第199ターン 昭和未解決ファイル 裏技生成の謎
格ゲーマーの始祖、日乃本 尊。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾!
15連射の達人、ハシタカ名人の伝説のコントローラーをアンロックする闘い。
この最終戦に臨む我らが熱血格ゲーマー純とそのプレイキャラ、武道家リョウに立ちはだかったのはなんとリョウ、それも闇堕ちしたリョウだ。
「リョウの飛び道具、弾打ちが"気流拳"なら闇堕ちリョウの弾打ちは"鬼流拳"しかもその火力は倍するらしい、、」
IQゲーマーきどきが闇堕ちリョウの一端を語れれば、おそらく闇堕ちキャラの実存に最も情報を持っているであろう事情通む〜どが補足する。
「ローバト*シリーズのキャラそれぞれに闇堕ちキャラがいるとは噂されていたが、この場面で、しかもハシタカ名人像がそのキャラを使うなんて、、」
ローバトラー...ロードバトラー。本作中の架空の格闘ゲーム。
「運営さんもやってくれるやないけ。まさか闇堕ちキャラを一揃えしてるなんてな。」
万吉少年が震えながら強がってみせるが、元気・勇気・勝利をテーマにしたローバトの王道路線にグロ要素が織り込まれていたことに正直、狼狽えている。
「何の為に開発スタッフは闇堕ちキャラを仕込んだのか、、そしてどの条件が揃えば闇堕ちキャラどもが現れるのか、、」
と、チーム夢原のヘッドコーチむ〜どが思案顔を擦ると、さっきまで黙っていたmakoがにわかに口を開く。
「、、仮に闇堕ちキャラが"裏技"みたいなものだったら、ハシタカ名人世代に親和性が高いわ。黎明期のゲーム界で生まれた"裏技"はそもそも仕込まれたものなのか、それとも、、」
おいおい、makoちゃんと港区マリーが眉間を曇らせて割って入る。
「まかさ、あのハナシかい?"裏技"は偶然に自然発生的に生まれたっていう都市伝説?」
「その後は意図的にプログラムに組み込まれてある種のお楽しみになったのはハッキリしているけど、その始まりは謎で、、」
そうmakoが繋ぐとゲーセンヤンキーまじくんがさらに続ける。
「その謎とハシタカ名人の偉業、そしてその後の蒸発は何か関係があるのか。そして伝説のコントローラーにもいわれがあるのか、、」
格闘ゲーフェイマスファイブの間で闇堕ちキャラを巡る憶測がとめどもなく巡るが、リョウと闇堕ちリョウの対戦はまさに始まろうとしている。
レディ〜ファイ!!
つづく
人物紹介
・日乃本 純 ひのもと じゅん
本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。
・む〜ど
純が属するチーム夢原のヘッドコーチ。日頃はちょっとエッチなお兄さん。実は人格者のプロゲーマー候補。
・mako まこ
純が属するチーム夢原の女コーチ、長い睫毛が印象的なチームのアイドル。北大阪出身の理系女でもある。プロになるか大学に残るか思案中。
・クー子 くーこ
純の親友。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。本作では他ゲームからのゲストキャラ、舞妓を使う。
・花崎 蘭子 はなさき らんこ
高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さは病のレベル。
・比留多 恭介 ひるた きょうすけ
元蘭子の親衛隊長。ニヒリストを気取り文学をこよなく愛する格ゲーマー。一人称は小生。変な髪型の米兵、ゲイルの遣い手。
・佐久間 柚葉 さくま ゆずは
盛岡のフリースクール、リスタートゲーミングの不思議系エースプレイヤー。比留多に強い敵意を抱く。ムエタイ戦士のガッドや米兵ゲイルの遣い手。元ヤンでもある。
・先生 せんせい
リスタートゲーミングの主催者。行き場のない若者達をゲームで連帯させ、社会復帰させるNPO活動をしているのだが、、
・阪田 万吉 さかた まんきち
大阪の格ゲーチーム、難波ドテRISEの切り込み隊長。キャラのジャンプ力を活かした通天閣殺法が得意。苦労人のようだ。
・アンコールズ あんこーるず
格ゲー常任理事国のエースプレイヤー。元地下アイドルで格ゲープレイヤーとしてメジャーデビューを目論む妄想癖のJK。口癖は「アタシの想像力では〜」
・日乃本 尊 ひのもと たける
純とその姉の音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。純は既に死んだと聞かされていたが、、、




