「お兄様に聞く、下僕の作り方」
ガルディー歴 1280年 八の月 一日
お兄様からお出かけに誘われた。出かけた先でお兄様の下僕という人達に会った。
これまで私が会ったことのなかった人たちだ。
お兄様は私と違って社交的で色んな人と関わっている部分もあるんだと思う。だけど私はそこまでお兄様の交友関係を知っているわけじゃなかった。
下僕呼ばわりされている人は何らかの理由があってお兄様に従っている人らしい。お兄様のことを尊敬しているんだとか。やっぱりお兄様って凄い。
ガルディー歴 1280年 八の月 四日
お兄様が「下僕の作り方を教える」と言ってきた。要するに誰かに恩を売ったり、力で分からせたりしたら良いって話だった。
お兄様、見た目は綺麗なのに脳筋だ。お兄様らしいけれど。
でも下僕はともかくとして機会があれば自分の手足となってくれる人は欲しい。雇用契約とかを結ぶのもあり。ただあれだ、今はお金もないから資金稼ぎも必要だな。
ガルディー歴 1280年 八の月 五日
お兄様から驚きの事実を聞いた。これまで訓練で狩った魔物、お兄様が換金してくれていた。そのお金が銀行にたまっているらしい。
ちゃんと私の分のお金も預けてくれているんだとか。
私がお小遣いを使い切ったりするから、散財しすぎないようにお兄様が管理してくれていたそうだ。
結構な金額だった。確かに使いすぎるかもだから、もう少し自重出来るようになるまではお兄様に預けていた方が良さそう。
ガルディー歴 1280年 八の月 八日
今日はクシュと一緒にお散歩をした。クシュは可愛いけれど、強い子だなと散歩の旅に実感する。
ブラッシングをしてあげると気持ち良さそうに鳴いている。
ちなみにブラッシングの間はずっとノルケーシア様の良さを伝えている。
ガルディー歴 1280年 八の月 九日
散歩中に精神に攻撃してくるような魔物に出会って焦った。
何とか逃げた。後でお兄様に報告したら、対処してくれたらしい。というか、従わせて使い魔にしたと。
その魔物、滅茶苦茶私に謝っていた。
ガルディー歴 1280年 八の月 十二日
この前、お兄様が使い魔にしていた魔物、乙女ゲームにもちらっと出ていた種族かもと思い出した。
人を操るような危険な魔物だ。確かゲーム内で、その魔物に遭遇した後のバットエンドルートがあった気がする。
正気を取り戻した時には時遅しな感じだった。私は逃げれて良かった。これまで頑張って訓練してきたからだよね。
ガルディー歴 1280年 八の月 十四日
お兄様から「下僕を作って連れ歩くべき」って言われる。この前の一件で心配されているらしい。
いっそのこと、お金でほしい人材を買うべきだろうかとお兄様に相談した。ただ私が凄く良い待遇にしようとしていると聞くと鼻で笑われた。
あまりにも下僕を甘やかしすぎるとつけあがるらしい。でも確かにそうかもしれない。そのあたりはきちんと線引きは必要な気はする。
ガルディー歴 1280年 八の月 十五日
お兄様の下僕の一人(名前を教えてくれない)がノルケーシア様の情報をくれた。この赤髪さんはお兄様のことを恐れているらしい。お兄様が本気で怒ったことなんて私は見たことないけれど怖いんだろうな。
ちなみに下僕の人達は私の名前を呼ばずに「妹様」と呼ぶ。なぜかお兄様は私の名を呼ぶことを彼等に許可していないらしい。なんで?
ガルディー歴 1280年 八の月 十八日
散歩中に倒れている人を見かけて助けることにした。私より年上のお姉さんだ。
テレミアというらしい。凄くボロボロだった。私は治癒系の魔法も学んでいるので治しておいた。
お兄様には「捨ててこい」って言われた。お兄様は身元の知れない人間を警戒しているらしい。
ガルディー歴 1280年 八の月 十九日
テレミアは警戒心の強い猫ちゃんみたいだ。クシュに似ている。
余程酷い目にあったのか凄く私のことを警戒していた。
ガルディー歴 1280年 八の月 二十二日
テレミアのことを訪ねてくる貴族が居た。凄く悪い感じだった。お兄様が対処してくれて事なきを得た。
ガルディー歴 1280年 八の月 二十四日
お兄様が手続きをしてテレミアが私の所有物になった。元々テレミアはこの前訪ねてきた貴族のところで酷い目にあっていたらしい。
テレミアは「私に何をさせる気なの?」と相変わらず警戒している。
とりあえずギルドを作りたいから、自分の代わりに表に立ってくれないか聞いてみる。ぽかんとされた。
ガルディー歴 1280年 八の月 二十五日
テレミアは珍しい種族の血を引いているらしい。それで貴族にとらわれていたんだとか。
私は正直それらはどうでもいい。その話を聞いても「それで私の代わりに動いてくれる?」と聞いたらやっぱり驚かれる。
テレミアの種族を気にしないことってちょっと物珍しいらしい。結局頷いてくれた。
今年中にはギルド作れるように動きたいなぁ。




