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推し見守り日記~見守りたい彼女と捕まえたい彼の攻防記録~  作者: 池中織奈


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「使い魔契約と、野望」

 ガルディー歴 1280年 七の月 一日


 前世の記憶を思い出してから私はより一層、勉強に精を出すようになった。魔法が自由自在に使えるようになったら推しを幸せに出来る一手になるから。

 私は寝ても覚めてもずっとノルケーシア様のことばかりを考えている。ノルケーシア様のご尊顔を直接見ることが叶わないからこそ余計に恋しく思っているのかもしれない。

 ノルケーシア様の絵ばかり描いていたのをお兄様に見られて、呆れた目をよく向けられる。




 ガルディー歴 1280年 七の月 三日


 お兄様から「そんなに会いたいなら俺がどうにかするか?」などと言われたが断った。私があくまでノルケーシア様に認識されずに見守りたいということを熱演したら大きなため息をつかれた。解せぬ。

 私はあくまで推しの生活を邪魔しないように生きていきたいのだ。

 お兄様は凄く有能だからやろうと思えばノルケーシア様と私を会わせることぐらい簡単かもしれない。ただそれは私の望みには反する。



 ガルディー歴 1280年 七の月 五日


 頑張ったおかげでお兄様が許可を出してくれて、一匹の使い魔と契約した。陰に潜れる可愛い猫ちゃんである。私は前世から猫が好きだったし、私が推しを見守るのに有効な能力を持ち合わせているので契約をした。

 ただお兄様には「ちゃんと面倒を見れなかったら相談しろ」と言われた。私の使い魔になった子は、魔物としては凶暴な種族なので心配しているんだろう。




 ガルディー歴 1280年 七の月 七日


 猫ちゃん――クシュは可愛い。私はクシュに思う存分、ノルケーシア様の良さを語った。

 私の使い魔であるのならばノルケーシア様を崇拝するのは当然のこと。私がノルケーシア様の為に動く際に協力してもらうので分かってもらわなければ。

 ちょっとだけ反抗的だったので魔法で分からせた。ああいう魔物は強いものに従うようで今ではすっかり従順である。





 ガルディー歴 1280年 七の月 十日


 やっぱりお兄様は天才だ。なんでお兄様、乙女ゲームだとモブなの? 謎すぎる。もしかしたら私が把握していないだけで、モブじゃないとかありえる? 

 まぁ、深く考えても仕方がないのでお兄様のことはおいておく。

 今日の新聞に王家のことが書かれていた。メインヒーローの王太子殿下のことが書かれていた。ノルケーシア様のことが書かれていたら良かったのにな。





 ガルディー歴 1280年 七の月 十一日


 歴史を学んでいると前世で乙女ゲームをプレイしただけでは分からなかったものが沢山見えてくる。ゲームの世界とはいえ現実だと改めて実感したのでそのあたりは混同しないようにしよう。

 私は前世の知識に振り回されて、推しを不幸にはしたくない。

 お兄様には私がやり過ぎたら止めてといっておいた。お兄様は頷いてくれたので一安心だ。






 ガルディー歴 1280年 七の月 十四日


 推しを幸せにするためには、やはり国内の状況もよくしなければならない。平和は大事。だって幾ら乙女ゲームの周りだけが平和でも、国内が荒れていたら結局幸せになれない。

 私は漫画とかでも、物語が終わった後の世界も平和であってほしい。ハッピーエンドのその後が不幸な続編だととても悲しくなる。

 推しを幸せにする計画の一つとして国内情勢を整えることを野望としておく。





 ガルディー歴 1280年 七の月 十八日


 私が何をどうできるかというのを国内の制度などを調べて考えてみることにした。

 一番手っ取り早いのは、自分で国内の問題を片付ける場所を作ること? 大それた野望かもしれないけれど、それができれば一番良い。





 ガルディー歴 1280年 七の月 二十一日


 推しを幸せにするための目標

 ・魔法の練習を引き続き続ける。推しがピンチの時は駆けつける

 ・推しを見守れる体制を作る。直接ではなく、間接的でも推しの情報を集められるようにする。

 ・推しを幸せにするために国内の問題を片付ける。これは何かしらの組織を作る。

 とりあえずの目標はこれだけとして、ギルドのようなものならだれでも作れそうだった。

 前世でファンタジー系の作品も好きだったから、そういうものを作ることにも興味はある。





 ガルディー歴 1280年 七の月 二十三日


 最近、ギルドについて沢山調べている。

 ギルドを作るにしても、考えなければならないことは山ほどある。ちょっとしばらくギルドの名前でも考えてみよう。

 まだ作れるかどうかも分からないけれど、そんな妄想をするのは楽しい。





 ガルディー歴 1280年 七の月 二十七日


 今日はお兄様に連れられて、いつも訓練で向かっている山で遊んでいた。それなりに魔物も多いけれど、訓練をしているのもありこのあたりの魔物を相手にするぐらい問題はない。

 強くなっているのを実感すると楽しい。だってノルケーシアを見守るための力を手に入れられているってことだもの!






 ガルディー歴 1280年 七の月 二十九日


 ギルド設立するとしたら、ノルケーシア様のことは明かさずにこの国を守るための盾になりたいとかそう言う感じ? 

 それだと綺麗事すぎるか。大切な人を守る力を手にするみたいな感じかな。それだと良さそう。

 私みたいな子供がギルドを設立するのって少し難しいかな。私は表に立つ気はないから、誰か良い感じの大人の人と出会うべきか。

 出来れば私の言うことを聞いてくれる人がいいけれど、そんな人と出会うにはどうしたらいいかな。

 そんなことをお兄様に言ったら、「下僕が欲しいのか? 作り方を教えるか?」って聞かれた。

 一旦断った。

 ちなみに天才のお兄様には、お兄様の言う“下僕”のような人は居るらしい。私より一つだけ年上なだけなのに、お兄様ってやっぱり規格外だなと思った。


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