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追放されたので廃村でのんびりしてたら、なぜか最強の街になってました  作者: 南蛇井


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第8話 評価

「……ちょっと待て、それ本当か?」


昼のギルドは、いつも以上にざわついていた。


掲示板の前、酒場スペース、受付周辺。

どこでも同じ話題が飛び交っている。


「新人だぞ? 登録したばっかのやつが、あれを単独でやったって?」


「いや、でも受付が認めたんだろ?」


「だからおかしいって言ってんだよ!」


声は徐々に大きくなり、やがてほとんどの冒険者がその話に意識を向けていた。


――謎の新人。


――初依頼で、規格外の魔物を討伐。


「ありえない……」


誰かが呟く。


その一言が、全員の共通認識だった。


その中心にいるのは、受付嬢エルナ。


カウンターの奥で、淡々と書類を整理している。


だがその手元には、すでに一枚の報告書が置かれていた。


「……単独、討伐」


小さく読み上げる。


依頼内容と、実際の討伐対象の差。


明らかにランクが違う。


「通常であれば、パーティで対処する規模」


それを、一人で。


しかも――


「戦闘時間、ほぼゼロ」


目撃証言と状況証拠から導き出される結論。


「……」


エルナは一瞬だけ目を閉じる。


そして、静かに結論を出した。


「単独で、上級依頼相当を達成……」


ありえない。


だが、それ以外に説明がつかない。


「おい、どうなんだよ」


カウンターに近づいてきた冒険者が声をかける。


「その新人、本当にそんな強いのか?」


「事実として、報告は成立しています」


エルナは淡々と答える。


「確認も取れています」


「はぁ!? マジかよ……」


周囲が一気にざわつく。


「ありえねぇだろ……」


「化け物か?」


「いや、そんなレベルじゃねぇぞ」


言葉は否定的でも、その声には明確な興味が混じっていた。


未知の存在。


それが、目の前に現れた。


その少し離れた場所で。


レインは特に気にした様子もなく、依頼書を眺めていた。


「次、どれにします?」


「そうですね……」


リリアが横から覗き込む。


周囲の視線には気づいている。


だが、それ以上に気になるのは――


(やっぱり、この人は……)


完全に、規格外。


もはや疑いようがない。


「……レインさん」


「はい?」


「少し、目立ってきてます」


「そうですか?」


本人は全く気にしていない。


その温度差に、リリアは小さく息をついた。


「……なるべく、穏便にいきましょう」


「はい」


素直に頷く。


だが、その“穏便”が通用するかは怪しい。


「……面白いな」


低い声が、背後から響いた。


レインが振り向く。


そこに立っていたのは、一人の男。


鋭い目つき。

無駄のない立ち姿。

一目で分かる、“実力者”。


周囲の冒険者たちも、その存在に気づき、ざわめく。


「おい、あれ……」


「レオンじゃねぇか」


「上級の……」


ざわめきが、質を変える。


単なる噂ではなく、“本物”が動いたという空気。


レオンと呼ばれた男は、ゆっくりとレインに近づいた。


「お前が例の新人か」


「えっと、たぶんそうです」


レインは軽く答える。


その態度に、レオンはわずかに口元を緩めた。


「噂は聞いた」


じっと見据える。


まるで値踏みするように。


「一人で、あれをやったらしいな」


「えーと……まあ、たまたまです」


「たまたま、か」


短く繰り返す。


そして、次の瞬間。


「なら、試してもいいか?」


空気が、わずかに張り詰めた。


リリアが一歩前に出ようとするが――


レインは特に構えもせず、


「いいですよ」


と、あっさり答えた。

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