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推し見守り日記~見守りたい彼女と捕まえたい彼の攻防記録~  作者: 池中織奈


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「お兄様の婚約者候補」

 ガルディー歴 1283年 五の月 一日

 

 お兄様の婚約者候補のことを一生懸命調べた。

 今のところは悪い点はない。ただ少し調べただけではまだ分からないので、もっと調べないとならない。

 だってお兄様にろくでもない女性が近づくなんて耐えられない。私、一番大事なのはノルケーシア様だけど、お兄様のことも大事だから。



 ガルディー歴 1283年 五の月 二日


 ステラが人形であることを知った一部は、ステラを買い取りたいなどと言い始める。

 人形であるのならば代わりは幾らでもいるからいいのでは? などと言われたけれどそんなわけない。ステラを作るのにどれだけ時間をかけていると思っているのだか。

 それにステラの身体って私の身体といっても過言ではないぐらい使っているのだもの。それが誰かの手に渡るなんて考えたくもない。



 ガルディー歴 1283年 五の月 四日


 今度、お兄様が婚約者候補の方とお出かけするのについていくことになった。婚約者候補の御令嬢にも許可は得ているらしい。流石に許可なしで妹同伴は問題だものね。でも二人でお出かけする中に私が一緒でいいのかしら? と少し思った。

 ただお兄様的には私にもちゃんと婚約者候補の御令嬢のことを見て欲しいらしい。

 私が拒絶するのならばすぐさまお兄様って、婚約者候補の令嬢との関わりを無くすのだろうな。



 ガルディー歴 1283年 五の月 七日


 お出かけの日、私は小さな人形を操ることになった。ちなみに馬車などではお兄様の胸ポケットにいたし、それ以外の中でもバックの中に入れられていた。

 お兄様が小さな人形を連れ歩いているのは少し注目を浴びていた。ちなみに馬車の中で婚約者候補の令嬢とは挨拶をした。

 人形の姿の私に対しても凄く丁寧に接していた。私を尊重している様子だったのでその点は好印象だった。

 個室で食事を摂ったりしていたけれど、お兄様って婚約者候補の令嬢にはそれなりに優しいというか、ちゃんとした対応をしていた。お兄様が彼女を気に入っているからというのもあるだろう。

 一日お出かけに同行して今のところ、彼女がお兄様の婚約者候補であることは問題がないと思った。でもお兄様を悲しませたら許さないって宣言はしてしまったけれど。



 ガルディー歴 1283年 五の月 十日


 お兄様の婚約者候補であるルウロメアさんとお手紙のやりとりをすることになった。

 なんだろう、その手紙からしても私と仲良くしたいという気持ちが感じ取れた。お兄様の見ていないところでもちゃんと私によくしてくれようとしているらしい。



 ガルディー歴 1283年 五の月 十一日


 今日はノルケーシア様のことをのぞき見した。今日も推しはかっこいい。

 御友人と一緒に魔法の鍛錬をしている様子も様になる。というかノルケーシア様は同年代の中では優秀だと噂なのだけど、それでも驕る様子がないのもいいなと思う。

 だって優秀過ぎると努力する必要がないと判断する場合だってあったから。



 ガルディー歴 1283年 五の月 十五日


 『黄昏賛歌』へと顔を出した。相変わらずギルドメンバーたちは私のことを慕ってくれている。顔を出す度に「マスター!」って嬉しそうに声をかけてくれるのだ。

 依頼を受けたり、テレミアや幹部たちと会議をしたりするだけではなく、ギルドメンバーたちとの交流もなるべく深めるようにしている。

 


 ガルディー歴 1283年 五の月 十七日


 ルウロメアさんはお兄様にもかなりの頻度でお手紙を書いているらしい。手紙を書くのが好きなんだって。

 魔道具で会話を交わしたりもしているみたいだけどね。

 あとはお兄様からもらう手紙を大事に取っときたいのだとか。ルウロメアさんがお兄様のことを大切にしているのならばそれは嬉しいなと思った。



 ガルディー歴 1283年 五の月 十八日


 今日は色んな素材集めのために魔物狩りを続けた。今日はギルドマスターとしてでも、ステラとしてでもなくこうしてただのクライネアとしてぶらぶらするのもたまには良い。

 使い魔たちと一緒に誰も居ないところで、のんびり過ごすのもいいな。時折こうやってスローライフ的なことはしたい。



 ガルディー歴 1283年 五の月 二十日


 お兄様とルウロメアさんの正式な婚約発表が今度なされると聞いた。

 とはいえ、互いに何らかの不都合でもあったら解消することは取り決められてはいるらしいが。

 お兄様も嫌がる少女をそのまま婚約者にしようとかは考えていないようだった。貴族だと政略結婚も多いけれど、私がそう言うのを嫌がっているからというのもあってお兄様は誰かを無理強いしようとはしないのだ。



 ガルディー歴 1283年 五の月 二十二日


 お兄様の婚約発表のための衣装を準備している。

 私の家はヒートティア家の分家だから、婚約発表の場には当然招待されている。

 それにお兄様が両親や私とそこまで表立って関わらないようにしているとはいえ、生家だもの。


 ガルディー歴 1283年 五の月 二十五日


 お兄様とルウロメアさんの婚約式、とても素敵だった。

 それにしてもお兄様もルウロメアさんもとても綺麗だから、絵になる。思わず描きたくなったぐらい。

 婚約式の場で突然絵を描きだしてもおかしいからそんなことはしないけれど。

 あとはノルケーシア様の姿もあって、見かけることが出来て変な声が出そうになった。だって生で正装の推しを見れるの最高じゃない??



 ガルディー歴 1283年 五の月 二十八日


 婚約式の場で焼き付けたノルケーシア様、そしてお兄様とルウロメアさんのそれぞれの絵を完成させた。

 後者はお兄様にプレゼントしておいた。我ながら良い出来。


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