「ギルド、『黄昏賛歌』始動」
8/6 二話目
ガルディー歴 1280年 十二の月 一日
ギルド、『黄昏賛歌』が出来上がったよ! 新聞にもちゃんと載っている正規の組織。
これで動きやすいわ。新しく出来たギルドは、依頼が舞い込みやすいようにこうして新聞などに載ったりもするのよ。
でもこの後の行動次第では、依頼なんてこなくなるから一生懸命頑張らないと。
ギルドを作ったのはノルケーシア様のためだけど、真面目にやるつもり。
ガルディー歴 1280年 十二の月 五日
あくまで私はギルドのトップという肩書は一応あるけれど、表に立っているのも、実務を行っているのもテレミアだ。
というかまだ子供の私はそういった依頼って受けるの難しいもの。
ただ魔道具に関することだとか、私でも内密に出来るような依頼はもらっているわ。最初は雑用などの依頼もきたりするの。
あとは私の使い魔であるクシュが動いてくれているから、それも実質的には私の働きともいえるよね。
頑張りたいなぁ。
ガルディー歴 1280年 十二の月 六日
お兄様がまたお出かけしている。
私とほとんど年が変わらないのに、お兄様って本当にすごいよね?
私の自慢のお兄様だ。素直に尊敬する。でもお兄様って何をしているのかとか、交友関係とかあんまり私に教えてはくれないからよく分からない。謎すぎる。
ガルディー歴 1280年 十二の月 九日
今日は調合を学んでみる。『黄昏賛歌』では危険な依頼も少しずつ受けているそうだ。
そのあたりの報告を受けているので、彼らの使う薬などの備品を自給自足できると一番いいと思うの。
今はギルドメンバーは戦闘面に特化した人が多いから、裏方業務をしている子も増やしていきたいな。
備品の出費を減らしていければ、ギルドの組織資金もたまっていくだろうしね。
ガルディー歴 1280年 十二の月 十一日
ギルドの本部はそこそこ立地が良い場所を用意してくれているらしい。
私は直接一度も訪れていないから、詳しくは知らない。やっぱり使い魔なり、人形遣いの魔法で見に行けるようにしないと。
そのためにも鍛錬をもっと頑張らないとね。
ガルディー歴 1280年 十二の月 十二日
作った薬をお兄様が味見してくれた。効果はちゃんと出ることを魔物への実験で確認出来ている。
ただ味は美味しくないみたい。
やっぱり味の面でも飲みやすいようにはしたいな。
前世で読んだ漫画などでも転生もので美味しい薬を作るのを見たことがある。
私もそう言うのを生み出したい。
ガルディー歴 1280年 十二の月 十五日
今日は両親とお兄様と一緒にお出かけした。
両親はお兄様への恐れは少なからずあるらしい。お兄様、子供なのに凄いからなぁ。
でも息子として可愛がっていることは分かるし、私は両親のことも大好きだけど。
ガルディー歴 1280年 十二の月 十八日
ノルケーシア様の話を聞いた。
とても美しくて、同年代の子達の中でも抜きんでているらしい。
ちなみにお兄様も噂の的だと聞いた。理由は分かる。お兄様、かっこいいもん。
ガルディー歴 1280年 十二の月 二十日
なんだか今日、外がバタバタしているなと思ったらお兄様が狙われていたらしい。
私のお兄様を狙うなんて何を考えているんだろうか? お兄様は狙ったところでどうにか出来る存在じゃないから。
お兄様ってね、どんな相手から狙われたとしてもそつなくこなく対応するから。
ガルディー歴 1280年 十二の月 二十二日
『黄昏賛歌』は順調に依頼を達成出来ているらしいと報告で聞いた。
それにギルドに入りたい子もそれなりにいるみたい。きちんと選別はしないと。
変な人を入れて、ギルド設立してすぐに問題を抱えるなんて御免だもの。
ガルディー歴 1280年 十二の月 二十五日
今日は入団試験の内容を考えていた。
ギルドに入る仲間は大事にしたい。だけれども合わない人を入れてしまったら、結局退団になったりするかもしれない。
なるべくそういうことはないようにしたいなとは思う。
何か事情があって、ギルドを抜けたりすることは問題ないけれどギルドからどんどん人が居なくなるとかはしたくない。
その分、仲間になってくれる人は選びたい。
そのことはテレミアにも伝えてあるので、ギルドに入りたい人たちにはしばらく待ってもらっている。
まずはギルドに入りたいと伝えてくれた人たちの情報収集をしてくれている。
自己申告だけだと見えてこないものがあるものね。面接などはテレミアにしてもらうことになるだろう。
やっぱり人形遣いの魔法をもっと使いこなせるようにならないと。
ガルディー歴 1280年 十二の月 三十一日
お兄様、やっぱりただのモブじゃなかった!!
年の終わりに発覚して、私は大混乱だ。
ハザイド・ヒートティア。
若きヒートティア家の当主として、名前だけ出ていた。スチルもなかった。
だけどまさか同じ名前だからといって、お兄様が優秀だからといって……直系を差し置いて当主を継ぐためにって侯爵家の養子になるなんて思ってなかった。




