014 武器を創ろう?
ちょっと長くなってしまいました。
ギルドを出て北に2ブロックの武器屋に入店。初日に短剣購入したお店だった。
「いらっしゃい。おお。嬢ちゃんとノンじゃないか」
このおじさん、よく食堂で冒険者たちと飲んでいる人だ。武器屋の人だったとは知らなかったよ。
私は本当に周りをよく知ろうとしてなかったんだな。反省。
「こんにちは。武器を創ってほしいんです。」
粗雑な用紙に簡単な画とサイズを書いておじさんに見せる。
「嬢ちゃん、これはただの棒じゃないのかい。」
言われると思ったよ。
「この長さと太さが重要なんです。」
撥の要領で使うにはサイズはきっちりしとかないと力が入らない。
「殴るならメイスでいいんじゃないかい?」
「メイスだと先端が重くて私の使い方ではバランスがとれません。それにこれは二本で一組なんです。」
「ふむ。よくわからんが創れと言うなら創るぞ。」
「打撃力を考えると材質を金属にしたいんですけど何がありますか。」
「一般的なのは銅、鉄、銀、金だな。良い物はまだまだあるが。」
おじさんは見本としてそれらの長剣を出してくれた。うーん。撥の太さにするとかなり重そう。それに…。
「うーっ。お金が全然足りないので今回は木でお願いします。」
「ははは。しょうがないな。木だとこれとかだな。」
今度は槍の持ち手で使う木を並べてくれる。質の違いはあれどどれも朴っぽい。硬さからいくと樫か檜が欲しい。
…ん?檜?
「すみません。木は持ち込みしてもいいですか。」
「おお、いいぞ。」
「じゃあ採ってきますね。ってことでノコギリください。」
「ぶははっ。武器を買いに来てノコギリ買って帰るか。」
くそーっ。悔しいけど言い返せない!
手頃なノコギリを購入してリュックに詰め込む。長いのでリュックから飛び出してしまったけどしかたがない。
「まあ、いつでも作ってやるよ。俺はムドラだ。覚えといてくれ。」
「じゃあ私を嬢ちゃん呼びするのはやめてくださいね。カノコですよ。」
「なに言ってんだチビッ子が。背が伸びたら呼んでやるよ。」
身長が14歳から変わらない私に喧嘩売っているのかっ。
ギルドへ行き掲示板を見る。狙うは私たちがこの世界で最初に居た門の外での採取。
あの時に見た『葉っぱが檜で樹皮が茶とこげ茶のストライプ』が檜なんじゃないかと目星をつけているのだ。ついでに採取もしてこようという計画である。
それにその場所なら門番さんも近くて武器を所持していなくても比較的安心できるからね。武器を手にするまでは我慢だ。
「今日は南門の外でリグドンの実を100個で600N。100個以降は1つ5Nだから、拾えるだけ拾おうね。」
「リグドン?」
「図鑑見せてもらったらドングリだった。」
「じゃあ俺はやることないな。寝てていい?」
「ううん。これこそノンちゃんの出番だよ。リグドンは幹に刺激を与えないと落ちてこないんだって。だからノンちゃんがクロヒョウパンチをやってね。」
「お前が幹を蹴飛ばせよ。」
「ふうん。ノンちゃん晩御飯抜きだね。」
「…殴るだけな。」
南門へ行くと初日に会ったボケツッコミコンビの門番さんがいた。
「おはようございます。すぐそこで採取してますね。」
「おう。頑張れよ。」
「その猫、猫じゃなかったんだって?」
「…クロヒョウになった。」
「おおっ。喋った!」
ボケさんが驚いて固まったのをツッコミさんがまた頭を叩いていた。うん、スルーしておこう。
門を出た途端ストライプ柄がちらほらと見受けられる。どれも直径10cm、高さ3m程度しかない。この辺りのにしておこう。無理はしない方針で。
適当にこれだ、と思った1本を切り倒す。断面を触ると檜っぽい手触りで、自分の勘が当たったことに嬉しくなる。
枝打ちしたら2mくらいになった。1mあれば十分なので半分に切り、1本はその場に置いていくことにする。そのうち誰かが薪として使うでしょう。というか、重くて1本引きずるので精一杯。
生木って重いのね。




