第197ターン しんがり登場!オレっち最終戦に挑む
格ゲーマーの始祖、日乃本 尊。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾!
豪放磊落、そしてド助平。力士の王道?をいくエド主水。そのエドに反撃を加えワンサイドゲームと思われた対戦の潮目を変えてみせた柚葉・ジュリー。
が、柚葉がまたしても咳き込んでプレイを続行することが出来ない。"先生"が駆け寄って柚葉の背中を懸命に擦り手当するが、その間に姑息で無慈悲なデブの十八番が炸裂する。
うりゃりゃりゃああ!エド主水の千ツッパリがハシタカ名人15連射バージョンで切れ目なく途切れることなくジュリーに降り注ぐ。そして最後はサバ折りでジュリーを抱きしめるハラスメント攻撃。
あーあ、、くだらねぇ、、不良少女が断末魔の呟きと共に地に伏せると百貫デブはごっつぁんです!とまあ腹の立つ決め台詞で見得を切る。エド主水、ウィン!
この地下迷宮での特訓、そしてその報酬としてのハシタカ名人コントローラー。しかもそのコントローラーのアンロックが外界への脱出口になるという込み入った状況。
「も、もしも純サンが勝てなかったらこの地下道から出れへんのかなぁ、、」
五分刈りの天使、阪田 万吉くんが不安そうに呟くと我らが熱血格ゲーマー、チーム夢原のエースが意気軒昂に宣言する。
「オイッ、万吉ちゃん、心配するんじやあねえ!オレっちはロートル名人の15連射なんかへのへのカッパっち!」
「純、油断は大敵なのダ!もしおヌシが負けちゃったらもう、アタイらは生き埋めなのダ!アタイは彼氏も作れずに、、うぅッ、」
何嘘泣きしてんだよ!下町の太陽ことクー子の小芝居にカラッとした小気味いいツッコミを入れる根アカの格ゲーマー。クー子がバレたかと舌を出せば二人で呵々大笑するお決まりのタイムライン。
「二人はホンマにええ子らや。どんな状況でもいつも明るいわ。」
呆れたような声を上げながらも、長い睫毛のコーチmakoが我が子でも見るかのように目を細めると情に厚い港区マリーも本当にねぇ、と肩を揺する。
純とクー子、児童クラブからの盟友はこれまで幾多の困難を乗り越えてきた経験値がある。必ずも恵まれた家庭に育ったわけではない二人は苦しい時には明るく笑うことが何よりもの処方箋になることを身体で知っている。
苦労人と言えば万吉少年も右に同じで、そんな純とクー子に強い連帯感を抱きつつある。そして、店をたたんで地元を離れた柚葉。
格ゲー日本代表Jr候補は今、闘いを通して一つのチームになりつつある。ハシタカ名人像?との対戦に連敗し、後がないチームJr候補。殿がいよいよコントローラーを握る。
「よぉし、じゃオレっちの出番だよな?なぁmakoちゃん、エロガッパ、作戦を頼むぜえ!」
そう言うと純はコントローラーをカチャカチャと鳴らせ、いつものとおりプレイキャラには武道家リョウを選ぶのであった。
つづく
人物紹介
・日乃本 純 ひのもと じゅん
本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。
・む〜ど
純が属するチーム夢原のヘッドコーチ。日頃はちょっとエッチなお兄さん。実は人格者のプロゲーマー候補。
・mako まこ
純が属するチーム夢原の女コーチ、長い睫毛が印象的なチームのアイドル。北大阪出身の理系女でもある。プロになるか大学に残るか思案中。
・クー子 くーこ
純の親友。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。本作では他ゲームからのゲストキャラ、舞妓を使う。
・花崎 蘭子 はなさき らんこ
高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さは病のレベル。
・比留多 恭介 ひるた きょうすけ
元蘭子の親衛隊長。ニヒリストを気取り文学をこよなく愛する格ゲーマー。一人称は小生。変な髪型の米兵、ゲイルの遣い手。
・佐久間 柚葉 さくま ゆずは
盛岡のフリースクール、リスタートゲーミングの不思議系エースプレイヤー。比留多に強い敵意を抱く。ムエタイ戦士のガッドや米兵ゲイルの遣い手。元ヤンでもある。
・先生 せんせい
リスタートゲーミングの主催者。行き場のない若者達をゲームで連帯させ、社会復帰させるNPO活動をしているのだが、、
・阪田 万吉 さかた まんきち
大阪の格ゲーチーム、難波ドテRISEの切り込み隊長。キャラのジャンプ力を活かした通天閣殺法が得意。苦労人のようだ。
・アンコールズ あんこーるず
格ゲー常任理事国のエースプレイヤー。元地下アイドルで格ゲープレイヤーとしてメジャーデビューを目論む妄想癖のJK。口癖は「アタシの想像力では〜」
・日乃本 尊 ひのもと たける
純とその姉の音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。純は既に死んだと聞かされていたが、、、




