第28話
私は悪役令嬢、ノエル・ヴィラニール。生まれた瞬間から私の運命は決まっていた。どんな生き方をしても、必ず殺されてしまう人生。でも、周りの人が悪いわけではない。
――この世界『アリストール魔法学院は恋の庭』の理で、私が死ぬのは絶対に覆せない運命……。
そのことに気づいたとき、泣いても泣いても私の悲しみは癒えなかった。
そんなある日、こことは違う世界から一人の女の子がやってきた。
――龍渡のえるさん。
私が何度目かの断罪をされたとき、日本という異世界から彼女の魂が飛んできて、私の身体に入ったときはビックリした。そのまま、彼女は私として生まれ変わった。今だから言うけれど、最初、私は心苦しくて仕方なかった。どんなに頑張っても、最後には必ず殺されるキャラクターに転生してしまうなんて……。これほど悲しく恨めしいことはないでしょう。
でも、あなたは私として生まれ変わっても、決して塞ぎ込むことはなかった。あなたは私なんかよりずっと強いわ……。そして、あなたのすごいところはそれだけじゃない。私を殺すはずの人たちとも仲良くなってしまうのだから。今までの人生からは考えられない光景よ。
のえるさんはこの世界にない特別な力を持っている。あの邪悪な存在でさえ手も足も出ないほどに強力な……。心の奥底にいても、安心して見ていられた。
でも、本当にすごいのはあなた自身なの。私だったら殺されるだけの運命を変えてしまった。
あなたのおかげで、私も楽しい人生を送れているわ。だから……。
――本当にありがとう。




