第191ターン 閉じ込められた格ゲーマー達
格ゲーマーの始祖、日乃本 尊。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾!
さあて、お次のプレイヤーは?と、"先生"がフレッシュゲーマー達に水を向ける
。この地下迷宮での特訓の対価、かのハシタカ名人に謂れのあるコントローラーをゲットするのは誰だ?
「ちょい待ち!先生、ハナシを勝手に進めんといて。」
ストップをかけたのは長い睫毛の女子格ゲーマー、チーム夢原のコーチmakoだ。これに同じくチー夢のヘッドコーチむ〜どが続く。
「みんな、トレーニングはもう十分だ。引き返して帰えろう。」
「?何でだよ?鳳啓助。ハシタカ名人のコントローラーは伝説級らしいぜ、欲しいじやあねえか。」
我らが実直格ゲーマー純が不思議そうに言う。何故ここで切り上げて戻らなくてはならないのか、理由が分からない。
「純坊、細いハナシは後でするわ、とにかくこの地下道から脱出するんや!」
いつに無い強い調子でコーチmakoに諭される純たち格ゲー日本代表Jr。大人に凄まれると肯かざるを得ない高校生達。
純が、分かったよmakoちゃん。そんなに怖い顔しなくても、、と零して見せた時、突如として轟音が鳴り響き、そして凄まじい横揺れが純たちを襲った!
「ワッワッワッ!何、地震ナノだぁ??」
「な、なんで御座いますのぉ!アタクシ聞いて無いぃ〜!」
恐怖のあまり、宿敵のクー子と蘭子が抱き合って身をひそめる。比留多が柚葉に、万吉少年が車椅子の純に、それぞれ覆い被さって必死に庇う。
轟音は止んだ。ゲーセンヤンキーまじくんとIQゲーマーきどきが後方を振り返る。そして港区マリーが驚きの声を上げる。
「み、見なよ!後ろの道が、引き返す道が閉ざされたよ!」
なんと先ほどの地震?で出口に繋がる道は閉ざされてしまったようだ。これでは元の道を引き返すことが出来ない。
「ぎぁああぁあぁ〜!!」
そこに追い打ちをかけるように幼児の泣き声が!あのヨミノナビ丸が現れて泣きじゃくっているではないか。
「怖いよぁ〜暗いよぉ〜帰りたいよぉ〜」
美豆良を振り乱し、赤子のように泣き喚く。幼児とは思えない、おナマな口をきくナビ丸が年齢相応の振る舞いで純たちを驚かせ、閉口させる。
進退窮まった純が正面を見据えると、ハシタカ名人の巨像が握るファミコンのコントローラーがちょうど人が一人通れるくらいの大きさであることが分かる。
「makoちゃんよぉ、やっぱ、闘わざるを得ないンじやあねぇか、、、」
つづく
人物紹介
・日乃本 純 ひのもと じゅん
本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。
・む〜ど
純が属するチーム夢原のヘッドコーチ。日頃はちょっとエッチなお兄さん。実は人格者のプロゲーマー候補。
・mako まこ
純が属するチーム夢原の女コーチ、長い睫毛が印象的なチームのアイドル。北大阪出身の理系女でもある。プロになるか大学に残るか思案中。
・クー子 くーこ
純の親友。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。本作では他ゲームからのゲストキャラ、舞妓を使う。
・花崎 蘭子 はなさき らんこ
高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さは病のレベル。
・比留多 恭介 ひるた きょうすけ
元蘭子の親衛隊長。ニヒリストを気取り文学をこよなく愛する格ゲーマー。一人称は小生。変な髪型の米兵、ゲイルの遣い手。
・佐久間 柚葉 さくま ゆずは
盛岡のフリースクール、リスタートゲーミングの不思議系エースプレイヤー。比留多に強い敵意を抱く。ムエタイ戦士のガッドや米兵ゲイルの遣い手。元ヤンでもある。
・先生 せんせい
リスタートゲーミングの主催者。行き場のない若者達をゲームで連帯させ、社会復帰させるNPO活動をしているのだが、、
・阪田 万吉 さかた まんきち
大阪の格ゲーチーム、難波ドテRISEの切り込み隊長。キャラのジャンプ力を活かした通天閣殺法が得意。苦労人のようだ。
・アンコールズ あんこーるず
格ゲー常任理事国のエースプレイヤー。元地下アイドルで格ゲープレイヤーとしてメジャーデビューを目論む妄想癖のJK。口癖は「アタシの想像力では〜」
・日乃本 尊 ひのもと たける
純とその姉の音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。純は既に死んだと聞かされていたが、、、




