ?」
専心、おそらく一意専心のこと也と、チーム夢原プレイヤー随一のボキャブラ王、比留多 恭介がクー子に答える。気力を高める、そんなところ也。
「オイッ、makoちゃん、破廉恥河童!何か対策はねぇのかよぉ?!」
純がコーチ陣に指示を求めるがまたしても強化鬼流拳が純・リョウを襲う。その時だった!
「あ、あれはパーパリ!パーフェクトパリィや!!」
万吉少年が叫ぶ。偶然か、チーム夢原の面々と格ゲーマーフェイマスファイブが目にした光景は、強化鬼流拳を完全パリィしてみけた純・リョウの雄々しい姿。
そしてその反撃として、純・リョウの気流拳が強化されて闇堕ちリョウに放たれると、やや無防備だった闇堕ちリョウにクリーンヒットする。
するとすかさず純はドライブダッシュを仕掛けて闇堕ちリョウとの距離を一気に詰める。そして、、
中P→中P→そしてジャンピングアッパーカット、リョウの十八番、飛龍拳が闇堕ちリョウに放たれた!
つづく
人物紹介
・日乃本 純 ひのもと じゅん
本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。
・む〜ど
純が属するチーム夢原のヘッドコーチ。日頃はちょっとエッチなお兄さん。実は人格者のプロゲーマー候補。
・mako まこ
純が属するチーム夢原の女コーチ、長い睫毛が印象的なチームのアイドル。北大阪出身の理系女でもある。プロになるか大学に残るか思案中。
・クー子 くーこ
純の親友。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。本作では他ゲームからのゲストキャラ、舞妓を使う。
・花崎 蘭子 はなさき らんこ
高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さは病のレベル。
・比留多 恭介 ひるた きょうすけ
元蘭子の親衛隊長。ニヒリストを気取り文学をこよなく愛する格ゲーマー。一人称は小生。変な髪型の米兵、ゲイルの遣い手。
・佐久間 柚葉 さくま ゆずは
盛岡のフリースクール、リスタートゲーミングの不思議系エースプレイヤー。比留多に強い敵意を抱く。ムエタイ戦士のガッドや米兵ゲイルの遣い手。元ヤンでもある。
・先生 せんせい
リスタートゲーミングの主催者。行き場のない若者達をゲームで連帯させ、社会復帰させるNPO活動をしているのだが、、
・阪田 万吉 さかた まんきち
大阪の格ゲーチーム、難波ドテRISEの切り込み隊長。キャラのジャンプ力を活かした通天閣殺法が得意。苦労人のようだ。
・アンコールズ あんこーるず
格ゲー常任理事国のエースプレイヤー。元地下アイドルで格ゲープレイヤーとしてメジャーデビューを目論む妄想癖のJK。口癖は「アタシの想像力では〜」
・日乃本 尊 ひのもと たける
純とその姉の音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。純は既に死んだと聞かされていたが、、、




