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運命だと決めるなら 本編  作者: 徒花解
第二部 闇の目論み
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第4話 再会

「闇の思い通りにはさせませんわ」


「お前を倒して闇の本拠地を突き詰めてやる」


守護神と名乗った2人は巧(たく)みに技を使い仁美を拘束する。


「くっ…」


身動きの取れなくなった仁美めがけ、更に2人はパワーを溜めると仁美に向かって繰り出そうとした。


「待って…! 待って下さい!」


「させるかよ!」


優美は仁美の前に身を乗り出した。

更に綾乃は遠くから2人をめがけて攻撃し、仁美を庇(かば)う。


「邪魔、しないで頂けます?」


「なぜ庇う。そいつは闇に利用されているんだぞ」


「ごちゃごちゃうるさいよ。仁美は私達の友達なんだ、そっちこそ邪魔すんな!」


風の守護神と名乗るウィンディはクスクスと笑う。


「甘い…、甘すぎるわね」


「見たところお前らは光の者達だろう? 友達という理由で世界が滅んでも良いのか?」


「仁美は操られてるだけなんだよ! 主犯は他にいる。闇の奴らだけ狙えば良いだろ!?」


「その甘さが身を滅ぼすのよ」


「話にならないな。ウィンディ、行こう」


守護神2人は姿を消した。


「なんだってんだ…。仁美もいい加減目を覚ませよ!」


「うるさいなあ。光なんか所詮綺麗事」


「仁美! 私、信じてますから! 絶対戻ること」



「ふっ、勝手にどうぞ? でも興ざめしちゃった、また今度ね」


仁美まで姿を消してしまった。


「くそ! なんでこんなことに…」


「…大丈夫、大丈夫ですよ。絶対に仁美を連れ戻しましょう!」


優美は強い眼差しで綾乃を励ました。


「ああ。絶対連れ戻そう…!」


一息ついたのもつかの間、またしても2人に攻撃が襲いかかる。


「今度は何ですか!?」


「くそ、こんな時に!」


目の前にはフレアとリップが現れ、遊んでいるかのように笑いながら次々と攻撃し始めた。


「あはは! 油断大敵だよ!!」


フレアは逃げようとする優美と綾乃の進路を塞ぐかの様に炎の渦で囲う。


「ふふ、ごめんあそばせ♪」


リップの激しい雷攻撃も同時に容赦なく降りかかってくる。


仁美の闇化をまだちゃんと受け止め切れずに動揺してしまっていた綾乃は冷静な判断に欠けてしまい、避けきれず一斉攻撃をまともにくらってしまう。

綾乃はその場に倒れてしまった。


「綾乃! しっかりして下さい!」


「ラッキー♪ リップ、このままこいつをさらっちゃうよ!」


「はいはい、言われなくても」


フレアとリップは優美を押さえつけた。


「なっ…、何するの!?」


「あんただろ? シャインクロス候補は。大人しく捕まっときな!」


「待て…! くっ…!!」


痛みで起き上がれない綾乃を横目に、フレアとリップは優美を拐(さら)って行ってしまった。


「どうしてこんなことに…」





一方その頃。

 

「久しぶりね、温人」


「お前…! 留衣か…!?」


同時刻。温人の前にはルイが立ちはだかっていた。


「なんでお前がここに…」


「懐かしいわね、温人。私たち、自殺した者同士励まし合ったものね。でも残念、もう私はあなたの知っている"留衣"じゃないわ。だから挨拶に来たのよ」


「どういうことだ! お前、まさか…」


「私、温人みたいに生きるチャンスなんて欲しくなかったの。だから堕天、闇の道を選んだ」




――遡(さかのぼ)ること数年前



温人は自殺した後、目が覚めると天界にいた。

そこは天界の端っこにある、自殺した者の魂が集められる場所。

そこで留衣と出会ったのだった。


留衣は生きていた頃、よくある学生の陰湿なイジメにあっていた。

つまらない日々に耐えきれず自殺したのだ。


死ねば楽になれると思ったのに、目が覚めればそこは天界。

自殺した者は報われず、天界で働く日々を課せられていた。


そんなある日、温人と留衣は出会った。

自殺した者同士、話しているうちに2人は打ち解けていく。

ずっと孤独だった留衣は久しぶりに誰かの温かさを感じるようになった。


そんなある日、自殺天使に朗報が入る。


「自殺した者達に生きるチャンスを与えよう」


世界征服を目論(もくろ)む闇と戦い、闇を殲滅(せんめつ)すること。

それができればまた生きるチャンスを与えるというものだった。


「俺、やってみようかな」


「どうして? 自殺したのにまだ生きたいって思うの?」


「チャンスを信じてやってみたいんだ。俺はあまりに無力すぎた。だから、自分の力を試したい。留衣も行かないか?」


「嫌よ。私、また生きたいなんて思えないもの。温人は行くのね。せっかく1人じゃないって思ったのに…」


「留衣は1人じゃないさ。ここには自殺の哀しみや苦しみを分かる人が沢山いる。それに、俺もいる。だからそんな寂しい顔するなよ」


温人は留衣の頭をポンと撫で、生きるチャンスを掴むために能力者となり人間界へと降りていった。




それが2人の出会いだった。

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