第192ターン 元祖女キャラ対戦!キャリーの相手は?
格ゲーマーの始祖、日乃本 尊。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾!
退路は断たれた。前に向かって進むしかない。ハシタカ名人の巨像が握るファミコンコントローラー、その大きさ、高さは概ね1✕2メートル。
「これを解放できれば、屈めば通ることの出来る穴が出来るはず也。」
「つまり、アンロックできなければオレっち達はこのまま立往生、生き埋めってことか。」
比留多と純がシビアな現状を整理すると、フェイマス格ゲー5人衆、即ち、む〜ど、mako、きどき、まじくん、そして港区マリーも純たち格ゲー日本代表Jrが闘うことを認めざるを得なかった。
すると現金なもので、さっきまで狭い怖いと泣きじゃくっていた美豆良の幼児、ヨミノナビ丸はすっかり泣き止んでおり、元の埴輪のような無表情に戻っている。
さぁてと、あらためて純がプレステのコントローラーを握ると万吉少年がサッとコントローラーを奪い取る。
「純さん、アンタは代表Jrのエースや。先鋒はこの難波の切り込み隊長、阪田万吉に任せてもらいまっせ!」
ニヤリと不敵に笑う通天閣殺法のニクい奴。よぉし、任せたぜと熱血格ゲーマーも年齢以上に華奢な少年の両肩を掴む。その小さいな身体に闘志を燃やして万吉少年がキャラを選ぶ。
「通天閣殺法の本家本元はこのキャラや!英国の女スパイ、キャリーで行かしてもらいまっせ!」
万吉少年は元気よく◯ボタンを押して"決定"するとハシタカ名人像が操作しているのだろうか?独りでに対戦キャラが選ばれる。
「、、チャン・リーだよ。まるで女キャラの元祖は私よ、と言わんばかりの相手を当ててきたってワケね。」
「たしかにチャン・リーは偉大だ。その後の数多の格ゲー女キャラの原点を創ったといってもいい。デザイナーにリスペクトさ。」
と、港区マリーとIQゲーマーきどき。が、まじくんは少し異なる見解を示す。
「それはそうじゃが、なんせ早打ち18連発のハシタカ名人じゃけん、他に意図があるかも知らん。」
そんな手練れ達の会話をよそに万吉少年が操るキャリーとチャン・リーの対戦が始まる。レディー、ファイ!!
つづく
人物紹介
・日乃本 純 ひのもと じゅん
本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。
・む〜ど
純が属するチーム夢原のヘッドコーチ。日頃はちょっとエッチなお兄さん。実は人格者のプロゲーマー候補。
・mako まこ
純が属するチーム夢原の女コーチ、長い睫毛が印象的なチームのアイドル。北大阪出身の理系女でもある。プロになるか大学に残るか思案中。
・クー子 くーこ
純の親友。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。本作では他ゲームからのゲストキャラ、舞妓を使う。
・花崎 蘭子 はなさき らんこ
高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さは病のレベル。
・比留多 恭介 ひるた きょうすけ
元蘭子の親衛隊長。ニヒリストを気取り文学をこよなく愛する格ゲーマー。一人称は小生。変な髪型の米兵、ゲイルの遣い手。
・佐久間 柚葉 さくま ゆずは
盛岡のフリースクール、リスタートゲーミングの不思議系エースプレイヤー。比留多に強い敵意を抱く。ムエタイ戦士のガッドや米兵ゲイルの遣い手。元ヤンでもある。
・先生 せんせい
リスタートゲーミングの主催者。行き場のない若者達をゲームで連帯させ、社会復帰させるNPO活動をしているのだが、、
・阪田 万吉 さかた まんきち
大阪の格ゲーチーム、難波ドテRISEの切り込み隊長。キャラのジャンプ力を活かした通天閣殺法が得意。苦労人のようだ。
・アンコールズ あんこーるず
格ゲー常任理事国のエースプレイヤー。元地下アイドルで格ゲープレイヤーとしてメジャーデビューを目論む妄想癖のJK。口癖は「アタシの想像力では〜」
・日乃本 尊 ひのもと たける
純とその姉の音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。純は既に死んだと聞かされていたが、、、




