613.【後日談7】猫パ その16
後半3つ目の視点はちょいシリアスなので、まぁ読まなくてもいいです。
・洋館ステージのお宝探し
時は少し遡り、お宝さがしゲーム、ここは洋館タイプのステージ。
大きな部屋が5つ、小さな部屋が10ほどある。洋館の外には出られない。
班の旗はお風呂。紫色の野良猫ケンイチ率いるネコ科魔獣達が、洋館の一番大きな、おそらく洋館の主の部屋でお宝さがしをしていた。
「ニャンワ(ヒギー、チームの班分け、どう思う?)」
ケンイチの左前足が喋る。
「一見、実力が偏らないように構成されているようだが……問題だらけだな。
魔獣は実力主義。上の実力の者の言うことには、下の実力の者は絶対に従う。
だが、もし班員の実力が拮抗している場合は……」
「ニャワ(やっぱり、チームの連携が取れない、と)」
「あぁ。この班対抗ゲームの結果は、おおよそ予想出来る。
リーダーの実力が頭1つ以上抜けている班、すなわち肉球魔王、ネコショウ、キメラと、我々の班は上位の順位となるだろう」
「ニャワワ(なるほど。ところで、部屋の扉が勝手に閉まったな)」
「閉じ込められたか。全員がこの部屋に入ることがトリガーだったのだろう。
壁に掛けてあるボードを見るに、これらのミッションをこなすことで扉が開くと予想出来る」
「ニャワ(ふーむ、個人でこなすのは無理そうだ。みんなーしゅーごーう!!)」
部屋の本棚で爪とぎしていたネコ科魔獣が「みゃーん(なになに~?)」と寄って来る。
「ニャワッ(俺の言うことを手伝ってくれたら、高給マグロ缶詰をあげよう)」
「みゃおー(わーい、お手伝いやるやる~)」
部屋のネコ科魔獣達は、我先にとケンイチの手伝いをするのだった。
◇ ◇ ◇ ◇
・森ステージのお宝探し
チーム鳥の羽が挑むのは、森のステージのお宝さがしだ。
このチームの中心ネコ科魔獣は、人間ほどの大きさで、9つの尻尾を持っている白猫魔獣。
闇ギルドの『猫耳天国』リーダー、ネコショウ。
狐魔獣に間違われるのがコンプレックスだとか。
「グァウン(一生分の美味しいオヤツが欲しいかぁ!!?)」
「なー(欲しーい!)」
「グォウヌ(だったらこの班対抗ゲームで勝つしかねぇよな!!
優勝出来れば、賞金でオヤツ食べ放題だ!!)」
「なんなー(オヤツ食べ放題!!)」
集団のモチベーション向上は、ギルドリーダーのネコショウが最も得意とするところである。
チーム鳥の羽は、お宝さがしゲームで最速記録を叩き出したのだった。
◇ ◇ ◇ ◇
・廃村ステージのお宝さがし
チーム猫砂は廃村のようなステージに居た。
青毛の普通猫大の魔獣、ネクロミャンサーは、骨だけとなったネコ科魔獣の死体を使役し、一緒に家の中を探索していたが、
「ガゥッ!(死体なのに動いて、気色悪いんだよ!! おらぁっ!!)」
バキッ!
班員の1体のトラ魔獣が、その死体を攻撃し、後ろ足の骨の一部が折れた。
「ぐんにゃあ(きゃぁ!? 痛ッッ!!)」
死体のダメージはネクロミャンサーにも入る。
「ガゥゥ!(へぇ! 死体のダメージはテメェにも入るのか!
なら、こいつを壊せばテメェも死ぬのかな?
けっけっけ!)」
「ぐんにゃう(あ、あんた最低だわぁ、モテなそう)」
「ガゥオ!!(あぁん!? ぶっ殺す!!)」
トラ魔獣が再び骨の魔獣を攻撃しようとする。
ネクロミャンサーは新しい死体を呼び出し、防御させようとするが、
「にゃ(ダメだよ)」
ダンジョンマスター、伊乃田命の配下の魔獣、白い猫又のミルフィーユが現れ、魔法の障壁でトラ魔獣の攻撃を止めた。
「ガゥゥゥウ!!(ああ!? 邪魔すんな低級魔獣!! ネコ科魔獣の死体を操る、気色悪いコイツを殺すんだよ!!)」
「にゃ(うーん、3アウト。君は退場だよ~)」
トラ魔獣は、ダンジョンの外に転移させられた。
事実上、猫パ出禁である。
「ぐにゃう(あらイケメン……痛たた)」
「にゃ!(【ゴッドヒール】!)」
骨だけになった死体のネコ科魔獣と、ネクロミャンサーの骨折が治る。
「にゃ!(何か困ったことがあったら、言ってね! じゃあね~)」
ミルフィーユはどこかに転移してしまった。
「ぐんにゃん(素敵……)」
ネクロミャンサーは班対抗ゲームの事を忘れて、ミルフィーユの事を思い浮かべてポ~ッとしていた。
他の班員も、真面目にゲームに取り組んでいなかった。
こうしてチーム猫砂は、班員を1名失った上、班対抗得点が最低値となってしまうのだった。




