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追放されたので廃村でのんびりしてたら、なぜか最強の街になってました  作者: 南蛇井


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第18話 加入

「――というわけで、しばらく同行するわ」


ギルドに戻るなり、カレンはそう言い切った。


迷いのない声だった。


「同行、ですか?」


レインはいつも通り首を傾げる。


「ええ。あなたの“実力”を確認する必要があるから」


理由はあくまでそれ。


だが――


「正式にパーティに入る、ってことですか?」


リリアが静かに確認する。


一歩だけ、前に出る。


「そういうことになるわね」


カレンはあっさり頷いた。


その視線が、わずかにリリアへ向く。


一瞬。


ほんの一瞬だけ、空気が張り詰めた。


「……なるほど」


リリアは小さく息を吐く。


「構いません」


にこりと微笑む。


柔らかいが、どこか譲らない雰囲気。


「レインさんが認めるなら」


「はい」


レインは即答した。


「大丈夫だと思います」


判断が早い。


深く考えていないとも言える。


「……そう」


カレンは腕を組む。


その返答に、ほんの少しだけ納得いかない顔をした。


(軽すぎない?)


もっとこう、何かあるべきでは。


だが――


「まあいいわ」


すぐに気を取り直す。


「足手まといにはならないから」


「はい」


やはりあっさり。


(なんなのよ、この温度差……)


「では、改めて」


リリアが一歩前に出る。


「私はリリアです。主に後方支援を担当しています」


丁寧な挨拶。


だが、その視線はしっかりとカレンを見ている。


「……カレンよ」


短く返す。


「前衛。剣主体」


簡潔だが、自信に満ちている。


「よろしくお願いします」


「ええ、こちらこそ」


言葉だけなら穏やか。


だが――


わずかに、間。


見えない火花が散る。


「じゃあ、三人ですね」


レインがまとめるように言う。


「これで少し楽になるかもしれません」


その一言で、空気が微妙に変わる。


「……楽?」


カレンが眉をひそめる。


「はい。人数増えましたし」


「……」


カレンは一瞬黙る。


(この人、本気で言ってる?)


戦力的にどう考えても“過剰”。


むしろ、こちらがついていく側。


「……そうね」


だが、それは口にしない。


今はまだ。


「次の依頼、どうします?」


レインが掲示板を見ながら聞く。


「少し難易度を上げても大丈夫だと思いますけど」


「ちょっと待ちなさい」


カレンが即座に止める。


「まずは連携の確認よ」


当然の判断。


「三人での動きを一度見る必要があるわ」


「なるほど」


レインは素直に頷く。


「じゃあ、軽めのやつでいいですか?」


「ええ、それでいい」


カレンは即答する。


だが、その目はどこか真剣だった。


(ちゃんと見極める)


この異常な存在を。


そして――


(自分がどこまで通用するのかも)


「では、この依頼にしましょう」


リリアが一枚を指差す。


内容は中級程度。


だが、三人での連携確認にはちょうどいい。


「いいですね」


レインが頷く。


「じゃあ行きましょうか」


自然な流れで、三人が動き出す。


その様子を、周囲の冒険者たちが見ていた。


「おい……」


「カレンが組んだぞ」


「マジかよ……」


ざわめきが広がる。


「新人と?」


「いや、あいつ新人じゃねぇだろもう……」


評価が、完全に変わっている。


外へ出る三人。


並びは自然と決まっていた。


前にカレン。


中央にレイン。


後ろにリリア。


だが、その配置にも意味がある。


「……」


「……」


無言のまま、歩く。


そして。


「レインさん」


リリアが声をかける。


「はい?」


「どちらが前に出ます?」


穏やかな質問。


だが――


「私に決まってるでしょ」


即座にカレンが答える。


「前衛は私よ」


「そうですか」


リリアは微笑む。


「では、任せますね」


「ええ」


短いやり取り。


それだけなのに――


また、わずかに空気が張る。


レインはそれを見て、


「仲いいですね」


と、普通に言った。


「「よくない!」」


即座に、二人の声が重なった。


一瞬の沈黙の後。


どこか、少しだけ空気が柔らぐ。

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