第196ターン 不良少女、猥褻力士に反撃!
格ゲーマーの始祖、日乃本 尊。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾!
ハシタカ名人伝説の裏技、18連射ならぬ18連打の雨を降らせるエド主水。これをまともに食らったかに見えた柚葉・ジュリー。
「おッ!柚ッちの奴、ガードしてるじゃあねえか!」
純が歓声を上げる。ここが狙い目、小パンを挟んで連打、コンボに繋ぐ橋頭堡、柚葉はここが狙い目を小パンの挟むムーブ。
しかし、通常のフレーム理論が通用しないのがハシタカ名人像?が操るエド主水。前の対戦でも見せた追加の連打攻撃、18連射第2弾がジュリーを襲わんとした時、
「お、垂直ジャンプか、ナイスじゃ柚葉!」
柚葉の心のメンター、ゲーセンヤンキーまじくんが手を叩くと柚葉にプラトニックな比留多 恭介も柄にもなく熱くなる。
見事にエド主水の二の矢をかわした柚葉・ジュリー。再びエド主水から距離をとって、不規則なジャンプで攻撃の隙を穿つ。が、その牽制に今度はエド主水が慣れてきたようだ。
どぉすこいっ!人間魚雷の頭突きは攻撃ではなく距離を詰める為の方便、ジュリーに近づくとまたしても千ツッパリでうりゃりゃ〜!と仕掛けてくる。なんとも暑苦しい、不快指数の高いバトラーだ。
これをさっきと同じ要領でガードしてしのぎ、ジュリーが垂直ジャンプで回避した時、なんとエド主水も同時にジャンプしてくるではないか!
そして、空中でフライングボディプレス、まるでルチャリブレの名手のような空中殺法をジュリーにお見舞いしてその体力をグッと削り、尻を使ってのいわゆるヒップドロップで華奢なジュリーに乗っかかり体力を奪っていく。どんなもんじゃい!
「一度のやりとりで次の選択を簡単に予測してしまうなんて、、流石に名人の魂を宿してるわ、」
チーム夢原の名伯楽、そして現役のプレイヤーでもあるmakoが悔しそうに独りごちる。それでも柚葉は諦めない。その執念はどこから来るのか、やはり比留多への反発か、それとも、、
「ゆ、柚葉!その垂直ジャンプは又エド主水に狙われるッ!」
3度目となるジュリーの垂直ジャンプ、待ってましたとばかりに助平力士がジャンプすると、、
「あ、あれは苛烈脚!ジュリーの空中投げコマンドだ!!」
「く、空中で先に投げコマンドを入れたんじゃ!」
む〜どとまじくんが驚きの声を上げたのも無理もない。 エド主水の体力ゲージがグッっと減る。
なんと柚葉はエド主水を垂直ジャンプで空中に誘い、脚を使って組み伏せ、そして背中を繰り返し踏みつけるフットスタンプ、苛烈脚を繰り出したのだ!
チャンスだ!皆がそう思った瞬間、なんとまたしても、、
「ゲホッ、ゲホゲホッ、、」
激しく咳き込んだ柚葉の掌からコントローラーが零れ落ちる、、、
つづく
人物紹介
・日乃本 純 ひのもと じゅん
本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。
・む〜ど
純が属するチーム夢原のヘッドコーチ。日頃はちょっとエッチなお兄さん。実は人格者のプロゲーマー候補。
・mako まこ
純が属するチーム夢原の女コーチ、長い睫毛が印象的なチームのアイドル。北大阪出身の理系女でもある。プロになるか大学に残るか思案中。
・クー子 くーこ
純の親友。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。本作では他ゲームからのゲストキャラ、舞妓を使う。
・花崎 蘭子 はなさき らんこ
高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さは病のレベル。
・比留多 恭介 ひるた きょうすけ
元蘭子の親衛隊長。ニヒリストを気取り文学をこよなく愛する格ゲーマー。一人称は小生。変な髪型の米兵、ゲイルの遣い手。
・佐久間 柚葉 さくま ゆずは
盛岡のフリースクール、リスタートゲーミングの不思議系エースプレイヤー。比留多に強い敵意を抱く。ムエタイ戦士のガッドや米兵ゲイルの遣い手。元ヤンでもある。
・先生 せんせい
リスタートゲーミングの主催者。行き場のない若者達をゲームで連帯させ、社会復帰させるNPO活動をしているのだが、、
・阪田 万吉 さかた まんきち
大阪の格ゲーチーム、難波ドテRISEの切り込み隊長。キャラのジャンプ力を活かした通天閣殺法が得意。苦労人のようだ。
・アンコールズ あんこーるず
格ゲー常任理事国のエースプレイヤー。元地下アイドルで格ゲープレイヤーとしてメジャーデビューを目論む妄想癖のJK。口癖は「アタシの想像力では〜」
・日乃本 尊 ひのもと たける
純とその姉の音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。純は既に死んだと聞かされていたが、、、




